沖縄県知事選挙も28日の投票まで3日攻防に入った。今日の琉球新報1面には黄色のはちまきを締めて笑顔を浮かべている伊波、仲井真両氏の写真が載っているが、その横には北朝鮮の砲撃によって破壊された韓国・延坪島の写真が載っている。
瓦礫と化した建物の写真に目を奪われる。民間人男性2人の遺体が発見され、韓国軍兵士2人を含めて死者は4人となった。北朝鮮が行った蛮行は許されるものではなく、徹底した批判が加えられねばならない。同時に、これ以上の軍事衝突の拡大を防ぐことを最優先して対応が図られるべきだ。
インターネットで砲撃問題について記事や意見を読んでいると、沖縄県知事選挙との関連で論じている意見がいくつかあった。アメリカの謀略の可能性を示唆する意見もあるが、はたしてどうだろうか。米国に有利な候補を当選させるため、米国が今回の北朝鮮の砲撃を誘発したのなら、沖縄の基地は激しい動きを見せるはずだ。戦闘機を頻繁に離発着させ、米軍車両を街に繰り出し、基地のゲート前の警戒を厳重にして、あたかも沖縄が臨戦態勢にあるかのような緊張感と不安感を市民に与え、有事=戦争に対応する米軍の存在を誇示することで、有権者の投票行動に影響を与えようとするだろう。
しかし、25日付琉球新報が報じるところでは、実際の沖縄基地の動きは以下の通りである。
〈偵察機など2機 嘉手納から飛行
【嘉手納】北朝鮮と韓国の間で起こった砲撃戦から一夜明けた24日、嘉手納基地では前日に続き、偵察機などの特殊航空機の飛行が確認された=写真。嘉手納基地でも砲撃戦に対応したものとみられる。県内のほかの米軍基地では砲撃戦に関する目立った動きはなかった。飛行が確認されたのは、米軍機のEP3電子偵察機と沿岸監視レーダーシステムを備えたP3C哨戒機の2機〉
社会面に載った短い記事である。朝鮮半島で何か動きがあれば、嘉手納基地から偵察機が飛ぶのはいつものことである。それ以外に県内のほかの基地に〈目立った動きはなかった〉ということは、今回の砲撃事件に対して、在沖海兵隊は今のところ特に対応していないということだろう。
在沖海兵隊の存在意義を主張する人たちは、朝鮮半島や台湾海峡の有事=戦争への対応や抑止力としての役割を強調する。それでは、今回の北朝鮮の砲撃事件に関して、在沖海兵隊は抑止力としての意味があったのか。普天間基地のヘリ部隊が何らかの対応をしているのか。沖縄基地の実際の動きが示しているのは、朝鮮半島との関係で在沖海兵隊の抑止力なるものに、むしろ疑問を抱かせるものではないのか。
新聞やテレビの報道は有権者の不安を煽り、県知事選挙にもいくらかの影響を与えるかもしれない。それは尖閣諸島問題とも共通する。ここで大切なことは、砲撃事件に対して冷静に分析し、在沖米軍基地の実際の動きに目を向けることだ。そして、在沖海兵隊が本当に朝鮮半島情勢において抑止力となっているのか、普天間基地のヘリ部隊は何のために沖縄にあるのか、を考えることだ。
三日攻防に入っている今、県知事選挙との関連で米国の意図を云々する前に、実際の沖縄の基地の動きから読みとれることは何かを有権者に問い、在沖海兵隊の実態に踏まえて沖縄に基地を固定化しようとする「抑止力論」を批判していくことが大切だ。
瓦礫と化した建物の写真に目を奪われる。民間人男性2人の遺体が発見され、韓国軍兵士2人を含めて死者は4人となった。北朝鮮が行った蛮行は許されるものではなく、徹底した批判が加えられねばならない。同時に、これ以上の軍事衝突の拡大を防ぐことを最優先して対応が図られるべきだ。
インターネットで砲撃問題について記事や意見を読んでいると、沖縄県知事選挙との関連で論じている意見がいくつかあった。アメリカの謀略の可能性を示唆する意見もあるが、はたしてどうだろうか。米国に有利な候補を当選させるため、米国が今回の北朝鮮の砲撃を誘発したのなら、沖縄の基地は激しい動きを見せるはずだ。戦闘機を頻繁に離発着させ、米軍車両を街に繰り出し、基地のゲート前の警戒を厳重にして、あたかも沖縄が臨戦態勢にあるかのような緊張感と不安感を市民に与え、有事=戦争に対応する米軍の存在を誇示することで、有権者の投票行動に影響を与えようとするだろう。
しかし、25日付琉球新報が報じるところでは、実際の沖縄基地の動きは以下の通りである。
〈偵察機など2機 嘉手納から飛行
【嘉手納】北朝鮮と韓国の間で起こった砲撃戦から一夜明けた24日、嘉手納基地では前日に続き、偵察機などの特殊航空機の飛行が確認された=写真。嘉手納基地でも砲撃戦に対応したものとみられる。県内のほかの米軍基地では砲撃戦に関する目立った動きはなかった。飛行が確認されたのは、米軍機のEP3電子偵察機と沿岸監視レーダーシステムを備えたP3C哨戒機の2機〉
社会面に載った短い記事である。朝鮮半島で何か動きがあれば、嘉手納基地から偵察機が飛ぶのはいつものことである。それ以外に県内のほかの基地に〈目立った動きはなかった〉ということは、今回の砲撃事件に対して、在沖海兵隊は今のところ特に対応していないということだろう。
在沖海兵隊の存在意義を主張する人たちは、朝鮮半島や台湾海峡の有事=戦争への対応や抑止力としての役割を強調する。それでは、今回の北朝鮮の砲撃事件に関して、在沖海兵隊は抑止力としての意味があったのか。普天間基地のヘリ部隊が何らかの対応をしているのか。沖縄基地の実際の動きが示しているのは、朝鮮半島との関係で在沖海兵隊の抑止力なるものに、むしろ疑問を抱かせるものではないのか。
新聞やテレビの報道は有権者の不安を煽り、県知事選挙にもいくらかの影響を与えるかもしれない。それは尖閣諸島問題とも共通する。ここで大切なことは、砲撃事件に対して冷静に分析し、在沖米軍基地の実際の動きに目を向けることだ。そして、在沖海兵隊が本当に朝鮮半島情勢において抑止力となっているのか、普天間基地のヘリ部隊は何のために沖縄にあるのか、を考えることだ。
三日攻防に入っている今、県知事選挙との関連で米国の意図を云々する前に、実際の沖縄の基地の動きから読みとれることは何かを有権者に問い、在沖海兵隊の実態に踏まえて沖縄に基地を固定化しようとする「抑止力論」を批判していくことが大切だ。
このような軍事攻撃は、北朝鮮に何一つプラスになることを生み出しません。米国や韓国、日本が北朝鮮に対して軍事的、政治的、経済的制裁を加える格好の口実を与えるだけです。
日本国内で在日朝鮮人や朝鮮人学校に対して差別、攻撃が加えられることに対しては強く反対します。私は右翼勢力と同じレベルで批判しているのではありません。むしろ今回の砲撃によって、一般市民までもが右翼勢力の攻撃を積極的に支持する空気が作られることを懸念しています。
蛮行・愚行の連鎖を思わずにいられません。
金大中・盧武鉉政権で南北和解が進展していました。
李明博政権に自殺に追い込まれた盧武鉉前大統領が金正日国防委員長と署名した10・4南北共同宣言では、西海(黄海)を平和の海へと生まれ変わらせる「西海平和特別協力地帯の創設」に合意していました。
それを白紙にして南北対決政策へと転換させた李明博大統領の「蛮行であり愚行」が、今回の事態の根本原因であることも、おさえたいものです。もちろんその背後に米国がいることも。
韓国の世論は「戦争絶対反対」です。李政権の強硬姿勢に、反対する世論がこの前の地方選挙の結果のように、また高まるでしょう。
二人の子どもを朝鮮高校に通わせている親の私としては、落胆でうつむいてもいるのでが・・・。
はじめてコメントさせていただきます。
「抑止力」への疑問が生じる例と言えば、他にも2004年にイラク戦争泥沼化した時にも見られたと思うのですよ。あの時、確か在沖米軍(海兵隊)の大半がイラクに行かされて普天間基地が「もぬけの殻」になってしまって、「抑止力」も何もあったものではありませんでした。
基地があろうと無かろうと、同じような「抑止力」の空洞化は今後もアメリカ・米軍の都合に合わせて起こる可能性はあるわけでして、その点も見ずに「基地があれば抑止力がある」なんて話はおかしいと思うのですよ。
(あと、内地ではあれほど「中国の脅威があるから抑止力として米軍基地は必要だ」という見解が声高に叫ばれているのに、どこからも「安全のために米軍基地をうちの地元に誘致したい」という声が上がらないのも不思議ですね。中国・北朝鮮脅威論を煽るだけ煽って、いざとなったら沖縄を防波堤にしようという魂胆があるのでしょうね)