教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

アンティークコインはバブルが崩壊した

2019-03-16 22:08:14 | 経済/経済/社会
アンティークコインとだけ言われて、どういうイメージがあるだろうか?

我輩、小判や一文銭の収集という水戸黄門が好きそうなジジイ臭い者の趣味だと思っていた。

しかし!
その考えを改めたのは数年前だった。

2016年くらいだったろうか。
投資の観点からアンティークコインを扱った本がちらほら発売された。
たとえば↓こんな本だ。







https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784344994935

海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛―アンティークコイン投資入門
西村 直樹【著】
価格 ¥1,620(本体¥1,500)
幻冬舎メディアコンサルティング(2016/11発売)






これはどうなのか?

世の中にはアンティークコインという投資対象があるんだ……とは思った。
とはいうものの、当時の我輩はスルーを決め込み、行動には移さなかった。

そのときアンティークコインの世界はどうだったかを振り返ってみよう。







https://www.unvcoin.com/original46.html#

> 1. リスク回避を実現する保全性
>
> リーマンショック時にも、その価値は動じることがありませんでした。
>
> 数多くの投資家に打撃を与えた2008年の多分野の資産価値の大暴落は、逆に アンティークコインの資産価値を証明する形になりました。






銀行預金はゆうにおよばず、株価や金地金価格の上昇よりさらに加速して上昇をつづけている。

すばらしい!!!

……と思うかもしれない。

実際、ふだん日の当たらないアンティークコイン業界にいた業者、アンティークコインで濡れ手に粟の一儲けしようとたくらむ山師まがいのシロウトはそう思ったろう。

実際↓こんな記事が出てきたの事も、アンティークコイン業界がさらにすばらしく見えるのに一役買った。






1839年 イギリス ヴィクトリア女王即位記念”ウナとライオン” 5ポンド金貨|世界の投資価値あるアンティークコインを「ユニバーサルコイン」
https://www.unvcoin.com/original42.html

> 2020年代には1億円とも言われてきたが、2015年9月末にロンドンで行われたオークションでは、このウナライオンを含むフルセット(世界最高鑑定)が遂に1億円を突破した。






で、これは本当に信じていいものなのか?

当時、大変大変インチキ臭いと思った。

大変インチキ臭いではない。
大変大変インチキ臭いで誤植ではない。

先の本は今でも売ってるので試しに読んでみればいい。
個別案件でどの項目がインチキ臭いのかはさておきとして、これを読んでインチキ臭いと思わなかった人は不動産投資などには手をつけないほうがいいだろう。

前置きが長くなったが、実際どうなのかを我輩が直に検証した結果を以下に記す。





これは、とある特定のコイン(金貨)について価格をグラフ化したものである。
同じ重さの金の地金価格(円建て)も併記した。

コインの価格の出どころは以下のとおり。

株式会社泰星オークション
https://www.taiseicoins.co.jp/auction/

金の地金価格の出どころは以下のとおり。

田中貴金属工業株式会社|年次金価格推移
https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/y-gold.php



で、どうよ?



(1)
たしかに価格の大幅な上昇はおきたが、程度は先にあげた "GB 200 Rare Coin Index" には及ばない。
業者が公開したヤツは貿易赤字がひどくてどんどん価値が下落していくイギリスポンド建てのチャートだったから、円建てより過剰に良く見えたじゃないのか?
まあ、集計しているコインの銘柄が違うのもあるけれど。

(2)
2012年までの急激な上昇はすべて金価格の上昇で片づけられる。
アンティークコインだから調子が良かったわけではない。

(3)
2019年現在、業者はいまなお2015年までのチャートを使っている。
それは、そこがピークであり、そっから果てしなく下落が続いているから、シロウトをあおる業者としてはそんなチャートはとても載せられなかったのだ。

(4)
2019年現在、金の地金価格からの乖離の程度からいって、妥当な価格に落ち着いたと判断してよい。
金相場が動かないかぎり、これ以上は下がらない。
金が下がればもっと下がるだろうけれど。

(5)
やっぱりアンティークコインはバブルだった。
2012年からはじまり、2015年ごろをピークとして崩壊が始まり、2019年にバブルを食いつぶしてほぼ元に戻った。



先に書いた、あおられまくったので有名なウナとライオンなるコイン、2010年代初期には数100万円台半ばだったらしいが、2015年にスッ高値で1億円超、そして2018年には2000万円。
我輩が直接会って話をしたアンティークコインに詳しい某投資家は、ウナとライオンだけはもっとさがると言っていた。
これがバブルでなくて何だろうか。






結論:

アンティークコインを扱った本が出た当初につられて投資をした場合には大失敗だが、2019年の現時点なら投資をしてよい。