衣替えをしていると記憶にない服があったりするので去年の私に問いただしたくなります、ホノカです。今回のブログでは、9月のカリキュラムであった藍染についてご紹介していきます。
ノリ先生のブログでも少し紹介されていますが、藍染は植物から作られた染料である「藍」を用いた染色の技法です。藍は人類最古の染料とも言われ、日本では古く奈良時代から技法が伝わっています。今でこそ藍染は高級品のイメージも持っていますが、江戸時代では染まりやすい木綿の衣類が愛されたこともあり、庶民的な染物の位置にありました。
「藍」の色素は水に溶けない性質を持つため、蓼藍(たであい)という植物の葉などを「発酵」させ染め液を作成します。この液体に、手ぬぐいやTシャツなどを浸し乾かすことで、藍染の染物が完成です。ところでこの染め液なのですが、完成したばかりの液体のままでは、緑色の状態になっています。(下の写真のタライに入っている布が少し青緑なのが伝わるでしょうか)そのため、染め液から取り出した時には、まだ布は緑色になっています。授業の時に藍色でなく緑色で、疑問符だらけになっていた生徒もたくさんでしたね。さて、このままでは綺麗な藍色にならないのでは?と思われますが、ここで「酸化」というキーワードが出てきます。酸化とは化学反応の一種で、金属の錆や、りんごの変色、カイロが暖かくなることも酸化の反応の一つです。藍染では、元々緑色の色素が空気中の酸素に触れて酸化することで、藍色に変化するという特徴があります。
そのため、染め液に浸けた後に洗い流したものを広げて干すと、空気に触れた部分から「酸化」が始まり、きれいな藍色の染物が完成します。
今回の藍染では、輪ゴムを使い、布をしばることで、様々な模様をつけていきました。
布をしばり、染め液が入り込まないようにしてあげることで、布の元々の白い部分と藍色に染まる部分ができて、模様が生まれます。規則的に折りたたんだ後にしばると、格子のような柄に、ランダムに布を集めてしばると水の波紋のような輪の模様ができるなどなど。使う道具は同じでも全く違う柄が作り出せるのです。丁寧に折りたたみ、ズレのないように輪ゴムで留めている慎重な子、手に取れる部分からくしゃくしゃと適当にまとめてランダムに輪ゴムで留める子、などなど性格が出る部分ですが、どのように留めても完成品にはそれぞれ違う魅力がありますね!
さらにTシャツなどの大きなものは、薄い手ぬぐいに比べて染め液が中心まで浸透しづらいので、縛って出来た模様だけでなくグラデーションのようにもなっています。
油絵の時には適当にやった瞬間に先生たちから横槍が入りましたが、今回の藍染では、適当にやっても想像していなかった模様が完成するため、テキトーでも何も言われない珍しい授業だったのではないでしょうか?もちろん丁寧に留めてあっても、人それぞれ留める場所が違うだけで違う模様になるため一つとして同じものはありません。
私も今回のカリキュラムで藍染を体験するまで一度もやったことがありませんでしたが、自分の想像した染め方にすることが本当に難しく、楽しい部分でもありました!大人でもなかなか体験する機会のない藍染。これを機に染物の面白さを知って貰えていたら私も嬉しく思います!