鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

鳥海山をめぐる人々 山のお坊さん

2020年08月06日 | 鳥海山
 かつて一緒に鳥海山へ登ったHさん。いつも頭は丸刈りで山の中で広いところへ来ると詩吟の発声練習を始めます。それにつられて我々は合掌して拝みます。通りかかった登山者、「あの方お坊さんですか?」
 最初に連れて行ってくれと頼まれたとき、山頂まで行かずに七五三掛の普通の登山者は知らない場所で宴会。畳より大きい上が平らな大きな岩がいっぱいあり、日当たりが良く広い場所で登山者からは見えないところです。本当は入ってはいけません。でもかつての御浜の管理人さんもここを穴場と知っていてみんなで一緒にそこで一服したこともあります。
 こんな場所です。
 山で飲むビールは最高ですね。

 で、このお坊さん、この連中なんで山頂まで行かないんだ、と最初は思ったそうですが気に入った場所で飲みつつ自然を満喫。こんな楽しい山の登り方もあったのか、とそれ以後一人でしょっちゅう登るようになりました。趣味はランニング、昼の休憩時は海沿いをランニング。ほかには詩吟、遅くに始めたのですがいつの間にやら師範にまでなっていました。その彼ですが、夜勤の最中、倉庫の100㎏もある吊り扉が外れて倒れてきてその下敷きになってしまいました。一ヵ月も入院したそうです。だいぶ経ってから本人から聞いた話です。
 そんな彼もしばらく見ないと思ったら、病に倒れ鬼籍に入ってしまいました。彼がなくなってしまったと教えてくれた人も亡くなってしまいました。


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