立野 油彩
岩田です。今回は立野さんの油彩をご紹介します。
ベースがほぼ黒といった背景にライオンが一匹佇んでいるという風景を描いた作品。
この絵の元になっている写真を見ると、まだ鬣が生えそろっていない若いライオンが群れを出され、さてこれからどう生きていこうかといった感じに映ります。
絵を近くで見てみると、黒っぽい背景の中に何色も使って草原の草が描かれているのが分かります。色使いも良く考えられていて、綺麗だなと思います。
主役のライオンの体に使っている色もかなり複雑。例えばプルシアンブルーのような青色のベースに透明色のパーマネントイエローをグレーズしてみたり、濁った色を上から乗せてみたり、背景とは異なった色の遊びをしています。
全体を見た時に前後の空間は考えられているけれど、ライオンのいる位置がここで良いのかとか、背景の左右の明度の変化など、もっと自分の意図があって良いのです。そうすることで更に深みや面白味が出てくるでしょう。
例えば、以前描いた朽ちかけた家の中に気が茂っている様な、ちょっと不思議な絵があるのだけど、今回の作品と比べると作者の意図がもっと感じられるんです。
こうしたら更に面白くなるかな?といった意志を画面に投影していくと、もっともっと良くなると思っています!
作品を画面に近づけて詳しく解説しています!是非こちらもご覧になって下さい。
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