鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

月の輪の熊さん

2019年12月11日 | 鳥海山
この絵の方と山で出会いたい人いますか。
 幸いにしてお目にかかっていません。臭いだけは二度ほど。すさまじい獣臭ですね。大型獣の臭いだとすぐわかる。動物園の獣の折の前なんてものじゃな臭いです。
 一度目は奥山林道の女郎沢のあたりでしょうか。その時の仲間と一緒、車を止めて一休みと車を降りたところ、あまりの臭いに全員車に退避。熊が通り過ぎたばかりだな、と。さらに二度目は滝の小屋の先、湯ノ台口と合流する追分、この時は家族と一緒にいたのですがその臭いを知らせて怖がらせるとまずいとおもい、知らせずに大声を出して歩きましたが確かに今しがた通ったか茂みに隠れてこちらを見ていたかもしれません。
 鳥海山では熊に出会った人の話は何人かからききました。
 一人の方は、その時一勝一敗と言っていました。一度目はばったり出会い、いきなり頭をはたかれたそうです。襲われる瞬間熊ってかわいい顔してると思ったそうですが。幸いヘルメットをかぶっていたのですがヘルメットは一撃で割れてしまったと、それ以来鉈を持って入山。二度目はまた熊と出会い、今度は向かってくる熊に鉈を振りかぶり撃退、これで一勝一敗だそうです。
 またある人は、鶴間池の先、鹿の俣沢で子熊と出会い見とれていると近くの山から親熊と思われるすさまじい咆哮を聞き一目散に逃げ戻ったそうです。百宅口でもたった今熊と遭遇してきたという人にも会いました。
 熊はかわいい生き物だ、なんてとんでもないことです。お互い距離をとって接しないのが一番。そのためには山に入るときは熊寄せ、じゃなかった熊よけのベルは必需品ですね。熊の食料不足の年は餌をばらまくなんてもってのほか。そう思う人は自分が熊の餌になってください。月の輪熊が人を食うかって? 知っているおばさんは山で行方不明になり捜索の結果付近に出没した熊の胃の中より衣服と一部が発見されたという事です。

 絵にかいてしまえばかわいいんですけどね。あの臭い嗅いだだけでも恐ろしさは伝わってきます。風呂に入るように仕向けろ? だからペットではないんですって。

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