鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

鳥海山箸王子神社

2019年12月08日 | 鳥海山
これもまた、白善書房から売り出された絵葉書の一枚。
戦前のものかと思われます。
この当時、箸王子神社は横堂にありました。
知人が親に連れられて登ったころはまだ横堂に番人(神職?)がいたそうです。
その知人もだいぶ以前から登っていたようで、御浜の小屋で囲炉裏で這松を燃やしていたそうですから。
私が初めて横堂に行ったときはすでに無人でしたが、建物はまだ残っていて間を通ることができるようにになっていました。今では全くの廃墟どころか跡になっているようです。蕨岡口を登る人など今では皆無に近い状態でしょうから。
横堂にあった箸王子神社もその後河原宿へ移されましたが、今はいったいどこへ遷座なされたのでしょう。そのうち大物忌神社に問い合わせてみようかとおもいます。大物忌神社のホームページも問い合わせ欄無いし、宿泊の予約状況を見るのがメインのようですから。
河原宿の小屋もいずれ朽ち果て、横堂と同じ運命をたどることでしょう。積雪期は小屋の中まで雪でいっぱいになるとのことでしたが、夏は最高の場所にある小屋でした。誰か民間で再開しないかなあ、神社から許可をいただいて。確か鳥海山は河原宿より上、また御浜より上は神社の社有地になっていたかと。
もちろん、営業形態は素泊まりのみです。登山者は自分の食べるものは自分で担ぐのが基本です、たとえ小屋泊りでも。山好きの皆さん、そうは思いませんか。山頂も御浜も素泊まりにすれば経費も削減できるでしょう。そのうちヘリの荷揚げも難しくなるでしょうから。鳥海山域山小屋全て素泊まりのみ、本当に好きな人しか来なくなります。(滝の小屋、食事が出ないと思ったらシーズン中はあるのですね。)
 
大物忌神社で出した「鳥海山ー自然・歴史・文化ー」によれば、鳥海山の登拝にあたっては横堂(箸王子神社)でお祓いを受け、さらに河原宿では水垢離を取ったと言います。
 
また、同書によれば蕨岡(大物忌神社)では鳥海山拝所として三十六末社を拝するものとしていたという事です。以下に三十六末社を記しておきます。
 
1.熊野大神 2.払川大神 3.蛇石大神 4.駒王子大神 5. 延命坂大神 6.水呑大神 7.狩籠鉾立新山大神 8.箸王子大神(ようやく横堂まできました) 9.牛戻大神 10.蛭子岩大神 11.加羅佐波大神 12.東物見大神(まだまだ東物見までしか来ていませんよ) 13.西物見大神(獣道がありましたね) 14.岡売岩大神 15.白糸滝大神 17.八丁坂大神 19.河原宿大神 20.御田ヶ原大神 21.大雪地大神 22.小雪地大神(昔から大雪路、小雪路と呼んでいましたね、矢島口にもありますが、こちらは心字雪渓の方です。) 23.仙ヶ洞大神(前に祟りで書いたところです。) 24.薊坂大神 25.獅子ヶ口大神 26.鳥海御浜大神 27.伏拝大神 28.御嶽大神 29.剣石大神 30.行者嶽開山大神(行者岳には四体の石仏が彫られているそうですが、何度も通っていたのに気づきませんでした。どなたか写真をお持ちでしたらお見せください、それと場所も。) 31.御峯大神 32.御蔵大神 33.胎内大神 34.七高山大神 35.御裏大神 36.八方口大神(破方口、七高山の先、一部今の康新道に重なるところ?)
 
()内は勝手につけた注釈ですが、今でも、あっ、あれか、と思うようなところはあったでしょうか。こういうのを探すのも鳥海山の楽しみです。
 
古い写真ですが、登山道で見つけた祠。これらも拝所なのでかもしれません。
代参の方々は、七五三掛の手前、御苗代あたりで「綾に綾に奇しく尊と」と 拝詞を読みあげるものでした。(それを見ていた娘さんたち、御詠歌ですか?って ち・が・う!)

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