俺「やっぱこの店はすげえな。カウンタの客は全員ロシア語で注文したよね」
隣の男「今日は特別すごいかもしれない」
俺「あんただってロシア語で注文してたでしょw」
隣の男「いやまあw」
俺「このまえなんて、ロシア民謡の音楽にあわせてロシア語で歌ってた客がいたぞw」
隣の男「まじかよw」
ロシア人A「ロシアに行ったことある?」
隣の男「いや……」
俺「いつか行ってみたくはあるけど、いま行くと迷子になったら帰ってこれないからね。そこらへんのやつ捕まえて道を教えてもらって聞き取れるくらいになってからにしたいような。Где метро?(地下鉄ってどこや?)くらいなら言えるけど、なんか返ってきても聞き取れんしな」
ロシア人A「ロシア語勉強してる?」
俺「ちょっとまって、えっと、Я изучаю русский язык.(俺はロシア語を勉強してるよ)」
ロシア人A「どうやって勉強してる?」
俺「んーっと、книга(本)」
ロシア人A「日本にあるロシア語の本は間違ったこと書いてるのばっかり」
俺「あー、それ俺も見つけたことある。まず、Сколько стоит стакаи пива?(ビール1杯いくら?) って書いてあって……」
ロシア人A「現代ではстакаиなんてほとんど使わなーい」
俺「すでにその時点でおかしいのかよwww で、その次の行が、Пять рублей.(5ルーブル)」
隣の男「Пятьって5?」
俺「そう。その本によると、ロシアではビール1杯5ルーブル、つまり10円だそうな」
隣の男「( ゚д゚)」
ロシア人A「それ何年前?」
ロシア人B「30年前くらい?」
俺「付属のメディアに音声吹き込んでるのはロシア人のはずなんだけど、これおかしいだろって言わないかね」
ロシア人B「さー」
ロシア人A「ロシア語わかる?」
俺「よくて20個に1個わかるくらいかな」
ロシア人A「ロシア語難しい?」
俺「言葉の後ろが変わるのを使いこなすのがすごく難しい」
ロシア人A「?」
俺「Я хочешь(文法がおかしいので翻訳不能)とは言わないよね。Я хочу(俺は欲しい)だよね」
ロシア人A「一人称、二人称で変わってくるからね」
俺「まだこれくらいなら何とかなる。хотеть(動詞"欲しい"の基本形)でЯ(俺)を使うときはхочуだから……って考えながら話す感じになるから、話すだけですごく時間がかかる。けどまだ何とかなりそうな範囲ではある。книга(本)とкниги(本の)とкнигу(本を)とかを使いこなすのはかなり難しい」
ロシア人A「がんばって憶える!」
俺「открывать(開ける)とоткрыть(開け終わる)とかになるともう手に負える気がしない」
(ここでロシア語で数分間議論が始まる)
ロシア人A「使い分けられるけど違いを説明できなーい」
俺「どんだけ難しいんだよwww でもね、日本の外務省の指標によると、日本人がロシア語を勉強するには1500時間くらいかかるってどっかに書いてあった。アメリカの外務省の指標によると、アメリカ人が日本語を勉強するのに2500時間くらいかかるって書いてあった。ここの人はみんなそれだけの時間勉強をこなしてここにいるんだからすごいよ」
隣の男「どれくらい日本語勉強してるの?」
ロシア人B「朝起きて1時間勉強して、それから学校にいって昼過ぎまで勉強して、夕方までバイトして家でご飯食べたあと寝るまで勉強してる」
俺「それはすごいわ。たしかにそれなら1年で2500時間いくかも」
社長「〇〇も日本に来たときは日本語全く話せなかったからね」
俺「1年もかからずにそこまで話せるようになったんですか!?」
社長「あの娘は絶対ロシアに帰りたくないみたい。何か用事があってもなるべくロシアに帰りたくないって言ってる」
俺「本人も自分はロシア人っぽくないって言ってたような」
隣の男「アメリカ人っぽくはあるよね」
俺「なにかあったんですかね?」
社長「わからない。でもあっちには何もないんじゃないかな」
カウンタの客は全員ロシア語で注文してるわ、
従業員のロシア人は国を捨てる覚悟で一日中勉強して日本にいるわ、
Itacafeのみなさんはもう覚悟が違いますわ。
こういう雰囲気はひさしぶりだ。
いまわかった。
いまの我輩の生活には欲求が足りなかったのだ。
我輩の遥か先をゆく人の背中を見て、いつかそこへ到達したいと願う欲求が。
思えば、かつて高校時代や大学時代にはそれがあった。
たとえば、高校で将棋同好会をたちあげたとき、クラスで無敵の強さを誇る部員が2名いた。
高校を卒業するころには追いついた。
我輩の魂にいまいちど燃料をくべたい。
追伸:
あとわかったこと。
我輩のロシア語の発音はかなりダメなようだ。
我輩がロシア人にむけて話すときでさえ、ゆっくり話さないと伝わらないという……。
隣の男「今日は特別すごいかもしれない」
俺「あんただってロシア語で注文してたでしょw」
隣の男「いやまあw」
俺「このまえなんて、ロシア民謡の音楽にあわせてロシア語で歌ってた客がいたぞw」
隣の男「まじかよw」
ロシア人A「ロシアに行ったことある?」
隣の男「いや……」
俺「いつか行ってみたくはあるけど、いま行くと迷子になったら帰ってこれないからね。そこらへんのやつ捕まえて道を教えてもらって聞き取れるくらいになってからにしたいような。Где метро?(地下鉄ってどこや?)くらいなら言えるけど、なんか返ってきても聞き取れんしな」
ロシア人A「ロシア語勉強してる?」
俺「ちょっとまって、えっと、Я изучаю русский язык.(俺はロシア語を勉強してるよ)」
ロシア人A「どうやって勉強してる?」
俺「んーっと、книга(本)」
ロシア人A「日本にあるロシア語の本は間違ったこと書いてるのばっかり」
俺「あー、それ俺も見つけたことある。まず、Сколько стоит стакаи пива?(ビール1杯いくら?) って書いてあって……」
ロシア人A「現代ではстакаиなんてほとんど使わなーい」
俺「すでにその時点でおかしいのかよwww で、その次の行が、Пять рублей.(5ルーブル)」
隣の男「Пятьって5?」
俺「そう。その本によると、ロシアではビール1杯5ルーブル、つまり10円だそうな」
隣の男「( ゚д゚)」
ロシア人A「それ何年前?」
ロシア人B「30年前くらい?」
俺「付属のメディアに音声吹き込んでるのはロシア人のはずなんだけど、これおかしいだろって言わないかね」
ロシア人B「さー」
ロシア人A「ロシア語わかる?」
俺「よくて20個に1個わかるくらいかな」
ロシア人A「ロシア語難しい?」
俺「言葉の後ろが変わるのを使いこなすのがすごく難しい」
ロシア人A「?」
俺「Я хочешь(文法がおかしいので翻訳不能)とは言わないよね。Я хочу(俺は欲しい)だよね」
ロシア人A「一人称、二人称で変わってくるからね」
俺「まだこれくらいなら何とかなる。хотеть(動詞"欲しい"の基本形)でЯ(俺)を使うときはхочуだから……って考えながら話す感じになるから、話すだけですごく時間がかかる。けどまだ何とかなりそうな範囲ではある。книга(本)とкниги(本の)とкнигу(本を)とかを使いこなすのはかなり難しい」
ロシア人A「がんばって憶える!」
俺「открывать(開ける)とоткрыть(開け終わる)とかになるともう手に負える気がしない」
(ここでロシア語で数分間議論が始まる)
ロシア人A「使い分けられるけど違いを説明できなーい」
俺「どんだけ難しいんだよwww でもね、日本の外務省の指標によると、日本人がロシア語を勉強するには1500時間くらいかかるってどっかに書いてあった。アメリカの外務省の指標によると、アメリカ人が日本語を勉強するのに2500時間くらいかかるって書いてあった。ここの人はみんなそれだけの時間勉強をこなしてここにいるんだからすごいよ」
隣の男「どれくらい日本語勉強してるの?」
ロシア人B「朝起きて1時間勉強して、それから学校にいって昼過ぎまで勉強して、夕方までバイトして家でご飯食べたあと寝るまで勉強してる」
俺「それはすごいわ。たしかにそれなら1年で2500時間いくかも」
社長「〇〇も日本に来たときは日本語全く話せなかったからね」
俺「1年もかからずにそこまで話せるようになったんですか!?」
社長「あの娘は絶対ロシアに帰りたくないみたい。何か用事があってもなるべくロシアに帰りたくないって言ってる」
俺「本人も自分はロシア人っぽくないって言ってたような」
隣の男「アメリカ人っぽくはあるよね」
俺「なにかあったんですかね?」
社長「わからない。でもあっちには何もないんじゃないかな」
カウンタの客は全員ロシア語で注文してるわ、
従業員のロシア人は国を捨てる覚悟で一日中勉強して日本にいるわ、
Itacafeのみなさんはもう覚悟が違いますわ。
こういう雰囲気はひさしぶりだ。
いまわかった。
いまの我輩の生活には欲求が足りなかったのだ。
我輩の遥か先をゆく人の背中を見て、いつかそこへ到達したいと願う欲求が。
思えば、かつて高校時代や大学時代にはそれがあった。
たとえば、高校で将棋同好会をたちあげたとき、クラスで無敵の強さを誇る部員が2名いた。
高校を卒業するころには追いついた。
我輩の魂にいまいちど燃料をくべたい。
追伸:
あとわかったこと。
我輩のロシア語の発音はかなりダメなようだ。
我輩がロシア人にむけて話すときでさえ、ゆっくり話さないと伝わらないという……。