紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

今年も参上!

2007-09-05 23:04:22 | 新聞
 新聞広告は、うまくいけば効き目がある。少なくとも私には効く。

 なぜなら私はこのところ、テレビより新聞を眺めている時間の方が多いかもしれないからだ。新聞を読む時間が長いのではなく、テレビを観る時間がぐっと減ったのだ。

 いやいや、それだけではない。新聞広告の方が、なぜかぐっと心を掴まれるのだ。以前テレビ欄の横に、受験用通信教育「Z会」の広告が日替わりで連打されたことがある。それも、4コマまんがとか、読ませる漫画で、おまけに「Z会」とはほぼ対極にいるようなキャラの蛭子能収さんが描いているのだ。

 当時我家にはターゲットになる男子がひとりいたので、まんまとひっかかってしまった。その後、彼は不得意科目は不得意なままだったが、得意科目はますます得意になる、という結果を残し、中学校とZ会を卒業した。

 ある日以前「Z会」の広告が載っていた場所を見て、子どもたちが騒ぎ出した。
「おかーさんや! おかーさんが新聞に載ってはる!」

 どれどれと見ると、「ちびまるこちゃん」に出て来る「野口さん」を丸くしたような女性のイラストが描かれていた。ちょっとレトロなタッチでモノトーンの谷内六郎といえいなくもない。これが『養命酒』の新聞広告との出会いである。

 『養命酒』は自然の生薬で造られた薬用酒である。代謝を活発にするので、疲れや冷え性に効くらしい。効能的には私にぴったりかもしれない。

 昨日職場で新聞のチェックをしていたら、久々に『養命酒』にこの3年程レギュラー出演している女性を発見した。なんと今回は泣きながら残業している。以前は小さな女の子のお母さんとして登場していたが、ワーキングマザーだったのか?

 実はいっとき『養命酒』の新聞広告が替わり、彼女は引退したものとあきらめていたのだが、昨年密かに登場していたので、安堵した。子どもたちがすっかり「おかーさん」と呼んでいるため、もう自分の分身のように思えるのだ。

 しかし短いブランクの間に、彼女に何かあったのだろうか? 家族構成に異変や欠如が発生し、もともと冷え性で養命酒が欠かせないタチなのに、ぼろぼろ涙を流すほどの疲労が加わったため、ますます『養命酒』を必要とする人物になってしまったのではないだろうか? 『養命酒』のキャンペーンガール!?としては相応しいが、相応しくなればなるほど、彼女が薄幸になるのではないかと不安がよぎる。

 新聞紙上に登場する彼女はみたい。だが、もはや分身とも思える彼女には、幸せになって欲しい。相反する思いに胸を引き裂かれるこの頃である。 

ユーレイで町おこし

2007-08-12 00:08:25 | 新聞
 本日の読売新聞日曜版Y&Yは、ペリー荻野さんの連載「旅行けば江戸気分」を読み、一気に旅心をくすぐられた。(本日分のはまだWeb上ではアップされていません)彼女は姫路城に行かれたのだが、話題はもっぱら播州皿屋敷のお菊さん。そして彼女がここで買ったお土産が「播州皿せんべい」という、いかにも耳目を集めるものだった。非常に気になる物件である。

 帰宅後もう少し調べてみると、市民有志でつくられている町おこしグループ「お菊楽会(おきらくかい)」(藤井宏造代表)が、明治時代の町並みを写した写真に「播州皿せんべい」の看板を見つけ、このせんべいを商品化し販売することにしたそうなのだ。

 なるほど明治の商魂たくましいアイディアマンのパクリ・・・いえいえアイディア商品の復活なのだ。

 あの10枚セットのお皿を1枚割って、それが原因で井戸で亡くなったお菊さんのユーレイを商品化した、いってみればキャラクター商品である。10枚セット引く1枚で、皿せんべいも1枚足りない9枚入りらしい。このへんにグッとくるものを感じる。

 こういうのは、アイディア勝負で味はそこそこかと思いきや、金儲けをたくらむ会社ではなく気合いの入った町おこしグループの仕事である。その辺も抜かり無く、本格的に養鶏農業共同組合の卵せんべいを使い、その表面にお菊さんの顔を描いてあるのだ。

 だから残念ながら形はお皿ではなく、普通の瓦せんべいである。その辺は町おこしグループの限界なのかもしれない。お菊さんの顔は、地元高校生の美術グループに依頼している。この辺は町おこしグループの心意気である。ということで、今風の女子高生タッチのかわいいお菊さんである。ついでにお値段もかわいく一箱380円(税込み!)

 私の住む町の最寄りの駅を通る西方面のJR電車は「播州赤穂」行き。このアナウンスを聞くたびに、『播州皿せんべい』への思いが募りそう。いつの日か『播州皿せんべい』のためだけに姫路城(の売店)を訪れるため、播州赤穂行きの新快速電車に飛び乗りそうな自分を、つい夢見てしまう。もちろん切符は青春18キップ(で日帰り可能)なのだ。

盗人は俳人!?

2007-08-02 22:37:58 | 新聞
 久しぶりに三面記事で、たいへんこゝろひかれる記事を発見した。最近どうしたのかと首を傾げるほど、私と気の合う記事が掲載される産経新聞の本日8月2日付け朝刊である。

 盗人の話に心惹かれてはいけないのかもしれないのだが、いやー久々こういう犯罪記事を読んだよ~。なんだか「昭和の犯罪」というべきレトロで脱力の風情なのだ。

 犯罪内容は2年間、100件以上の自販機荒らしである。約320万円の盗難である。心和んでいる場合ではない。58歳の住所不定の車上生活者であり自販機荒らし。しかしてその実態は・・・放浪の俳人なのである(たぶん)。

 もともとは三重県でトラック運転手など(この「など」は曲者っぽい)をしていたが、両親や妻と死別した後、かねてから憧れの放浪の俳人となったのである(きっと)。三重県出身って、伊賀上野ではないでしょうね?

 新聞では「自販機荒らしの傍らで趣味の俳句を詠み」とあったが、本人はさぞかし不本意だったのではないか。本業・俳人で生活の手段として自販機荒らしをしていた、と書いて欲しかったのではないだろうか? 無理だけど。
 さらに、自販機を荒らしつつ放浪し、各地で詠んだ俳句はノートに1800余が記されてあったという。

 それだけの数があるのに、容疑者はいつどこでどの句を詠んだか覚えており、犯行の日時や場所と一致する事から裏付けの手がかりになったらしい。(んなアホな~)

 これってなんだか、マニアックな俳人ぶりが彷彿とされるのではないだろうか? おまわりさん相手に蹈々と俳句談義をまくしたて、句を詠んだときの心情までをも説明する饒舌ぶりが目に見えるようである。もしかすると逮捕の瞬間の句なども披露したかもしれない。

 ところでこの記事の見出しは「自販機を 荒らして一句 足がつき」となっているが、もしか彼がこの見出しを見たなら、必ずなにがしかの論評をしただろうと思われる。

 それにしてもこの記事の結びの文が、読後感をやたら爽やかにしている。

 (容疑者は)放浪の俳人、尾崎放哉のファンといい、命日には必ず句を詠んでいたという。

どうする百合子さん?

2007-07-11 23:48:48 | 新聞
 今日の産經新聞は、まるで路線変更でもしたかのような「セクハラ記事批判」で、「なんで産経がこれを記事に?」と首をひねったりした。しかも不思議な事に、他紙では見かけず、産経のみの記事だった。きっと産経記者さんだからこそ知り得たスクープなのかも。舞台は防衛省だもんね。

 防衛省・自衛隊関係者を主な読者とする業界紙に、相次いで、とある投書が掲載された。関西で5月に開かれた潜水艦の独身乗組員と一般独身女性との合コンの様子が、潜水艦の作戦用語を使って記されていたので、これはセクハラでは? 非常識なのでは?と、幹部など内部から批判が出ているということなのである。

 「この時期にこんなことを自慢げに投書し、それを掲載するとは」(この時期じゃなきゃいいのか?)
 「小池百合子防衛相が知ったらどうなるか・・・」(きっともう知ってるよね。「どうなる」んだろう?でも前の防衛相だったら問題なかったのか?)
と、内部批判の言葉の方も、なかなかつっこみどころが散見され、何回読んでも面白い。

 でもねえ、きっとこの投書書いた人も、それを載せた人も「え?そうなの?こんなに面白いのに?」って、意外な顔してるような気がするな。だけど、それじゃあ、世間様が許してくれないので、内心忸怩たる思いで頭を下げられると思う。

 じゃあ、逆にこれを女性が男女の立場を置き換えて、面白可笑しく書いて投書したら、「ちょっと、これってセクハラじゃないのぉ?」どころの騒ぎじゃないかもしれない。どんなに面白くたって、逆に掲載は無理だよね。絶対ボツ! オトコをなんだとおもっておる、名誉毀損である!とかね。 

 合コンの様子を「戦闘開始」「壮絶な海戦の結果」「撃沈、誤射、自沈・・・」と表現して嬉々としている方が、逆の立場になると、たちまちジョークが通じないヒトに変身したりするんですよね。

 なんだか防衛省や自衛隊の男社会ぶり、それにもまして縦社会ぶりが垣間見えた一件。トップが女性になると、思いもしなかったところで波風立つんだなあ、と妙に感心してしまった。 

ダチョウ大作戦

2007-05-30 22:46:26 | 新聞
 昨年の9月、農作物を食い荒らす猿対策として、ダチョウを助っ人に頼み、放し飼いにする作戦を展開した新聞記事を紹介した。我が家で大変話題になった記事である。

 本日、その新聞記事の「その後の結果」と「今年の改訂版ダチョウ・プロジェクト」が掲載されていたので、ぜひ報告したい。中日新聞の見出しは『ダチョウ今度こそ、サル撃退を』『ブドウ園に4羽放す』

 まず見出しからわかる通り、昨年の「ダチョウ大作戦」は失敗だったことを正直に告白されている。
 そもそもダチョウに白羽の矢がたったのは、目にしたものを追いかけ、羽を広げて威嚇する習性を利用しようという目論みだった。が、いかんせん、ダチョウたちは新しい環境に慣れずおとなしいままで、その間、みすみす葡萄4千房がサルたちの略奪のほしいままになったそうなのだ。

 ところでこれは単なる獣害被害対策ではない。獣害に家畜を利用する研究の一環であり、実験であり、プロジェクトなのである。研究者たちは歯噛みして悔しがったことだろうが、研究者たるもの、失敗から多くを学ぶものなのである。失敗から学んだ成果は今年、「秘策」となり結実する、はずなのである。

 まず、作戦は昨年より1ヶ月早めた。ブドウが実るまでに、ダチョウを新しい環境に慣れさせるためである。さらに飼育面積を2倍にし、ダチョウの行動範囲を広げ、サルの警戒心を高める効果を狙った。

 一番のコダワリは、オスとメスの割合である。オス1羽に対し、メスは3羽の「一夫多妻制」を導入し、野生の状態に近づけたのである。
 これによって、オスはメスを守るために奮起し、メスも「正妻の座」を争って興奮し大奥状態になるそうだ。人為的に確執を作られてしまうダチョウたちなのである。

 しかも「卵を産めば、昼夜交替で見守り続けるのでは」という守銭奴のようなガメツい期待までされているのだ。ダチョウたちには、少々可哀想な気もする。しかしこれはあくまで机上の理論なのだ。
 現に研究取りまとめの方は「先は読めない」と、昨年の皮算用を踏まえて、実に用心深い発言をされているではないか。

 ダチョウはすでに観光農園に連れ込まれているが、正式な研究開始は7月より。ビデオカメラで定点観測し、最適な羽数や柵の形状なども探るらしい。研究は地道な作業よりなるのである。

 しかし、ダチョウの活用はサル退治のみにあらず! 人間は「食肉や卵、工剣iへの活用も目指している」のである。ダチョウにとっては、なんと悪辣な人間どもであろうか!
「人間のためにブドウを盗み食いするサルを追っ払ってやる(かもしれない)恩人(鳥)に向かって、なんたることを!」とダチョウたちが怒るのは時間の問題であろう。彼らが人間の悪だくみを漏れ聞いていないことを、ひたすら祈っている。

 あ、もしかしたら、昨年の失敗は人間の悪だくみをしっかりお見通しだったダチョウたちの嫌がらせだったのかも?