モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

絵の主役として魅せる

2025-02-27 23:43:17 | 大人 デッサン


植松 油彩

こんにちは、マユカです!今回は植松さんの作品をご紹介していきます。

厳しい自然の中を生きる動物を描いた二枚の作品、ぬくもり感じる動物同士の触れ合い、じゃれあいがかわいらしいですね。
左は白クマ2頭がいますが、メインが流氷ですので白クマがとても小さく、細かい表現が描きづらい油絵でした。「動物と棲む場所」では生き物が主役になりがちな題材ではありますが、あえての背景がメインなだけあり、流氷のごつごつとした質感をたっぷりとした絵の具の盛り上がりも利用して表現することで、実際にそこに在るかのようなリアリティが生まれています。くっきりとした景色が、透き通って冷たい空気を感じさせてくれるようです。

右は「なんの動物がどうなっているのか?」を伝えることに大変苦労されたのですが、皆様わかりますか?カンガルーの袋に入った赤ちゃんを、首を前傾に曲げたお母さんが舐めているところです。カンガルーってこんなに体が柔らかかったんだ!と驚きのある構図になっているんですね、つまり画面の大部分がお母さんのおなかで、ピンクの部分が袋のふちになります。(余談ですが育児嚢はポケット型ではなく、赤ちゃんが大きくなって中で動き回っても大丈夫なように、巾着型で伸縮性があるそうです。)
有袋類のカンガルー自体が一般の人に馴染みが無く、しかもアップで一部分しか描かないというのは、
状況説明が大変困難です。しかし慈しみのあるお母さんカンガルーの表情や、ゆったりと安心したような表情の赤ちゃんから「親子の動物」「頭しか見えない(体がない)」の連想ゲームでも描かれているのがカンガルーであることが読み取れますね。

伝えたいものが明確であれば、構図を決めるときや塗っているときなども「どこを目立たせたいか、どう目立たせるか」だけを考えて絵具を置くことが出来ます。そうすると筆の迷いが比較的少なくなり、メインモチーフにかける時間が多くなり、必然的にクオリティが高く見えます。先にメインを決めるという描き方はデッサンなどでも使えるので是非活用してみてくださいね!


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