古田 油彩(未完成)
オバラです。上記2枚、未完成の後ろ髪を引かれながら、引越しで退会された古田さんの油彩です。仕上がりを拝見できなかったのは非常に残念ではありますが、途中とは言え彼のこだわりが目を惹きますのでご紹介させて頂きます。
以前の作品をご紹介の際は、岩田先生より「グレートーンの落ち着いた色彩と素朴な筆遣いで静かな作品世界を描く」と書かれていましたが、ニュートラルな色味を広い面積に使用すると、全体的にぼやけてしまいがちです。そうならない為に、下地はこのようなビビットな赤系の色味を置かれていたのでした。つまらなくなりがちな灰色を、ここまで魅力的に奥深く見せられる技術は素晴らしいですね。
古田さんの作品は、塩系とでも言いましょうか?あっさりとした印象で、ごちゃごちゃ感は一切ありません。どちらの絵も鍵となるのは青いガラス製品ですが、雰囲気を左右する重要なアイテムでありながら、目立ち過ぎることはなく馴染んでいます。そのように見せるテクニックは、主役に寄り添う他のモチーフに、ナチュラルな薄いトーンのものを集め、わざと無作為に配置したことにあるでしょう。しかし無造作に見えるよう、メモ用紙の貼り方一つとっても、実に練られた構図なのです。
シンプルさにおしゃれな遊び心を取り入れ、洗練された印象は男性的。スマートなクール系絵画を目指す方からは熱い支持を集めそうです。
このような絵を描きたい場合、生活感のない無機質なモチーフを選ぶと雰囲気をアップさせてくれます。頑張り過ぎない落ち着いた空間を演出してください。
古田さん、この絵が完成したら、ぜひ写真を送ってくださいね!