左上から 彩加 高2 / 風音 高1
晴 高1 全て油彩
このくらいの季節になると異様にお団子が食べたくなります、ホノカです!
本日は学生クラスから3人の油絵をご紹介します。なんと全員油絵初挑戦!しかしながら作品にはやる気とオリジナリティが溢れ、とてもクオリティの高い作品となっています。
それぞれご紹介していきます。
彩加 ーアジア系の女性でしょうか、三白眼の瞳がこちらをじっと見つめており少し妖しげな雰囲気が漂います。また同じく目を引くのはどちらも彩度の高いオレンジのシャツと白地に緑のグラデーションの入ったスカート。背景や人の肌の彩度、明度が抑えられている事でより服に目が向きます。しかしオレンジは青・緑とは補色に近い関係のため一歩間違えると全体のまとまりを壊してしまう可能性をはらんでいます。ですがシャツの影に青みがかっていることや服の色を彩度の高い色でまとめていることで、その危険性を人の目を惹きつける魅力に上手く変換していますね。
風音 ー動物特有の皮膚の柔らかそうな質感がリアルで観察力がとても高いことが分かる作品です。さらに下塗りが赤なのでしょうか、全体的に少し赤色が透けていることで犬の血色感や絵全体の雰囲気に温かみが生まれ、犬の可愛さも相まって思わず微笑んでしまいます。一方でスカーフの水色は空の水色と違って赤みが無いことで全体の中でも目を引く色になり、そこに視線が向きます。そしてその画面中央に舌があることで目線が初めに舌に行きそのあと舌を辿って顔という風に移動し、さらに画面いっぱいに犬が描かれていることで見ている側に近寄ってきているような絵の瞬間だけでなく前後の動きがありますね。
晴 ー白いレンガが地中海近辺の街並みを思わせ爽やかな海風が吹くようです。構図としても手前から奥に道が続くことで絵に空間が生まれ、壁で見えない道の奥にはどんな街並みがあるのかワクワクしてしまいます。また白壁は奥に行くほど少し明度が高くなり、影とのコントラストも弱くなる空気遠近法が効果的に使われているためそこに流れる空気までもが感じられます。さらに構図や技法だけでなく塗りの緻密さもこの絵の魅力です!使われている白という色の括りの中だけでも様々な混色が行われており、壁のザラザラとした質感だけでなく光を反射して少し膨張した状態までもが表現されています。
三者三様の作品ですが、そのどれもがこだわりと魅力に溢れ、見れば見るほど新たな発見があります。油絵具は絵具の特徴を知っていることも重要になるため、初めて油絵に挑戦した人は絵具の使い勝手が他とは全く異なることや混色の難しさと闘いながら作品を作り上げていきます。彼女たちも今回が初挑戦でしたがどれも色の選び方が上手く、本当に初めて?と聞きたくなるほどです。再び油絵に挑戦するかは彼女たち次第ですが、このオリジナリティ満載の油絵を見てしまったら次の作品はどんなものなのか気になりまくりですね!