釘宮 透明水彩
アトリエにも半袖の方が増えてきました。服選びが難しい時期ですね、ナツメです。今日は日曜大人クラスの釘宮さんの水彩画をご紹介します!
入会以来水彩画を描き続けている釘宮さん。季節に合わせて描くものを選んでいるそうで、今回は初夏〜秋にかけて咲く睡蓮を描かれました。丁度5月頃から咲き始めるらしいので、これからそろそろ見ることのできる景色ですね!今まで比較的遠距離からの広い景色を描かれていた(こちら)のに比べると、この作品はぐっと足元の景色に寄ってフォーカスを当てているのですが、左上に向こうへと抜ける部分を作っているため窮屈さは感じません。睡蓮を囲うように生えている葦のような植物でそのまま全て奥を埋め尽くさない事で、手前にある空間だけでなくその奥に広がっていく池の様子まで想像できます。
睡蓮の周りの葉に暗めの緑を多く置き、下に落ちている影と明るい白の強めのコントラストを作って花に一番に目がいくように描かれていますが、肝心の見所は一面に敷き詰められた蓮の葉!密集しているものを一枚一枚追っていくのは、根気のいる作業だったと思います。同じ色の葉が見当たらないほど少しずつ塗り重ねられ、湿度や厚みのある葉が重なった部分のゴワついた感触も見事に表現されました。
ほぼ同じモチーフが画面を占めるような作品は、色彩に変化をつけて描かねばなりません。しかし『狭い色幅でも、明暗によりここまでの魅せ方ができる!』と研究を見ているようで楽しくなってしまいます。釘宮さんは次回も緑に挑戦されます。今回の研究(?)がどう活かされるのか、どうぞご期待下さい!