悠華 中1 『ぬらめあいっこ』 油彩
ここ最近の星座占いでの順位が良いのでなんとなく嬉しくなっています、ホノカです。
今回は学生クラスから悠華の油絵のご紹介です。
水の泡が弾ける中で、楽しそうに悠々と泳ぐ"ベタ"(熱帯魚の一種で、金魚ではないと本人から10回以上解説されました)が重厚感を出せる油絵ながらも、ポップな印象で見ていて楽しくなれる作品です。
今回の作品で私が1番驚いた部分は、まずなんと言ってもベタの精細さです。油絵の特徴として、乾くまでに時間がかかるため、塗り重ねるうちに形がどんどん崩れてしまうという難点があります。その中で、最後まで泳ぐシルエットが美しく綺麗に描かれていることは、彼女の観察眼や生き物に対する興味の深さが窺えます。これまで油絵の経験は無かったとのことですが、全体の描き進め方など自分なりにコツを掴んで描いていましたね。
また、全体に青が多い画面ですが、ベタの青には緑や赤も入って色の数が多く複雑な印象に。反対に背景の青はシンプルに青や水色だけで纏めていることで、同じ青であってもメリハリを感じられて、単調にならない工夫があります。さらに、その中に浮かぶ赤色のベタには青みのある色や黄色、緑など、青色のベタにも使われている色が用いられることで、2匹の間にまとまりも感じます。彼女自身ベタの色にはかなりこだわりを持っていたため、何度も色を変えて自身の理想の色になるまで重ねた甲斐あっての色たちですね。
また、元々参考にしていた写真は黒い背景に2匹のベタが照明に照らされて凛と浮かび上がる格好いいイメージのものでした。ですが、描き進める中で背景が水流の様なグラデーションになり、さらに水の泡のようなドットも加えられて完成していきました。ベタが油絵らしい複雑な色で構成され、重厚感もあるため、背景は黒で仕上げ、写真と同様の凛々しい雰囲気に仕上げでも良いのではと思いましたが、ここで写真とはガラッと印象を変えた悠華のセンスと思い切りが光りましたね。ベタたちのポーズも相まって飛び跳ねているような、爽やかな空気になっています。
元気な雰囲気は小学生クラスの生徒たちの油絵にも溢れていましたが、それとはまた違う少し真面目な明るさがとても悠華らしく、好きな作品です。次の作品も楽しみにしています!