モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

キリンと画材と表現と

2022-05-26 22:03:48 | 学生


操希 高2 岩絵具・顔彩/パネルに和紙

気づいたらもう5月が終わりそうで驚いています。マユカです!

今回ご紹介するのは操希の日本画です。3匹もキリンが描かれたこちらの作品、1匹でも絵として映えるほど特徴だらけのモチーフなので、画面がゴチャゴチャとしないよう、空間を大切にしているのが伝わってきます。例えば1匹として同じ方向を向いていないことや、1番背の高いキリンの顔は見えないようにトリミングされていることなど、構図に工夫が見られるよく考えられた1枚です。また、平面にすると単調になりがちな首の模様の中に数種の違う色を入れ、見飽きないようにしています。特に背景は、黄色の補色に近い青系の緑で塗り、キリンの美しい黄色を一層目立たせることに成功しました。

そして日本画?と疑ってしまうほど、ムラなく塗られた画面はさながら平面構成のようです。岩絵具でここ まで発色よく、均一に塗るのはとても大変!物凄く苦労していました。基本平面構成はムラになりにくいアクリル絵の具やポスターカラーなどを使うのですが、それを岩絵の具や顔彩でやってみるというのは逆に新鮮です。平面的ではありますが、こちらをじっと見つめる1匹だけほかの二匹に比べて写実的に描かれていたり、キリンの頭のパースがしっかりととれていて立体感があることや、頭の高さの差によって遠近感も出ています。立体と平面が混在している感じがとても面白い表現ですね!

今回、操希が選んだモチーフや構成は、写実的に描くとむしろ画面がうるさくなってしまうので、平面的な表現にしたのは良い判断だったと思います。画材によって適材適所な技術こそあれど、必ずそうやって描かなければいけないということはないので、たまには色々な表現方法を用いて画材で遊んでみるのも楽しそうです!

コメント
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