彩加 高3 岩絵具・銀箔・銀泥/パネルに和紙
春はどこに行ってしまったのでしょうか!毎年ごとに短くなる春の気持ちを考えると涙が止まりません、ホノカです!今回も学生クラスから、彩加の日本画のご紹介です!
美人画の風貌もありますが、身に纏うジャケットやアクセサリーは現代的な雰囲気も。この方は一体誰なのでしょうか…という点を本人に伺ったところ、韓国のアイドルでお洋服も衣装とのこと!元は別の画材で描こうと下描きをしていた時に、ノリ先生に日本画でやってみない?と声をかけられ岩絵具で完成させました。私のイメージとしてアイドルといえば照明がギラギラに当たって、写真や映像は全てコントラストがすごい!というものがあるので、全く受ける印象が違って来るのは面白いですね!
まず、皆さんがこの作品を一瞬見た時に最初に目に入るのは"目"ではないでしょうか。少し傾けた帽子から覗く瞳はこちらに向いていて、このアイドルという存在から視線が離せなくなってしまいます。瞳が隠れることはイメージとしてあやしい雰囲気を与えてくれますが、このあやしさは「妖しさ」と言えるでしょう。目や眉が隠れることで、一度見るだけでは捉え所の無いような印象を与え、全体を見たいと思わせてくれる部分が面白いですね!さらに一番力を入れた部分は帽子についている装飾とのこと、顔に落ちる影が妖しげな雰囲気をさらに与えている要素です。
また人物や衣装のハイカラさに合わせた背景の色選びがいいですね!グラデーションの日本画らしさと、差し色に入れられた緑が画面全体の強さのようにも感じられます。色使いという点でもう一つ、人物は寒色が多く使われており、煌びやかと言うよりはスタイリッシュさという言葉が近いイメージでしょう。そして背景に暖色を使うことで、舞台上の照明の熱であったり、このアイドルがパフォーマンスで湧かせた会場の雰囲気にも見えて煌びやかな印象になっています。
どうやったらカッコよく見えるのか、またどんな描き方をすれば魅力的に見えるのか。人によって感じる部分はさまざまですが、彼女の視点を通じて感じた魅力がこれでもかというほどこだわりになって現れていますね!これが好きなものを描く醍醐味とも言えるかもしれません。