理想国家日本の条件 さんより転載です。
「小泉元首相の「原発ゼロ」を斬る!(前半)(後半)」
江夏正敏の「闘魂一喝!」を 転載、させていただいた記事です
「小泉元首相の「原発ゼロ」を斬る!(前半)」
2013-11-19 19:40:20 | 原子力発電
江夏正敏の「闘魂一喝!」 【闘魂メルマガ3号】
「小泉元首相の「原発ゼロ」を斬る!(前半)」
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11月12日に小泉元首相が日本記者クラブで「原発ゼロ」の講演をしたことが、
世の中を騒がせています。
小泉氏の発言の論点は2つですが、1点ずつ検証していきます。
今回は長くなったので、今日と明日の2回に分けで配信させていただきます。
1番目の論点は「原発ゼロの方針を政治家が判断すれば、知恵のある人が
いい案をつくってくれる。
代替エネルギーは確保できるのではないか。自然を資源にする国家へ」と
いうものです。
まず、現代社会は膨大なエネルギーを確保しないと生存できない文明である
ことを知るべきです。
エネルギーがなくなると、数日で生存が危うくなります。
先日のフィリピン台風でも、
ガソリンが逼迫しただけで、飢えて大変なことになっています。
そして、世界人口が百億人に向かい、さらに途上国がこれから近代化して
いきます。
その状況で、基幹エネルギーをどうするかという問題は、人類の生死を
分ける重要な問題なのです。
現在、基幹エネルギーになりうるものは、火力(化石燃料)か原子力しか
ありません。
残念ながら、再生可能エネルギー(小泉氏が言う自然を資源にするもの)は、
基幹エネルギーにならないのです。
世界の総エネルギー消費のうち、自然エネルギーの占める割合は1.3%ほどです。
原子力や化石燃料と置き換えるには、どんなに楽観的に考えても途方もなく
大変と言わざるをえません。
そして、太陽光や風力などはエネルギー密度が低く、エネルギー保存則に
よる限界があり、火力や原子力の代替エネルギーになりえないのです。
太陽光などは、サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画、ムーンライト
計画など、今まで国を挙げて取り組んできましたが、挫折してしまった経緯が
あり、枯れた技術とも言えるのです。(小さな単位での発電は有用ですが)
このように、「原発ゼロ」にすると、現在では火力(化石燃料)しか
代替エネルギーはありません。
しかし、火力による発電には大気汚染を伴います。
WHOなどの試算を根拠に計算すると、「原発ゼロ」にした場合、日本で
年間3000人ほど、大気汚染が原因で亡くなってしまいます。
これを全世界にあてはめると、毎年100万人の死者が増えるとの報告があり
ます。
原発を無くすことでリスクも増えるのです。
このような前提で、「原発ゼロ」というのは、経済問題
(富の流出、国民負担増、雇用減など)もさることながら、一定の人間を
死に至らしめる無責任な発言とも言えるのです。
その上、「原発ゼロ」は、貧しくてエネルギーのない国に対する利己的で
無慈悲な差別行為との意見もあります。
「原発ゼロ」にすれば、大きな人口を抱える中国、インドなどをはじめ、
多くの国が化石燃料の争奪戦を展開します。
エネルギー価格が高騰します。そして、化石燃料が確保できなければ、戦争
の危険性が高まります。
途上国は産業を興せなくなり、化石燃料を確保できない途上国と先進国と
間の貧富の差が拡大していくでしょう。
さらに、日本の「原発ゼロ」は、中国、北朝鮮そして韓国などの近隣諸国の
核関連技術が向上していく中で、日本だけが科学技術力が低下していくことに
なります。中国、韓国は原発推進の旗を降ろしていないのです。
中国などは、日本の「原発ゼロ」を腹の中では歓迎しているでしょう。
核関連技術が他国より勝っていることは、潜在的な軍事的抑止力になっているの
ですが、「原発ゼロ」になれば、日本は中国に隷属化する可能性が高くなります。
しかも、小泉氏は「代替エネルギーは確保できるんじゃないか」と発言して
いますが、あくまで推測の域を出ておらず、あろうことか「即時ゼロ」と
ハッキリ言っているので、無責任の極みとしか言いようがありません。
「火力や原子力の代替エネルギーがあることを科学的に説明せよ」と言いたい。
ちなみに、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏は自然エネルギーに懐疑的で、
「自然エネルギーは世界のエネルギー問題の解決策にはならない」という
意見を述べています。
また、ダライラマも脱原発に反対で、「発展途上国にとっても十分なエネルギー
でなければ、貧富の差が広がってしまう」という懸念を表明しています。
つづきは明日に配信いたします。
明日はいわゆる「核廃棄物をどうするか」という論点です。
いわゆる「トイレなきマンション問題」のことです。ご期待ください。
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2、江夏正敏の予定
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◆11月22日(金)11:00
熊本政党セミナー(本丸支部)
◆11月23日(土)時間未定
鹿児島県本部決起大会(鹿児島中央支部)
◆11月24日(日)11:00
祈願&講話(新横浜支部)
◆11月29日(金)19:00
福岡政党セミナー(八幡支部)
◆11月30日(土)11:00~ 14:00~
福岡政党セミナー(福岡県本部事務所)
◆11月30日(土)19:00
福岡政党セミナー(久留米東支部)
◆12月08日(日)13:00(仮)
大阪政党セミナー(豊中支部予定)
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3、最近の江夏正敏ブログ記事
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◆11月08日 原発は必要1 「人口百億人に向けてエネルギー確保」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/08/794
◆11月09日 原発は必要2 「エネルギー自給率」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/09/800
◆11月11日 原発は必要3 「日本の国富流出」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/11/823
◆11月12日 原発は必要4 「抑止力」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/12/828
◆11月13日 原発は必要5 「国民負担の増大」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/13/843
◆11月14日 原発は必要6 「二流国、三流国へ没落」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/14/852
◆11月15日 原発は必要7 「大気汚染」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/15/872
◆11月16日 原発は必要8 「宇宙へ、未来へ」
⇒ http://enatsu-masatoshi.com/2013/11/16/889
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4、編集後記
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今回は2回に分けて配信させていただきます。
皆様にご負担をおかけします。
幸福実現党の大川総裁は「脱原発で核大国の悪しき隣人におどされたら、
この国は属領化される。それがわからないなら、政治家もマスコミも
廃業するがよい」という危機感を表明しています。
原発問題は小泉発言で、新たなステージに立っています。
日本の繁栄を揺るがせないためにも、
原発は必要であることを主張していきます。
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ーーーー 続き↓↓
「小泉元首相の「原発ゼロ」を斬る!(後半)」
幸福実現党
江夏正敏の闘魂メルマガ vol.4
2013年11月20日発行
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政務調査会長のオフィシャルブログ
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1、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「小泉元首相の「原発ゼロ」を斬る!(後半)」
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昨日の「闘魂メルマガ」のつづきです。
小泉元首相が日本記者クラブで「原発ゼロ」の講演には、論点が2つありますが、
今日は2番目の論点です。
2番目の論点は
「核廃棄物の最終処分場のメドをつけられると思う方が楽観的で無責任」と
いういもので、いわゆる「トイレなきマンションをどうするか」ということです。
まず、放射性物質などは、実は自然界にはありふれた存在なのです。
たとえば、アフリカのウラン鉱には天然の原子炉の形跡が発見されています。
原発から作り出される高レベル放射性廃棄物は、自然の中でも作られていたのです。
また、ウランは世界の海の中に45億トンも溶けています。
太陽自体も天然の核融合炉で、宇宙には放射線が飛び交っています。
また、地球内部も何十億年も熱を発し続けている使用済み核燃料そのものです。
温泉やプレートの動きなどは、地球内部の核崩壊によって生み出されるエネルギー
が元になっています。
このように、人類が利用しているエネルギーは、元をたどれば天然の原子力
から生成されているのです。
また、最終的に生み出される高レベル放射性廃棄物は、他の産業廃棄物と
比べて圧倒的に小さいのです。
日本の原発が年間に排出する核燃料廃棄物は、年間1000トンほど。
化石燃料だとCO2だけで年間12億トンです。
原発1基を1年間フル稼働させて再処理をすると、最終的に半径20センチ、高さ
1メートル程度のガラス固体化30本ぐらいになります。
原発でエネルギーを賄ったとき、人間一人が一生で排出する核廃棄物はゴルフ
ボール1個分です。
原子力とはそれほど廃棄物が少ない技術なのです。ですから、再処理施設を
稼働させることが喫緊の課題です。
現在、高レベル放射性廃棄物は、再処理施設や中間貯蔵施設などに保管され
ています。
今はコスト面での問題があるので、使用済み核燃料から有用物質を取り出して
再利用するには至っていませんが、
第四世代原子炉、高速増殖炉などで再利用できるようになると、廃棄物
どころか、人類にとって宝物になる可能性を秘めいています。
ですから最終処分を急ぐ必要はないとも言えるのです。
よって、日本では高レベル放射性廃棄物について、安定的な形態
(ガラス固化体)にして30~50年程度冷却のため貯蔵を行った後、
地下300m以深の地層中に処分(地層処分)することを基本方針としています。
「日本でも火山や活断層を避ければ安定的な地質環境は確保できる」との
報告があります。
ロシアや中国、モンゴルなど、人間が住んでおらず、膨大な土地が余って
いる国との共同プロジェクトを組むこともあり得ます。
先ほど論じたように放射性物質はもともと地球の内部にあるのです。
これを地球内部に還すことは、それほど不自然なことではないのです。
それまでは再処理・プルサーマルなどで高レベル放射性廃棄物を減らして
いくことが必要です。再利用の可能性もあります。
また、技術の進歩による放射性物質の消滅(半減期の短い核種に変換)等
の可能性を目指すべきでしょう。
違うオプションとして、深海底での安全な保管や最終処分が可能になる
かもしれません。
海は非常に大きく、すでに莫大な量の放射性物質が溶けています。
ですから、廃棄物を投棄しても海に溶けている膨大な放射性物質
(ウランで45億トン)に比べたら全く問題ないレベルと言えます。
ウランやプルトニウムは重い原子なので、海底深くに沈んでいきます。
ガラス固化体にして、頑丈な容器に入れ、海溝に沈めれば、やがてプレート
と一緒に地球内部に巻き込まれていくでしょう。
ロシアや中国は、かなりの量を日本海に沈めたとも言われています。
(今は国際条約で禁止されていますが)
小泉氏は「10万年後に通じる言語を想定できないから危険だ」などと
言っていますが、
地球には天然の原子炉があるように、放射性物質はありふれた存在とも
言えるのです。地球や宇宙は原子力によって生きているのです。
それよりも「原発ゼロ」による大気汚染で、年間100万人もの人たちが
世界で死亡していくのをどのように感じるのでしょうか。
小泉氏は「廃棄物処理ができていないから無責任」と言っていますが、
小泉氏の「代替エネルギーはみんなで考えたらできるんじゃないか」と
いう楽観的な考え方の方が、無責任なのではないでしょうか。
廃棄物処理の方は、政治の決断で実現可能ですが、代替エネルギーは
できてもいないのですから。
そもそも東日本大震災は、関東大震災の50倍ほどの規模でした。
そして一番重要な原子炉がビクともせず、すべて安全に停止したのです。
本当に千年に一度の地震に耐えられたのです。
「安全神話が崩壊した」と言われていますが、「安全神話が誕生した」
という見方が本当でしょう。
問題は津波による電源喪失によって冷却できなかったことなのです。
その対策は、現在、全国で十分すぎるほど行っています。
そして、今、福島では放射線と格闘していますが、
現在の放射線量は避難をする必要がないほど低いレベルであり、逆に健康が
増進するぐらいです。
1mSvで除染とか、20mSvで帰還とか議論していますが、世界平均で2.4mSv
の放射線を日常的に浴びています。
イランのラムサールという都市では、最高で年間260mSvもの環境の中で、
普通に生活しているのです。
ですから、何百億円、何千億円、下手すると何兆円のお金を使って除染を
する必要はありません。
そして、全員即時、ふるさとに帰ることができるのです。
逆に、報道被害によって国民の恐怖心をあおり、無理な避難生活のストレスで
多くの方が亡くなっています。
その責任は誰が取るのでしょうか。
小泉氏の発言には、勉強不足を感じられます。
直観と感性で発言しているのでしょうが、その視野は世界レベルにあらず。
人間の生存、国防、宇宙時代への戦略、そして世界平和、人類の幸福を
考えたときに、「原発ゼロ」は地球的正義とは言えません。
私は小泉氏を評価していた面があったのですが、今回の発言はとても残念です。
やはりポピュリズムの傾向があるようです。
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2、編集後記
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幸福実現党の大川総裁は「日本人が民族として生き残りたければ、
核の技術は捨ててはならない。
それは、すでに核兵器を大量に保有していたり、
開発しようとしている悪しき隣人への抑止力となるとともに、
爆発する世界人口増を産業的に支える命綱でもある」と警鐘を鳴らしています。
小泉氏登場によって、予断を許さない状況になりました。
原発は必要であることをしっかりと訴えてまいります。
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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
http://enatsu-masatoshi.com/profile
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◆ 発行元 ◆
江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)