
全員中1 上段左から まなは コピック・色鉛筆 / 心菜 色鉛筆
下段左から 依澄 色鉛筆 / アドア 透明水彩・クレヨン
裁縫にハマりつつあります。マユカです!今回は中学1年生4名の作品をご紹介します!それぞれの使いやすい画材で、思い思いのイラストを描きました。何度も下書きを繰り返し、時に人体クロッキーや、フカン、アオリという構図の描き方を学び、時におしゃべりしつつ、長い間イラストに取り組んでいましたが、ようやく満足のいく一枚が出来たのでしょう。それでは一人ずつご紹介していきます!
まなはは、コピックというアルコールペンを使用し、悪魔の羽が付いた青年を描きました。影や細かい所は色鉛筆で仕上げ、自然なグラデーションを表現しています。背景の星形の照明が、全体的にブルーでまとまった画面の差し色になっており、温かさも感じる光を出しています。また、髪はツヤを残しすぎるとプラスチックに似てしまうことがあるのですが、色鉛筆を使用したおかげか、髪の質感が良く出ていますね。風になびく様子も、細く、ランダムに揺れているように描くことででサラサラ感が出せています。まなはは、話しながらでも集中して筆を進められる性格なので、4人の中でもかなり早くに構図を決め、描き始めていました。別のことをしながらでも、しっかりと集中できるその姿勢は見習いたいものがあります。
心菜は、駅のホームにあるベンチの風景を描いています。背景は苦手だと本人は言っていましたが、手前の椅子はもちろん、後ろにある看板までしっかりと描きこんであり、こだわりを感じます。看板の文字が読めないようになっているのも、世界観を感じられて良いですね!そしてベンチの上には開封された手紙が置いてあります。この手紙は一体どうしてこんなところにあるのでしょうか。何か大変な事が書いてあったのでしょうか。それともただの忘れ物でしょうか。普通の風景にも、一つ意味深なものが置いてあると、何かストーリーがあるのではと考えてしまいます。心菜はかなり構図やテーマで悩んでいました。最初は男の子が屋上にいたり、難破した海賊船を描いてみたりと、下書きを誰よりも慎重に進めていました。一枚にかける情熱が伝わってきます。
依澄は、ふわふわと漂う女の子とたくさんの動物を描いています。下書きは鉛筆で描いていましたが、色鉛筆で塗るにあたって、下書きを少しずつ消しながら線画を虹のグラデーションになるように、頻繁に色を変えながらゆっくり描き進めていきました。苦労の甲斐あって、鉛筆の黒くにじんだ線のない、鮮やかな画面になりましたね!女の子と共に周りを漂う動物は、踊ったり、遊んだり…マイペースに自由な依澄らしい動物たちだなぁと思います。こんなにもかわいらしい絵ですが、女の子の体にくっついているのは…御札でしょうか。一見するとなんの変哲のない絵でも、よく見ると意味が分かる?依澄の作品からはそんな雰囲気がします。
アドアは、海辺に座ってこちらを見つめる儚げな青年を描きました。水彩の淡い色合いやにじみをうまく使い、夕暮れ時のノスタルジックな雰囲気を美しく表現できています。特に海に関しては、その透明度や、波うち際の細かな影や水しぶきなど、クレヨンのはじきを利用して丁寧に描写しているため、海の深さや、しぶきの濡れそうな感じがしっかりと伝わってきますね!写真ではかなり強めに写っていますが、ひざや指先の血色が透けて見えている感じが、キャラクターの生きている感じや、肌の白さが伝わってくる表現です。アドアの元気な性格からは想像できないほど繊細に描かれている今回の作品ですが、アドアも何度も下書きを描き、構図やキャラクター、ポーズを考え、ノートにたくさんアイデアを出していました。
イラストを真剣に描こうと思うと、どうしても1枚に悩む時間が長くなってしまいます。テーマや構図や、描きたいものを探したりと、試行錯誤を重ね、お喋りしながらの制作だったため、毎回ちょっとした女子会のようになっていましたが、最終的にそれぞれの個性が光る、素敵な作品が完成しました!次の作品も楽しみにしています!