渡邉 鉛筆デッサン
岩田です。今回は、渡邉さんのデッサンをご紹介します。現在まで、多くのデッサンを描いてきた渡邉さんですが、本日は、その中でも特に頑張って描いた8点をピックアップしてご紹介します。
大人クラスの生徒の皆さんも経験した、ポットと積木やワイン瓶と洋ナシのデッサンを描いている始めの頃から、モノを観察し、それを画面に写し取る基本的な力がある方だというのが分かります。かたちをそつなく取れることと同時に、金属やガラス、布といった質感の描き分けも実に自然です。
渡邉さんの特徴として、鉛筆の扱い方が繊細で、微妙なトーンがとても綺麗。
例えば、写真一番下の薄いブルーのホーローポットは、立体感を出しながらも下に敷いた白い布が映り込んだ反射をどうやって描くのだろうと皆さん迷った筈ですが、限られた色の幅の中で、微細な調子の変化を読み取り、それらを上手に表現しています。
これだけ静物デッサンを描ける作者だからこそ、石膏デッサンも更に進化して欲しいと思います。石膏像は、元々大理石彫刻を原型として型を取っているので、形に関しては、本当に厳しく見て、最後までチェックしていかないと、その違いが如実に表れてしまいます。
そうした意味で、ラボルトのデッサンを見ても、もっとシビアに対象を観察する必要があるでしょう。渡邉さんは今まで何体もの石膏像を描きましたが、色々な種類を描いていると、それぞれの像の違いにもっと敏感になるし、同じ像を様々な角度から何度も何度も描き続けることで、一度描いただけでは気づけないことが発見でき、像に対して興味が湧いてくるものです。
是非、そうした視点で、あらためてチャレンジしてみてください!