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海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

通過儀礼では終わらせない

2009-04-17 23:37:02 | 米軍・自衛隊・基地問題
 沖縄防衛局は4月14日に、辺野古新基地建設に伴う環境アセス準備書の説明会を開くと発表した。4月22日が名護市久志支所、23日が宜野座村松田地区公民館、24日が名護市辺野古交流プラザとなっている。午後6時半から8時までということだが、5400ページにも及ぶ膨大な準備書を出していながら、1時間で説明して、30分質疑応答を受けるという。その程度の時間で、どれだけの説明や質疑応答ができるというのか。
 琉球新報が「点検普天間アセス」という連載を10回にわたって行い、騒音や生物保護など多くの問題点を挙げていた。それらを一つ一つ質問すれば、とても30分では応答できないだろう。まさに、説明会をやりました、という体裁を整えるためのものとしか言いようがない。
 説明会の会場を三カ所に限定したのも、あたかもその三カ所の住民だけが当事者であるかのように描き出すことで、問題を矮小化し、沖縄県民を分断しようとするものだ。米軍再編の中で普天間基地の辺野古「移設」と嘉手納より南の基地の返還がパックにされているのだから、最低限、宜野湾市や浦添市、那覇市でもやるべきだろう。
 県民に広く公開し、議論に参加してもらうのではなく、その逆をやっているというのは、沖縄防衛局の傲慢さを示すと同時に、「準備書」に自信を持てないでいることの表れでもあるだろう。説明会をただの通過儀礼として終わらせてはいけない。沖縄防衛局の基本姿勢から問い質す場にしたい。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-04-18 07:44:20
目取真さんも含め、普天間移設問題で反対運動をしている皆さんの言説からも、辺野古だけを当事者扱いにしているような印象を受けます。
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Unknownさんへ (目取真)
2009-04-20 14:16:20
印象を受けたらその後に事実を調べて思考してください。
問題は何を基準に当事者と考えるかでしょう。辺野古に新基地ができたとしたら、日常生活に直接の被害を受けるのは辺野古や豊原、久志、二見以北、宜野座村松田などの区民でしょう。
名護市西海岸に住んでいる者も、同じ名護市民として新基地建設問題の当事者ですが、日常的な生活に及ぶ影響から考えれば、辺野古など東海岸の住民とは差があります。
米軍ヘリが伊江島に移動する際など名護市西海岸上空と飛行して、爆音被害を受けるかもしれませんが、辺野古区に住んでいる人が受ける被害とは度合いが違うはずです。
そういう日常生活に及ぼす影響を考えれば、久志三区や二見以北十区、宜野座村松田区の人たちが、最も大きな被害を受ける当事者でしょう。
また、名護市民はもとより米軍基地の問題は沖縄県民全体の問題であり、辺野古新基地建設問題は当然沖縄県民全体が当事者です。
だからこそ、これまで多くの県民が運動に参加してきたわけです。
さらに、辺野古への新基地建設は米軍基地の法的根拠である日米安保条約の下で生きている全国民の問題であり、全国民が当事者です。
そのような認識で、全国で運動に取り組んでいる人もいます。
そして、在沖海兵隊が移動するグアムの住民も当事者ですし、辺野古新基地で訓練をした米軍兵が出撃する中東やアジア諸国の住民も当事者でしょう。
そういうことは分かりきったことではないでしょうか。
問題はどのような視点、基準、内容から当事者と置くかであり、規定するかです。
それによって当事者という言葉を使う場合にも違いが出るということです。
そういうことは私がこれまで書いてきた文章を読めば明かであり、辺野古や久志、二見以北などで運動を取り組んできた人たちも、そういう認識を持っている人が大半だと思います。
Unkownさんがどれだけ辺野古の運動を知っているか分かりませんが、私の文章を含めてただの印象で相手を見くびらないことです。
沖縄防衛局が久志三区で説明会を行うことに対しては、名護市西海岸や沖縄県内の各地、全国でも説明会を開催していくべきでしょう。
Unkownさんがどこにお住まいか存じ上げませんが、自分も辺野古の新基地建設問題の当事者だと考えるのなら、あなたの住んでいる地域でも説明会を開くように沖縄防衛局に要求し、運動を展開してください。
どこの誰と分からない相手とこれ以上の議論はしませんが、当事者についての私の認識は上記の通りです。
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