モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

薄く塗り重ねて

2022-10-21 23:21:28 | 学生


心 中1 『午後』 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは学生クラスの心の作品です。今年小学生クラスから学生クラスへと上がりましたので、油彩も小学生とは違った描き方に挑戦しています。小学生クラスの元気でエネルギッシュだった雰囲気から、しっとりとした上品で大人に一歩近づいた作品になったかと思います。

小学生クラスの時は絵の具を置く様に塗っていき、色を変化させながら点描画の様に描いていくやり方をしていましたが、今回はペインティングオイルを使用し、色を薄く塗り重ねながら質感を出していく方法で進めていきました。その描き方を活かす為、モチーフも表面がつるっとした光沢のある物や透明感のある物を選択しています。
青い花瓶のグラデーションが非常に美しいですね。背景のワインレッドを透かす事で、半透明の質感もよく表現できています。ガラスの反射や光沢もよく観察しており、持った時の重さや冷たい触感が伝わります。葡萄のツルッとした丸い形は、反射光やハイライトをうまく活用しました。元々のモチーフはほぼ真っ黒のフェイクのブドウだったので、葉っぱはやや偽物のようですが、果実は紫に変更し布の黒と差別化させる工夫もしています。1粒1粒手を抜かずに丁寧に描かれている姿勢にも好感が持てますね。黄色いミニポッドも色の変化を細かく追って描かれているので、シンプルなモチーフながら素朴な魅力を感じます。映り込みはオイルで溶かした絵具で薄く塗っている反面、蓋の光沢は厚めに絵具を置いており、メリハリの付け方が上手いですね。

布地の縞模様は幅が一定ではなかったり少し固そうに見えますが、心はまだ中1、これから先もっと観察力や技術が身についていく事が期待できるでしょう!この先の制作も楽しみにしています。

コメント
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