投資としてアンティークコインを見る場合、どう考えるのか。
これからちょっとづつ考えてみようと思う。
[常識]
・希少コインの価値は、希少性で決まる
・希少でないコイン(地金コイン)の価値は、地金の価値で決まる
[常識の再解釈]
・コインの価値は、コインの希少性と地金の価値のうち高いほうが支配的になる
・コインは、地金というコモディティーに希少性というコールオプションが抱き合わせ販売されている金融商品である
・コインは、希少性に地金というプットオプションが抱き合わせ販売されている金融商品である
[コールオプション的な性質]
・希少性が高まる/悪化すると、希少コインの価値は増加する/減少するが、希少でないコインの価値はほとんど増加/減少しない
・地金の価値が高まる/悪化すると、希少コインの価値はそれほど増加する/減少しないと推定されるが、希少でないコインの価値は1倍に近い影響度で増加/減少する
・値上がり益をねらう場合、希少性が高いことで地金価格からかい離したコインが良い
・値下がり損失を回避したい場合、希少性は悪いが地金価格で買えるコインが良い
[希少性]
・希少性が増すと、希少性に対する価格のライン上の右上に移動する
・希少性とは、市場流通量の逆数に近いものと推定される
・希少性と希少価値は必ずしも一致しない
[市場流通量]
・特殊な事例を除き、市場流通量は発行枚数以下となる
> 十万円金貨偽造事件などが特殊な事例
・発行枚数が多くても市場流通量が少ない場合がある
> 明治の金貨などはほとんど溶かされたため現存枚数が少ない模様
・特殊な事例を除き、市場流通量は経時変化により少しづつ減少する
> 経時変化要因:長期保有者の手に渡る, 紛失など
> 特殊な事例:日銀の大量放出, 発掘で大量に発見される, 大量保有者の遺産整理など
・同一年代/同一国家など条件をそろえれば、発行枚数が少ないほど市場流通量が少ない傾向が顕著に得られる
・同一年代/同一国家など条件をそろえなけれれば、発行枚数と市場流通量の相関は大幅に薄まる
> 現代コインと1700年代のコインでは同じ発行枚数1000枚でも市場流通量はまったく異なる
[希少価値]
・希少性が同一なら、裕福な国のコインのほうが希少価値が高い
> ブラックアフリカの試鋳貨など鋳造枚数20枚でも1万円、など
・急激に経済成長した大国のコインは急激に希少価値が高まる傾向がある
> 2000年ごろの帝政ロシアコイン相場
・同一シリーズのコインの場合、希少発行年、希少発行体、高格付けコインから順に希少価値が高まる
> 発行体がストラスブルのナポレオンコインなど
・もともと市場流通量の多いコインにおいて、ebayに1枚あるかどうか、コインオークションで毎回は出品されないという程度の市場流通量まで減った場合、地金価格に対し無視できないほどの希少価値が得られると思われる
[地金価格]
・地金価格が上昇すると、希少性に対する希少価格のラインは変化せず、ベースラインが上方シフトする
・銅貨, ニッケル貨, アルミ貨の場合、地金価格はほぼゼロ
・銀貨でも1オンス程度の重量で数万円の市場価格なら地金価格はほぼゼロというくらいの割合
・希少性が同一なら、地金の価値が高いほうが希少価値が高くなる傾向があると疑っているが、さしたる根拠はない
> おなじ希少性でも金貨よりプラチナ貨のほうが希少価値が低い
・地金分の価格が高すぎることで発行枚数が少なくても希少価値が価格にほとんど反映されないコインもある
> 現代ロシアの1kg金貨など
・希少価値ではなく地金価格の上昇で価格上昇の要因の「すべて」を説明できる場合が非常に多い
> 近年のソ連のパラジウム貨の上昇
> 2012年ごろまでのたいがいの金貨の上昇
[バブル]
・バブルになると、地金価格のラインは変化せず、希少性に対する希少価格のラインが急になる
・市場流通量に大きな変化がない、または増加しているにもかかわらず、短期間に希少価値が大幅に増大する場合、バブルであると推定される
> 2015年ごろの相場
・日本のフロアオークションの事例においては、バブルのピークから崩壊中にかけてのほうが市場流通量が多くなったように見受けられるが、一般的な現象といえるかどうかについては今後の検討を要する
・日本人の個人投資家が飛びついたときが天井であるという私の相場観はコインにおいても妥当であった
[価格形成]
・希少性という実体のないものに価格がついているコインには原価法は適用できず、株や不動産のようにインカムゲインがあるわけでもないので収益還元法も適用できず、ただ取引事例比較法によってのみ妥当価格が算出可能である
・コインの価格は、地金の種類、地金の価値、発行枚数、年代、発行国、グレードでかなりの程度が説明できるのではないかと思われる
・上記6つのパラメータのうち特定の項が支配項となり、他のパラメータにほとんど全く影響を受けないケースは頻出するため、支配項となる閾値の把握には意味があると推定される
・コインに描かれた人物の歴史的背景や絵柄の美術的価値によるコインの価格への影響度は、一般に通説として言われるほど高くなく、ほとんど影響がないのではないかと疑っているが、しかしかくたる根拠はない
・一般に、数百万円のコインの場合は市場流通量は多くてせいぜい数十枚、数十万円のコインの場合は市場流通量は多くてせいぜい数百枚と推定されるため、バブル相場でない場合、特定銘柄に限れば数千万円台後半の予算があればいとも簡単に相場操縦できると思われる
これからちょっとづつ考えてみようと思う。
[常識]
・希少コインの価値は、希少性で決まる
・希少でないコイン(地金コイン)の価値は、地金の価値で決まる
[常識の再解釈]
・コインの価値は、コインの希少性と地金の価値のうち高いほうが支配的になる
・コインは、地金というコモディティーに希少性というコールオプションが抱き合わせ販売されている金融商品である
・コインは、希少性に地金というプットオプションが抱き合わせ販売されている金融商品である
[コールオプション的な性質]
・希少性が高まる/悪化すると、希少コインの価値は増加する/減少するが、希少でないコインの価値はほとんど増加/減少しない
・地金の価値が高まる/悪化すると、希少コインの価値はそれほど増加する/減少しないと推定されるが、希少でないコインの価値は1倍に近い影響度で増加/減少する
・値上がり益をねらう場合、希少性が高いことで地金価格からかい離したコインが良い
・値下がり損失を回避したい場合、希少性は悪いが地金価格で買えるコインが良い
[希少性]
・希少性が増すと、希少性に対する価格のライン上の右上に移動する
・希少性とは、市場流通量の逆数に近いものと推定される
・希少性と希少価値は必ずしも一致しない
[市場流通量]
・特殊な事例を除き、市場流通量は発行枚数以下となる
> 十万円金貨偽造事件などが特殊な事例
・発行枚数が多くても市場流通量が少ない場合がある
> 明治の金貨などはほとんど溶かされたため現存枚数が少ない模様
・特殊な事例を除き、市場流通量は経時変化により少しづつ減少する
> 経時変化要因:長期保有者の手に渡る, 紛失など
> 特殊な事例:日銀の大量放出, 発掘で大量に発見される, 大量保有者の遺産整理など
・同一年代/同一国家など条件をそろえれば、発行枚数が少ないほど市場流通量が少ない傾向が顕著に得られる
・同一年代/同一国家など条件をそろえなけれれば、発行枚数と市場流通量の相関は大幅に薄まる
> 現代コインと1700年代のコインでは同じ発行枚数1000枚でも市場流通量はまったく異なる
[希少価値]
・希少性が同一なら、裕福な国のコインのほうが希少価値が高い
> ブラックアフリカの試鋳貨など鋳造枚数20枚でも1万円、など
・急激に経済成長した大国のコインは急激に希少価値が高まる傾向がある
> 2000年ごろの帝政ロシアコイン相場
・同一シリーズのコインの場合、希少発行年、希少発行体、高格付けコインから順に希少価値が高まる
> 発行体がストラスブルのナポレオンコインなど
・もともと市場流通量の多いコインにおいて、ebayに1枚あるかどうか、コインオークションで毎回は出品されないという程度の市場流通量まで減った場合、地金価格に対し無視できないほどの希少価値が得られると思われる
[地金価格]
・地金価格が上昇すると、希少性に対する希少価格のラインは変化せず、ベースラインが上方シフトする
・銅貨, ニッケル貨, アルミ貨の場合、地金価格はほぼゼロ
・銀貨でも1オンス程度の重量で数万円の市場価格なら地金価格はほぼゼロというくらいの割合
・希少性が同一なら、地金の価値が高いほうが希少価値が高くなる傾向があると疑っているが、さしたる根拠はない
> おなじ希少性でも金貨よりプラチナ貨のほうが希少価値が低い
・地金分の価格が高すぎることで発行枚数が少なくても希少価値が価格にほとんど反映されないコインもある
> 現代ロシアの1kg金貨など
・希少価値ではなく地金価格の上昇で価格上昇の要因の「すべて」を説明できる場合が非常に多い
> 近年のソ連のパラジウム貨の上昇
> 2012年ごろまでのたいがいの金貨の上昇
[バブル]
・バブルになると、地金価格のラインは変化せず、希少性に対する希少価格のラインが急になる
・市場流通量に大きな変化がない、または増加しているにもかかわらず、短期間に希少価値が大幅に増大する場合、バブルであると推定される
> 2015年ごろの相場
・日本のフロアオークションの事例においては、バブルのピークから崩壊中にかけてのほうが市場流通量が多くなったように見受けられるが、一般的な現象といえるかどうかについては今後の検討を要する
・日本人の個人投資家が飛びついたときが天井であるという私の相場観はコインにおいても妥当であった
[価格形成]
・希少性という実体のないものに価格がついているコインには原価法は適用できず、株や不動産のようにインカムゲインがあるわけでもないので収益還元法も適用できず、ただ取引事例比較法によってのみ妥当価格が算出可能である
・コインの価格は、地金の種類、地金の価値、発行枚数、年代、発行国、グレードでかなりの程度が説明できるのではないかと思われる
・上記6つのパラメータのうち特定の項が支配項となり、他のパラメータにほとんど全く影響を受けないケースは頻出するため、支配項となる閾値の把握には意味があると推定される
・コインに描かれた人物の歴史的背景や絵柄の美術的価値によるコインの価格への影響度は、一般に通説として言われるほど高くなく、ほとんど影響がないのではないかと疑っているが、しかしかくたる根拠はない
・一般に、数百万円のコインの場合は市場流通量は多くてせいぜい数十枚、数十万円のコインの場合は市場流通量は多くてせいぜい数百枚と推定されるため、バブル相場でない場合、特定銘柄に限れば数千万円台後半の予算があればいとも簡単に相場操縦できると思われる