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光陽展「広島展」によせて(4/6) 『晩夏の浜』(会員奨励賞受賞作品)

2006-06-16 13:08:10 | 怒素人的美術蘊蓄録
(添付画像:光陽展広島展・「晩夏の浜」)

<作品の紹介>

 作品番号: 78
 作者氏名: 渡 瀬 泰 志 (会員)
 作品題名: 『晩夏の浜』
 受賞名:  会員奨励賞
 住  所:   静 岡

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 夏の終わり、夕暮れ時か、、、。
 
 風呂桶をひっくり返したような夕立。短時間にふった大雨の、あと、、。

 雨の止んだ後の、時間と空間、、、。

 そんな連想を抱かせる作品である。

 雨は降り止んだものの、浜辺の小舟の内側にたまっている。夏の季節、燦々と降り注ぐ太陽と十分な水気を得て、砂浜に繁茂した植物は勢いよく豊かな青緑色の葉っぱを繰り広げ、元気に小舟に絡まっている・・・

 小舟の背景には、浜に引き上げられた漁船の船腹が見える。さらにその先の浜辺から海岸線を超え、穏やかな海の水平線上に覗える夕暮れ時の淡いピンク色の空。
 さらに想像するに、土砂降りの夕立、大雨の降った夏の午後、雨雲から曇り空にかわり、晩夏太陽の夕暮れの日差し。蒸し暑い雨上がりの日差しと時間の推移から湧き出る水分、、、。

 今、まさに絵画を鑑賞するものにとって、湿った空気を肌から感じてしまう写実性は、いかにも見事である。

 夕暮れ時の湿った暑さと『水感』、水の湿度、湿り気を感じる・・
 
 この作品、究めつけは、小舟の中にたまった水に反射する「水の表面」の表現であろう。

 けっして写真芸術では表現できないもの、それは水面「反射光と、鏡のような水面に反射表現された画像」である。
 
 小さな和舟の内部に溜まった「みなも」の構図、小舟に絡まる「植物」との調和は、和風美の真髄か。いっぷくの「茶の湯」を、この絵画の中の水に例えれば、この小舟は、茶の湯を湛える「茶器」にも相当するか。

 鑑賞者に対し、侘び寂びの世界を語りかけてくるか。この作品「晩夏の浜」を以ってして、そんな静寂な感性の存在を問いかけてくる「表現」か・・・



 *渡瀬泰志氏作品「晩夏の浜」、たぐいまれなる水面(みなも)表現の絵画芸術。ご賞賛の方、是非、下記ランキンブダペストバーをクリックしてください。
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(参考資料はこちらから・・)

(前回掲載「光陽展」鑑賞感想記事はこちらから入れます。)

「光陽会」(会本部ホームページはこちらから入れます。ホームページ内には、今回展覧会作品の受賞作等、もっと上質な画像をご覧になれます)