左 寺内 / 右 林
マユカです!今回は土曜午後クラスの寺内さんと、日曜クラスの林さんの鉛筆デッサンをご紹介します。
お二人が描かれたものは、雉のはく製です。その勢いのあるポーズはもちろん、暗い羽の色と細やかな美しい模様が特徴的で、陰影のつけ方に苦戦しがちなモチーフなのですが、描きどころとあまり描かずに抑えるべき点をしっかりと描き分けることにより、とても見やすく、清潔なデッサンになっています。首元やお腹周りの黒に惑わされず、身体の立体感がしっかりと出ており、光を受けて艶めく背中が美しいですね。
また、見やすさの理由には模様の描き方もあるかと思われますが。雉の特徴的な羽の模様を全体的に描いてしまうと、立体感を損なってしまったり、画面がごちゃついてとても見づらくなってしまうものですが、全体ではなく手前や大きな尾羽だけにはしっかりと模様を描きこむことで、画面が自然に写真のピントのようになり、よりリアリティのある一枚になったのではと思います。
どちらもかなりの時間を掛けて制作されていらっしゃいました。木炭紙大(65㎝×50㎝、キャンバスで言うとF15号)なので、制作するにあたっては、かなり大きく感じられたと思います。こういった大きな画面にデッサンする際、どうしても描くモチーフが画面の中では実寸大かそれ以下になってしまいがちです。
大きく配置する、というのは簡単なようで、実はかなり思い切りが良くなければ出来ないような構図のとり方なのです。大きく配置した分だけちょっぴり形を取るのが難しいですが、細部に描きこみがしっかりできたり、離れて見たときの見栄えがとても良かったりと、いいことづくめ。皆様も大きなモチーフを配置したデッサンを描く際には、『画面に合わせようとしすぎず、少し端が切れてもいいから大きめに』を意識して構図を取ってあげたら、堂々としてカッコいいデッサンが描けますよ!