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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

読谷村のひき逃げ死亡事件について

2009-12-18 19:35:15 | 米軍・自衛隊・基地問題
 去る12月13日に「ひき逃げ死亡事件に抗議する読谷村民総決起大会」が開かれた。県内紙の記事によれば、主催者発表で1500人が参加し、在沖米陸軍トリイ通信施設前までデモ行進が行われ、米軍に決議文を手渡したという。うないフェスティバルと重なって参加できなかったのが残念だった。言うまでもなく、これは読谷村民だけの問題ではない。
 事件が発生したのが11月7日。すでに40日以上が経過しているが、容疑者の米兵はいまだに逮捕されず、沖縄県警の取り調べにも応じていない。米軍基地内に拘束されているというが、実際には基地内でかなり自由に行動していているという。もし同乗者がいたなら口裏合わせが行われた可能性もある。
 これまでの捜査によって容疑者の米兵は飲酒運転していた可能性が大きく、被害者を移動して事故を隠そうとした可能性も指摘されている。ひき逃げ死亡事件としても極めて悪質であり、日本人ならとっくに逮捕されている。しかし、「日米地位協定」が壁となって米兵を取り調べることさえできない状況が続いているのだ。
 県内の新聞やテレビでこの事件の報道に接するたびに、容疑者の米兵と米軍に対する怒りが高じてならない。同時に、いつまでも逮捕できない沖縄県警や仲井真知事と鳩山首相の事件に対する姿勢にも、情け無さと腹立たしさを覚える。普天間基地の「移設」問題が大きな焦点となっていて、その陰に隠されてしまっている面もあるが、人ひとりの命が失われているのだ。県知事や首相がどうしてもっと積極的に米軍に抗議し、容疑者の引き渡しを強く求めないのか。
 自公政権は沖縄からの「日米地位協定」改定要求を拒否し続けてきた。民主党を中心とした連立政権はどうするのかが、まさにこの事件によって問われている。普天間基地問題で精一杯で、そこまで手が回らないという言い訳は許されない。くり返すが、人ひとりの命が失われているのだ。被害者の家族にとっては、容疑者の米兵が基地の金網の向こうに逮捕もされずにいること自体が、精神的に耐え難いことだろう。時間が経てば経つほど捜査は難しくなる。このままの状況で年を越すようなことがあってはならない。

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1 コメント

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怒り (tajitaji)
2009-12-18 20:21:48
 メディアもさることながら、「日本社会」の反応の鈍さは何に起因するのかと、腹立たしい思いで、読ませていただきました。


 関西に住んでいるなら、読谷村のひき逃げ事件などあたかもなかったかのような「平和」しかありません。


 沖縄自体が「癒しの島」というイメージが独り歩きし、基地の現実を見ようとすらしません。基地があるということが何を意味するのか、そのことを無意識に隠蔽し、その反動として「平和」を、「癒し」を享受するばかりなのでしょうか。


 毎日、ニュースを見るたびに「怒り」がフツフツと湧いてきます。


 基地移転問題ばかりか、ひき逃げ事件につきましても、社民党がどれだけ連立政権の中で存在感を発揮できるか、にかかっているのでしょうか。それしか「期待」できる道はないのでしょうか。


 「怒り」のぶつけどころを模索中です。
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