彩加 高3 『idol』 アクリル
毎朝寒くて布団から出られません、ナツメです。本日は木曜学生クラスの彩加の作品をご紹介します!
以前からイラストレーションを描き続けていて、今回もアクリルで制作しました。まず一番に目を惹くのは蛍光ピンクの髪の女の子。実は肌の黄色と黄緑も蛍光色の絵の具を使っているため目が痛くなってくるほど鮮やかです。そしてド派手な女の子の頭上にはお釈迦様とマリア様が。比較的柔らかめの色合いで描かれ、仏教とキリスト教、違う宗教の神様が一枚の絵に同時に存在しているというなんとも不思議な構図となっています。
これは一体どんな絵なんだ?と疑問に思うかもしれません。この記事を書くべく本人にインタビューをしたところ、「アイドルに感銘を受けた時の心情を描きました」と言っていました。以前の日本画でも題材に選ぶほどアイドルが好きで、ライブにも行っているという彩加ですが、「推しアイドル」のパフォーマンスを観た時に救われた!という気持ちになったそうです。その気持ちを形にする時にマリア様を描こうと思っていたら、いつのまにかお釈迦様も増えていたとのこと。無意識の内に神様を増やしてしまうほど(!?)強い衝撃だったのでしょう、2人の神様がいるのも納得です。
今までははっきりとムラなく塗ることができるというアクリル絵の具の特徴を活かした平塗りが多かったのですが、今回は水彩のように水で薄めて柔らかな滲みを作ったり、筆の動きを使って荒めのタッチで絵の具を重ねたりなど、一枚の絵の中に様々な表情を作りました。線の情報としては神様の方が多くなっていますが、彩度やコントラストは自分(の心象)の方を強くすることで、心を打たれている自分の内部の心情であることも上手く表現しています!
1人の人間に制作までさせてしまうアイドルのパワーも、その衝動から1枚の絵を描き上げてしまう彩加の情熱も素晴らしいですね!色選びもですが、彩加の作品は明確に伝えたいことがあるためか引っかかる画面作りに長けているように思います。イラストレーションは非常に自由な自己表現ですが、その中でも人の心に残るような作品を制作出来ることは誇りに思って欲しいです。