大竹です。引き続き小学生の鳥獣戯画のご報告をさせて頂きます。
下書き無しの一発勝負の鳥獣戯画、いつもはガヤガヤと賑やかな教室もシンと静まり返る珍しい風景の中、皆緊張感を持って取り組んでいました。そんな鳥獣戯画の制作ですが、やはりポイントは”関節の意識”、”頭と体のバランス”、”線の強弱”でしょうか。
”関節の意識”は、主に肘や膝をきちんと描写できるかがポイントです。オリジナル鳥獣戯画でも手足を棒のようにまっすぐ描くのではなく、肘と膝の関節が意識されているだけで絵の中で感じられる”動き”が全く違うかと思います。鳥獣戯画は動物を人のように動かして描かれているので、人と同じように手足を描くことでよりそれらしく見せることができます。
”頭と体のバランス”では、殆どの子が頭から順に描いていきますが、つい大きく描いてしまい体が入らなかったり、小さく見えてバランスが悪くなってしまいます。1枚目で失敗したら2枚目は頭を小さくしてバランスを考えながら描いていく事で、ここまで上達する事ができました。やはり練習は大事ですね。
そして”線の強弱”ですが、これはみんな良く観察し、線の流れや特徴をつかんで描けていましたね!ひっくり返っているうさぎの太ももや背中の線、走る馬の関節の動きなどとても上手でした。こうした線の勢いや強弱によって、生き生きとした絵に見えてきます。
練習を重ねる毎にみんな筆使いも上達していくのが見て取れました。学校の書道の授業で筆と墨で字を書くことはあっても、絵を描く事は中々ないと思います(しかも、下書きも無しの一発勝負!)ので子供達にとって新鮮な体験だったのではないでしょうか?