紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

雌雄を決する

2007-03-14 22:51:31 | 新聞
 いよいよ市長を頭領とするトップ+くノ一忍者による甲賀VS伊賀の手裏剣対決「伊賀上野NINJAフェスタ」を10日後に控える事となった。各市長とも、気合い充分の模様である。

 実は先日私が自分のブログで書いていたときには、「どうせ高校野球の始球式程度の手裏剣対決なんだろうな」といつものように、非常に甘い見解だったのだ。
 甲賀市はご当地なので、朝日新聞の滋賀版には、でかでかとカラー写真が載っていたのだが、なんと見出しは「甲賀市長が手裏剣練習 ー伊賀との対決に備えー」なのである。それも指南役は甲賀流忍術屋敷の館長みずからのご指導である。15分で100投されたが、なかなか難しかったようである。さもありなん。意外に重いのだ、手裏剣。

 甲賀流忍術屋敷は家族で何度か行った事があるが、一度手裏剣投げをしたことがある。有料なので、100投は無理であったが、3投ほどはできた。むろん的に当てるどころか、届きもしなかった。鉄なので重いのだ、手裏剣って。

 「伊賀上野NINJAフェスタ」は、甲賀にとってはアウェイでの勝負になる。「本番は集中力の勝負でしょう」と甲賀市の市長は語っているが、伊賀者は心理作戦や幻術にたけていると聞く。敵の集中力を乱すなど、雑作も無い事なのかも。

 いやいや甲賀者の得意技は、薬品使いなのを忘れてはいけない。秘伝の集中力を高める薬を調達して、幹部が服用して望むかも。手裏剣対決にドーピング検査は無いはずである。

 それになぜか一般市民より「くノ一」を募集していたっけ。もしかすれば色仕鰍ッで陥落、という線も捨て難い。

 しかし甲賀の中嶋市長と忍術屋敷の福井館長のツーショットは、なかなかに味がある。400年の歴史を誇る甲賀忍者がアウェイでどこまでやれるものなのか、10日後が楽しみになってきた。地方版の記者の皆さんも、思いはおなじかも。結果は新聞で発表があり次第、ご報告いたしますね。下の写真は京都新聞の3月14日付けです。
 

NINNINフェスタ

2007-02-28 22:31:55 | 新聞
 今日2月28日付けの毎日新聞の「雑記帳」の話題である。

 漫画などでは「伊賀VS甲賀」のイメージが強い忍者の里の双壁だが、夫・H氏に言わせると、「忍者って普段は農業してたんやし、他所の土地の事まで興味なかったんちがう?」と、至ってクールである。最近また両市は、新たな関係が結ばれた。三重県伊賀市、滋賀県甲賀市と県をまたがって、忍者繋がりの交流が深まっているのだ。

 観光振興や防災などで昨年より協力を始めたのであるが、伊賀市の実行委員会が主催する『伊賀上野NINJAフェスタ2007』に甲賀市が初参加を決めたのだ。

 ところで戦争というのは、下っ端がわらわらと大挙して戦い合うから悲惨な事態が巻き起こるのであって、トップでの一対一対決なら、いさぎよく勝負が決まるうえ、短時間で最小の被害でくいとめられるのではないだろうか。

 21世紀を迎え、伊賀VS甲賀の両陣営のトップである市長が、手裏剣対決をするらしい。極めて平和的な勝負に打って出たのだ。しかも、忍者の里に相応しくユニフォームの忍者姿にての対決である。

 運命の日は3月24日土曜日。たぶんフェスタ・オープニングイベントなのではないだろうか? 

 忍者の貸衣装を着る観光客に加え、地元の人達も観光サービスで忍者に変身する。以前銀行員も忍者ルックでお仕事をしていた記事を見たような気がする。なにしろ忍者の地元なのだから、変身はお手の物であろう。

 春からGWまでは、のどかにはしゃぐ忍者で込み合う「忍び!?の町」なのである。

ぞんべら祭り

2007-02-09 14:20:42 | 新聞
 2月7日の朝日新聞朝刊の、テレビ欄裏/三面記事下の「青鉛筆」の話題である。

 みうらじゅん著『とんまつりJAPAN』を読んでからというもの、一気に「祭り」というものにアンテナを立ててしまうようになった。

 しかし祭りというものは、基本的に伝統行事であり神事なので、どんなにとんでもなかったり、とぼけていたり、意味不明だとしても、それなりに枠というか規定も存在する。その伝統行事や神事における枠というものについて、とっくりと考えさせられた記事であった。引用すると

 石川県輪島市門前町の鬼屋神社で6日、約700年前から続くとされる「ぞんべら祭り」(県無形民俗文化財)があり、平均年齢75歳の4人の早乙女が豊作を祈願した。

 まず「ぞんべら祭り」という語感にぞくぞくする。
 「ぞんべら」・・・ほとんど妖怪の名前のように意味不明で奇々怪々な語感が、やたら楽しい。ぞんべら、ぞんべら・・・と唱えていると、いつしか目の前に天狗が現れそうな呪術的な響きがする。調べてみると、「ぞんべらは田んぼに水をぞんぶり(たくさん)の方言がなまったもの」だそうである。
 しかし、なのだ。祭りに至るまでには、様々な人々の様々な苦悩が渦巻いていたようだ。

 本来早乙女役は4歳から12歳頃までの女児。だが、過疎化が進み、地元に女児がいないうえ、若い女性のなり手もなく、「窮余の策」で白羽の矢を立てた。

 少子化対策は「一人頭でタイムリミットまでに子どもを産むキカイをどれだけ持てるか」という目先のことだけ見ていたってしょうがない。労働状況や過疎化込みで広い視点で網羅する対策を立てなくちゃね。幅広く、かつ深く社会状況を分析出来る人でないと「対策」なんて夢のまた夢かも。

 でも今年の平均年齢75歳、4人で299歳のおばあちゃんたちは、地域の文化を守るべく、曲がった腰を伸ばして立ち上がった。少女時代以来65年ぶりに早乙女を勤めた方もいらっしゃる。

 これからは、伝統文化はカタチを変えて、それぞれの地域で守られてゆくのかもしれない。伝統の枠に縛られて消滅するよりは、生き残りを賭けて「女児=早乙女」という枠を越え、伝統に縛られず文化を守ってゆくのが「ぞんべら祭り」のスタイルになるのだろう。

北国街道でサークル活動

2007-02-08 22:35:32 | 新聞
 昨年の秋、湖北は木之本町での趣味のサークルが、秋の交通安全運動に協力した新聞記事があった。これは格好のネタとして、私のブログののエジキにされたのは、読者のみなさまの記憶に新しいと思う。

 しかし夫・H氏の記憶には残っていなかったようなので、彼のために少し引用してみる。

 場所は湖北、木之本町の国道8号線である。見出しは『甲冑姿で交通安全呼び鰍ッ、女性職員も千代に扮し和服姿で参加』とある。

 賤ヶ岳七本槍(やり)にちなみ、甲冑(かっちゅう)姿の「武将」たちが、交通安全を呼び鰍ッる街頭啓発が19日におこなわれたというのだ。秋の全国交通安全運動(21日~)のプレ・イベントである。

 伊香郡交通安全協会の企画だが、メンバーは「手づくり甲冑クラブ」のメンバーで、厚紙などを材料に半年がかりで作った甲冑を自ら着用して登場したのだ。

 「手づくり甲冑クラブ」!!
 そのまんまなのに、なんと楽しくも微笑ましいネーミングであろうか。半年がかりで作ったヨロイカブトを着用する晴れの舞台では、さわやかな秋の風にはためく「交通安全」の幟(のぼり)を手に微笑む、80を越したじいちゃんの大満足の姿が。

 彼のもう一方の手には、交通安全啓発の言葉が入ったティッシュペーパーが複数握りしめられている。


 ほとんどエジキにした本人さえ忘れかけていたが、今日の新聞を見て突如「手づくりの甲冑」を身にまとい、得意満面でティッシュを配っていたおじいさんの笑顔を思い出したのだった。お元気にしていらっしゃるだろうか。

 今日の新聞記事は「冬の北国街道であそぼう」という観光誘客イベント開催の模様を報告している。「湖北路にSLを走らせる実行委員会」が冬期SL運行に合わせて2003年より始まったイベントである。例年は雪だるまを並べて観光客の目を楽しませていたらしいが、今年は暖冬による雪不足で、雪だるま大作戦は中止になった模様。

 かわるものとして、軒先に写真を展示したり、室内に住民手づくりの工剣iや手訣?iを展示する「まちかどギャラリーin木之本宿」に変更された。また、「きのもと交遊館」では、地元の公民館サークルや高校生の絵画や手訣?iが展示されているらしいのだ。

 地元の公民館サークル! におう、これは間違いなく「手づくり甲冑サークル」暗躍のにおいが・・・っていっても、目を皿のようにして活字を探しても、どこにも「そのまんまなネーミング」の固有名詞はでてこなかった。

 しかし。固有名詞など、このサークルには必要ないのだ。なぜならカラーで添えられた大きめの写真の半分は、まっさらぴかぴかのヨロイカブトが並んでいたのだから。骨董でも中古ですらないまっさらなヨロイカブトは、まさしく「手づくり」された「甲冑」以外のなにものでもない。

 しかも今回の展示品の写真を仔細に見れば、刀は言うに及ばず足に巻く脚絆まで、フルコース作成されていることがよくわかった。どれくらい手間ひまがかかったものか、唖然とするほど豪華絢爛で丁寧な造りである。趣味のサークルの域をとうに越えているような気も。

 「手づくり甲冑クラブ」恐るべし。大変な甲冑オタクの少数精鋭部隊が、クラブの日のみならず、昼夜を忘れてご家庭でも甲冑作りに余念がないのでは、と想像される。春の交通安全運動を目指し、比較的農作業の少ない冬期に、思う存分甲冑づくりに明け暮れておられる様子が目に浮かぶようである。ガンバレ、「手づくり甲冑クラブ」! そのうち木之本町の団塊の世代がこぞって入会され、いまのうちに匠の技を受け継がれて行く事を、密かに願っている次第である。

 

ナマハゲ、ばんざい。

2007-01-05 22:37:55 | 新聞
 今日は初仕事。年末年始の新聞クリッピングが、山のように溜まっている。これをスタッフ2人でやっつけるのは(他のカウンター業務をしつつ)一日仕事だったが、楽しみでもあった。最近は目からも耳からも刺激がなくて、センス・オブ・ワンダーな記事に飢えていたのである。

 一日がかりで目玉が痛くなるくらいに新聞を眺め回したが、「これは」と思う記事は意外になかった。もしかすると、「一日でやっつけよう」という欲が邪魔したのかもしれない。

 各種新聞のなかでも、密かにお気に入りの「日経新聞/夕刊」2006年12月28日付けに、微かに私の琴線に触れる物があった。見出しは「『ご当地検定』で再発見(歴史や文化の知識を試す/定年後は観光ガイドに)」とある。

 京都の本屋さんでは、必ず目立つところに並べてあるテキストの検定「京都・観光文化検定試験(京都検定)」の紹介が、まずは書かれてある。

 しかし私の琴線に触れたのは、そんなもんじゃない。去る12月31日に秋田県で大活躍した方々に関する検定である。その名もズバリ「ナマハゲ伝導士認定試験」である。

 秋田の誇る伝統文化、ナマハゲさま。近年これほど和の文化が流行っているというのに、ナマハゲさまへの風当たりは強くなるばかり。家に上がらせてもらえないばかりか、児童虐待では?の誤解まであるらしい。

 そこで、男鹿市観光協会がナマハゲの良さを全国の皆様に知っていただきたい!という郷土愛に満ちた思いから誕生させた「ご当地検定」である。そのような愛に満ちた想いから生まれた検定なので、難解な試験ではない。合格率は90%というウワサもある。

 しかし受験者に要求されるのは知識だけでなく、ナマハゲさまへのふか~い愛であることも、受験を思い立たれた方は、肝に命じて欲しい。

 まず、テキストはない。試験は夕方からなのだが、受験者は午前中からの研修と講義を受ければ、その中から問題がでるらしいのだ。この当日の研修と講義が、受験対策となるので、一日で対策と試験が終了する、短期決戦の検定でもある。

 次いで受験地は男鹿市のホテル一カ所のみである。ナマハゲさまに対する愛がなければ地元もんはともかくとして、地元もんでもない人間が、わざわざ男鹿市まで出向いて研修&講義&試験を受けるだろうか? 受けるはずがないのである。知識偏重の試験にもの申したい、というナマハゲさまのご意向を尊重した結果であろう(ほんまか?) 

 ただし、これだけナマハゲさまへの愛を示し、検定に合格したとしてもナマハゲさまになれる、というものでもないらしい。あくまでも「伝導士」なのである。お釈迦様の教えを伝える「お坊様」が、どんなに修行をしても「お釈迦様」にはなれないように、残念ながら「ナマハゲ伝導士認定試験」に合格したとしても、「悪いゴはいねがぁー!」と鬼の面をつけ、包丁を振り回すわけにはいかないのだ。繰り返すが、あくまでも「伝導士」なのである。

 ホテルでの研修や講義の関係上、受験者を90人に限定しているので、興味のある方はお早めに申し込んだ方がいいらしい。人気がある検定なので定員に達すると受験自体が締め切られる。地域おこしとしても、一役買っている検定なのである。

 郷土愛と民俗学の入り交じる検定は、目下の狙い目かもしれない。
 郷土の伝統文化をアピールでき、サメ[ターを養成でき、なおかつ観光客も呼び込める方法として一石三鳥にも四鳥にもなる「ご当地検定」を、全国の観光協会の方々にご一考願いたいものである(すでにされている場所多数あり)