日銀の当座預金の金利がマイナスになった。
ニュースではこれを「奇策」と呼ぶが、べつにそんなことはない。
「いや別に気にせずさっさとやればよかったのに…」くらいのものだ。
ヨーロッパではマイナス金利はすでに一般的ですらある。
ではなぜ今までやらなかったのか?
もともと日銀は
2%の「物価安定の目標」と「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」 :日本銀行 Bank of Japan
https://www.boj.or.jp/mopo/outline/qqe.htm/
> (2)「量」:金融市場調節方針
>
> マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。
↑このようにマネタリーベースの拡大を目標と公言していた。
そしてそのマネタリーベースは
マネタリーベースの解説 :日本銀行 Bank of Japan
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exbase.htm/
> マネタリーベースとは、「日本銀行が供給する通貨」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値です。
>
> マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」
であり、日銀当座預金残高の影響を非常に強く受ける。
そしてその日銀当座預金の金利がマイナスになると、残高はほぼゼロまで下がる。
するとマネタリーベースは一気に縮小する。
つまり日銀のマイナス金利導入は日銀の前言撤回を意味する。
もっといえば、黒田総裁が作戦失敗を自ら認めたことを意味する。
これではマクロ経済的な損得勘定だけで考えるよりはるかに導入しにくい。
わたしは内心
「そんなんどーでもいいからさっさとやればいいのに…」
と思っていたのだが、経験豊富で博識な日銀ウォッチャーになればなるほど導入しないだろうと判断しいていた。
たとえば↓この人とか。
牛さん熊さんブログ
http://bullbear.exblog.jp/
でだ。
おおかたの大家の予想に反してマイナス金利となったわけだが、その前後の為替相場が興味深い値動きだったので上に紹介した次第である。
こういうのはそ24時間以内に見ておかないとわからなくなる。
東日本大震災のときの為替もそうだったしな。