モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

スマート、クール、スタイリッシュ

2021-10-22 11:38:35 | 学生


健一郎 高2 左 油彩『文明の利器』 / 右 水彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは学生クラスの健一郎の作品。左の油彩が最新作です。

過去の作品もそうでしたが、彼の作品はどれもスマートな印象を受けます。彼自身も見た目がクールでスタイリッシュで(いつも着ているシャツがお洒落で可愛い)、作者の性格・内情が制作によく表れていると思います。最新作のタイトルの皮肉の効かせ方も講師陣からは好感度アップでした笑 
潰れた車をアップで描くのではなく、日常の風景の中にポトンと置いた感じが良いですね。参考資料には周りに警察官が何人か現場検証をしており、最初はそれらを入れるか入れまいか悩んでおりましたが、最終的に人物を排除した事でひとさじの”違和感”が加えられています。普通なら警察官の他に周りに野次馬もいるのでしょうが、それらを排除した事で生まれる違和感がこの作品のアクセントになっているのでしょう。背景の街並みも、画面右側は日光を受け明るくなっていますが、車が向かっていったであろう左側の画面は薄暗く、なんだか暗示的。
油彩の使い方も流石慣れているだけあって、大人も思わず唸ってしまう描写力です。ひしゃげた文明の利器と、古くから存在している煉瓦造りの建物との対比が光りますね。地面もただ黄土色を乗せるのではなく、ほんのりピンクが透けて見えるのがオシャレです。

右側のギリシャの風景も、空のブルーと街のホワイトやグレーの対比が美しいですね。空の色もムラなく均一に塗られており、画面全体に丁寧な仕事が行き届いています。奥の建物は白ではなくクリーム色に塗られているのも良いですね。こちらもしっかりと描いていながらも、見る側には制作時の苦労や努力を感じさせません。
作品からもスマートな印象を受けるであろう健一郎ですが、実はこちらが1つ質問したら向こうから3つ答えが返ってくるようなお喋り好きな一面もあります(そのギャップもまた魅力的でニクい奴…笑)次の作品も楽しみにしております。 

コメント
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