紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

怪しさの王道

2009-03-04 17:13:24 | おでかけ
 2日の旅行記事の続きです。

 イチゴ狩りや「えびせんべいとちくわの共和国」という名のお土産物屋さんをクリアして、残る行程はひとつを残すのみ。バスは小牧市へ。

 ところで、私は怪しいもの、胡散臭いものに遭遇すると、ついわくわくしてしまうダークサイドを持っていることを、まず白状したい。

 ので、今回のバスツアーの旅行会社側から見ればメインであるらしき「オパール博物館」は、もう行程表を見た時点から怪しさ満載オーラを発散していて、どうなることやら、とドキドキものだった。そして、やっぱりな期待通りのおもてなしぶりだった。

 まず、「博物館」というできたばかりのきれいな建物が、いかにも大鰍ゥりである。部屋にはオパール産出国のオーストラリアからの感謝の文面を刻印した表示がある。小さな一部屋だけの高価な展示品がある博物館! いや、一般客は入れないそうなので、間違えてくる人はいないから、まあ記号としての「博物館?」ということで了解しておこう。

 ガラス張りで仕切った部屋で職人さんたち?が、冴えない表情でオパールを加工?する作業をしているのを見る。

 その後、大方のお客さんたちの予想通り、きれいな事務所?で、手に取れるオパールのネックレス、および健康ネックレスをおすすめされる。3年ローンを組まなければ買えないほど高価なものである。その場の販売員の方たちに、えらくエレガントかつ強引にネックレスを付けてもらい、品の良い営業の嵐を受けるのだ。その品の良さは、以前宗教関係の勧誘を受けた時にそっくりだったので、これはたぶん本物の健康ネックレス信者なのだ、と心の中で確信する。

 ここでたっぷり時間が取られていたので、販売員の方となごやかに世間話をして、いかに我家にお金が居着かないかを理解していただく。たぶん、納得していただけたのではないかと思う。

 と同時に、私はいつからこんなによくしゃべるようになったのだろうと、自分ながら不思議に思ったりする。こういうところでは、普段はあまりしないアウトプットが存分にできるから? 「あまりよそ様に迷惑をかけないように」とか「変な奴と思われないだろうか」とか、そういう細かいことを気にしないからだろう。
 もしくはダークサイドのテンションが、このときとばかり高まるからかもしれない。

 そうそう、オパールについて説明をされた部屋には、「館長」とよばれる方の、券\人など有名人とのツーショット写真パネルが所狭しと飾ってあった。有名人とのツーショット写真をこれみよがしにするほど胡散臭いことはないのに、ご存知ないのだろうか? あるいは逆に、なぜかはわからないが、胡散臭さを存分にアピールしたいのだろうか? 

 また説明人が「(券\人と)いっしょに映っているこの方を、皆さん、気になるでしょうが・・・うちの館長なんですが・・・」止まりで、フルネームどころか、名字さえ紹介していただけないのも、大変不思議だった。

 という期待以上に怪しさの王道をいく施設をラストにして、愛知県を後にした。残念なのは、帰りに養老インターに立ち寄らなかった事。養老サイダーを買って帰るだけの予算は残しておいたのに。ま、予定より早く帰れたので、それはそれでうれしかったんだけどね。 

塾の先生はいかにも濃い。

2009-02-22 23:00:49 | おでかけ
 昨日せっかく「薄紙がはがれるように回復」云々と書いたばっかりなのに、どうもあまり回復に向かってはいない模様だと気づく。そんななか仕事を抜けて、やっとこさ塾の保護者会に出向く。

 塾の保護者会は新年度よりの先生紹介と、彼らから、年間計画や授業の目標やスタイルやカリキュラムや内容などを発表していただく、いたって受け身なもの。

 ほとんど動かずじっと聴いておられる(退屈そうな!)保護者の面々の後ろで、私は熱心に先生方の話を頷いたり、メモを取ったりして愉しく拝聴した。先生の顔ぶれは2/3が入れ替わっていたが、先生方のキャラは相変わらず多彩である。

 ほとんど3分話を聞けば「あ、これはKちゃんの苦手とするタイプの人や」とか「なかなか気が合いそうな人や」と判明する。苦手とするタイプの先生の教科を先生ごと嫌いにならないよう、対策を講じなくては。でもKちゃんもその辺はわきまえているだろうから、「え~~?」とか思いながらもちゃんとやっていくだろう。と期待する。

 私が熱心にメモしたのは、学習の重要ャCントとともに、先生方のキャラを掬いとった言葉と似顔絵。後ろの席でこっそりと書き込む。学生時代に授業中内職をしていたことを、懐かしく思い出す。

 不思議にニヤニヤしながら、子どもたちへの苦言と心配を披露する先生。チェシャ猫みたいだが、心底塾教師魂を持っておられ、(Kちゃんがあきれるくらい)人生のすべてを塾教師として賭けていらっしゃるような熱心な方である。

 いやみなくらい横文字を交えた言葉を駆使しながら、滔々と語る少女漫画(または少女小説)の敵役みたいな先生。初めてお会いしたが、いかにもよどみない語りは、かなりの切れ者でもある。子どもたちに好かれる事はないけど、恐ろしく熟練の技を持っていそうな方である。

 面談時にはおどおどと子ウサギのようだったのに、本日は子どもたちのイケナイ点(ケータイに夢中)をこのときとばかり強い口調で指摘する先生。がんばられたなぁとひとつ階段を上がられた先生に心中拍手。Kちゃんは彼の影の薄さに「ユーレイ」とあだ名をつけたが、近い将来、返上できるかもしれない。

 隣の熱血先生と血縁関係があるかのように外見が良く似た(このことに気づいた時点で心の中で笑いが渦巻く)、自信満々かつアツい語りの先生。似ているのは外見だけではなく、アツさもだ。しかし隣の先生は表面上はクールだけど、彼は塾の組んだカリキュラムに真っ向対決して「私が作り直したカリキュラムでやりますから」と堂々宣言。この先生の印象については、帰宅後Kちゃんと、大変盛り上がる。

 そして、これらの一癖も二癖もある先生方を統率しなければならない新しい校長先生・・・どうぞご無理の無いように、よろしく。

山伏も電車に乗る。

2009-02-05 23:48:05 | おでかけ
 で、ちょっとしたお土産などを買ってから、ホームにむかう。しかし残念ながら、ほんの一足違いで乗り遅れ、ホームで20分以上を過ごす事になる。おまけに次の電車は人身事故の影響で、10分の遅れなのだった。

 幸いさほど寒くはなく、ベンチに座って少しずつ増えて行く人たちをウォッチング。

 難関進学校の中学生か高校生の男の子が、えらく小さいリュックを担いでいる。手にしたスメ[ツバッグも一回り小さい。ウチの子どもたちは、毎日が夜逃げのような大荷物なのであるが、それが嘘のように小さい。不思議だ。エリート校だけに、頭の中に教科書もノートも詰め込まれているとしか考えられない。

 Kちゃんは、「さすが京都やな。ゴミ箱が透明や。テロとかの対策で中身が見えるようになってるんやな」と、いつもながら鋭い観察力を見せていた。

 その直後、
「あ、おかーさん! へんな人が来やはった!」
 どれどれと彼女の視線の先をみた。薄い山吹色を身にまとった異形のおじいさんが、ホームの乗車位置で電車を待っていた。
「ああ、山伏の人やね」
「山伏ってなに?」

 えっ? 山伏を知らないの?
「山に入って修行しやはる人や」
 我ながら、全然説明になってない。
 私だって山伏に関してはその姿をみて「あ、山伏!?」ってわかる程度なのだ。Kちゃんが山伏を知らないのを責める資格はない。山伏=ホラ貝=山で修行。これだけがキーワードである。
「京都駅には、ときどき山伏のひとがいやはるねん。おかーさんは、何回か京都駅で見かけた事があるわ」

 奈良や京都には、修験道の山などがあるので、京都駅を利用されるのだろう。

 「山伏コスチュームは、頭にてっぺんが尖っている小さいお椀みたいな帽子をかぶってはるし、首からャ塔ンのついたもん下げてはるし、工事現場の兄ちゃんみたいな歩きやすいズボンはいてはるねんで」

「あ、ほんまや。そやけど帽子、小さすぎるやろ! ぜんぜん帽子の役目してへんで!」と、突っ込むツボははずさないKちゃん。
 
 しかし山伏と電車って、実にミスマッチ。山伏さんには気の毒だが、どこに行くのも基本は徒歩移動というイメージの人たちなので。それでもマイカーじゃないだけましか。

 その後、一瞬、久々にT氏に接近遭遇したりもした。
「そういえば、おかーさん、T氏に偶然会う確率高いねん」
 今まで、ギャラリーで、本屋さんで、図書館で、美術館で、偶然鉢合わせしたことが何回あることか。Kちゃんに「くされ縁か?」と憎まれ口を叩かれる。そういえば駅中というのは、初めてのパターンかも。

 下車する駅が終着駅で、しかも新快速、おまけに座って帰れるというラッキーさ。車中は安心して爆睡できた。
 山伏に想いを馳せつつ、大荷物を持って、私たちは充実の一日を終えたのであった。

 






探し物はなんですか?

2009-02-04 11:41:57 | おでかけ
 プラットホームの話の前に、レストラン東洋亭にて、となりのテーブルでおしゃべりしていたおばさま方の会話について。

 隣と言っても背を向けた状態なので、様子はわからないが、途絶える事のない年配な感じの女性二名様の会話は、流れるように耳に入ってくる。取り立ててどうということもない、愚痴やうわさ話の、よくありがちな雑談である。どちらかといえば退屈な話題が果てしなく続くかと思われたのに、突如ちょっと笑ってしまう場面があり、Kちゃんが怪訝な顔をしたので、「後でね」と彼女らが席を立ち去るのを待つ。

 あのね、後ろでおばさんたちがしゃべってはったやろ? それでひとりが、「うちのおじいさん(お舅さん?)が、毎日、あれがない、これがない、って大変やの」って言わはって。

 うなずくKちゃん。

 昨日も朝から「わしの懐中時計がない!」って言ってはって! 「懐中時計」やで! いつの時代やっていうもんやんか? 

 にやりとするKちゃん。 

「えらい懐かしい響きやな。久しぶりに聞いたわ、懐中時計って」
「そやろ!」
「そやけど、懐中時計って、どんなん?」
笑いのキモがだいなしやん!!

「手のひらに乗る感じの大きさで、背広の内ャPットに入れて、鎖のついている丸い時計や!」
 怪盗ルパンが持っていそうな、というのも通じないだろうし、身もふたもないビジュアル説明をする。そういえばルパンは片眼鏡(モノクル)っていうのも持っていたっけ。その辺の小物使いも、さすがにおしゃれなフランス人らしい。

 しかし高齢者が懐中時計なんていう不便なものを持ち歩くのはどうかと。いかにも高価なものっぽいのに、あまりにも失くしやすそうなモノじゃありませんか。貴重な人生の残りの時間を、探し物で費やすなんてもったいない。と、探し物で一日の貴重な時間を費やしまくっている私はしみじみ思う。

 探し物をしなくていい生活をするには、やっぱりコンパクトな生活をするのに限るなぁ。年をとったら徐々に持ち物を減らす方向に向かいたいものである。まずは「物欲」から減らしていかないとね。

元旦の京都放浪

2009-01-03 22:13:54 | おでかけ
 ごったがえす八坂神社を出て、前回同様、神社前の小さな昔からの洋食屋さん『光陽亭』にてカツカレーを食す。

 なんだかカレーライスが庶民の憧れの食べ物だった頃の、懐かしい味がする、ような気がする。U字型のカウンターの中央が厨房に続く感じや、カウンターの下部のタイル貼りの古ぼけたシックさや、庶民的だけど落ち着いた雰囲気が、いつ来ても私の気分にとても馴染む。閉店間際の、ごはんを食べるには中途半端な時間なので、ほぼお客は私たちだけ、みたいな貸切状態もくつろげる。

 『光陽亭』を出て、四条通りから三条通りを目指す。H氏が『六曜社』にいかへん?と提案したのだ。昔から三条河原町通りあたりの賑やかな場所にある喫茶店なのだが、いまだに行った事がない。そういえば以前にも行こうとしたら定休日か何かだったりした。

 京都はどんどん「昔のお店」がなくなっているので、果たしてあるのかどうかも危ぶまれるのだけれど、とりあえず行ってみようと意見がまとまる。八坂神社や祇園から離れるにつれ、お正月の落ち着いた静けさが漂っている。少し路地を入れば、こんなお店もある。↓発見者H氏


 東山まで歩き、左折して三条大橋を渡る。鴨川の真ん中では大きなゴイサギが孤独に哲学していた。頭上ではゆりかもめの大群が虫柱のように群れ飛んでいたので、H氏は「お願いやし、あの高さからの落下物はやめてね。9.8の重力加速度がかかったら、えらいことになるしな」と祈っていた。

 三条も、お正月に限った事ではないが、ひとひとひとだ。河原町三条を道を渡らず左折したら、すぐに『六曜社』なのだが・・・またしても「おやすみ」で鉄格子状のシャッターが閉められていた。がっくりだったが、近くに知っている行きたい喫茶店もなく、四条木屋町近くの『築地』まで歩く元気も時間もないので、三条京阪まで戻り、山科まで京阪電車で帰る事にする。

 Kちゃんのリクエストで京都で『ミスタードーナッツ』の福袋を買う、という指令が出ていたので、途中お店を発見し立寄る。福袋のメインである(値段に関係なく)ドーナツ10個の引換券を現物と交換すべく、行列について10個のドーナツをチョイスし、千円の福袋価格を遥かに!?上回るドーナツたちを購入する。福袋には薄い膝鰍ッやストラップも入っているので、あまりのお得感に幸福を感じる。

 ということで、まずまずの元旦を夫婦水入らずで過ごしたのでした。京都のメインストリートは雑踏だったけれど、電車は思いのほか空いていて、らくらく座席を確保できたので、ありがたいことに往復爆睡可能だった。

 お正月三が日の家に居る間は、いわゆる『長男の嫁状態』なので、なかなか忙しかったのだが、今夜から本当のオフ。久しぶりに、居間が広く感じる。あさってから二日連続仕事になるので、またもや「晩ご飯作り置き問題」で悩む日々がスタートするが、やはり「10人分のご飯問題」で悩むよりは、はるかに楽勝と知る。