アニメなりマンガなりイラストなりで、小道具としてメカモノが出てくることは少なくない。
うまく描かれたメカモノはカッコいい。
そのカッコ良さは、メカモノ以外では不可能なほど高いレベルでカッコいい。
しかし!
なぜかカッコ良く見えないものも中にはある。
それは特定のメカモノに集中している気がするのだ。
メカモノがカッコよくなるためには、とある必須条件がある。
それは、本当にありそうだと思えるようなワクワクしそうなリアルさである。
現在でも、遠い未来でも、どこか銀河の果ての星の文明でも、それは別に構わない。
現代の工業製品として正しい形を要求しているわけではない。
実現したとしたらそういう形もありうると思えるような、美的感覚的なリアルさだ。
宇宙船などそうであろう。
内部構造や動力機関が気になるようなデザインなら惚れる。
しかし、タコ足の火星人が中から出てきそうなデザインでは惚れない。
そういうリアルさのことだ。
こういうものは現実に存在するものに対する観察眼が問われてくる。
例えば戦闘機。
戦闘機は流体力学の知識がなければ設計できない。
当然ながら流線型をしているし、抗力が小さくかつ揚力を生むような翼の形になっている。
メカモノを得意とするイラストレイターで流体力学の知識がある者はまずいない。
しかし彼らの描く戦闘機はカッコいい。
イラストレイターと呼ばれるほどの腕前なのだから、モノの形を観る眼力は常人よりケタ違いに優れている人も多いに違いない。
現物の戦闘機を良く観察し、構造の必然性はわからなくてもあるべき姿のデザイン感覚は把握できたから描けるのだろう。
わたしの感覚では、流体力学的に間違っている形をしていればしているほど、より子供だましなデザインに近づいているような気がする。
まあ、物理的に正しい形をしていなければならないと目くじらを立てる気はない。
ようはイラストはカッコ良ければそれで良いのだ。
しかし、そのカッコ良さは物理に依存するのもまた事実である。
さて。
ここでは宇宙船や戦闘機の例をあげてきたわけだが。
最もカッコ良く描かれるケースの少ないメカモノは何だろうか?
恐らくそれは歯車ではなかろうか。
ほとんどのイラストでは、歯車の歯は単なる台形でできている。
しかし現物の歯車はそうはなってはいない。
現実のちゃんとした歯車のほとんどはインボリュート歯形という曲線になっている。
それは単なる台形ではない。
単なる台形で描かれた歯車のイラストを見ると、どうしたってリアルさを幾分失ってしまっていて手抜きか子供だましに見えてしまう。
そこまでちゃんと理解して描かれる歯車のイラストは実に少ないのだ。
ひどいのになると、歯の形がどうのというより、そもそも回りもしないようなものまで少なくない。
ひどいのはパッと見たらすぐにわかる。
いくらなんでもそれはどうなのよと思ってしまうのはわたしだけなのだろうか・・・。
時計オタだったら
「インボリュート歯形は美しくないから究極的にはサイクロイド歯形であるべきだ!」
とでも言い出すかもしれないが、そこまでは要求しない。
イラストなんだからカッコ良ければそれで良い。
カッコ良ければね。
追伸:
以前、サイクロイド歯形っぽい形の歯車をInkscapeで描いてみようかとしたことがある。
・・・しかし途中で挫折した。
実のところ描いてて楽しくない。
仕事で機械CADで設計しているような感覚だった。
研究開発というのは、どうやったらうまくいくかを考えたり試したりする過程がイチバンおもしろい。
だから、何をすればうまくいくかが解っていてあとは図面を描くだけになってしまったルーチンでは実は楽しくない。
歯車だけイラストで描いてみるというのもそういうモノだったというわけさ。
うまく描かれたメカモノはカッコいい。
そのカッコ良さは、メカモノ以外では不可能なほど高いレベルでカッコいい。
しかし!
なぜかカッコ良く見えないものも中にはある。
それは特定のメカモノに集中している気がするのだ。
メカモノがカッコよくなるためには、とある必須条件がある。
それは、本当にありそうだと思えるようなワクワクしそうなリアルさである。
現在でも、遠い未来でも、どこか銀河の果ての星の文明でも、それは別に構わない。
現代の工業製品として正しい形を要求しているわけではない。
実現したとしたらそういう形もありうると思えるような、美的感覚的なリアルさだ。
宇宙船などそうであろう。
内部構造や動力機関が気になるようなデザインなら惚れる。
しかし、タコ足の火星人が中から出てきそうなデザインでは惚れない。
そういうリアルさのことだ。
こういうものは現実に存在するものに対する観察眼が問われてくる。
例えば戦闘機。
戦闘機は流体力学の知識がなければ設計できない。
当然ながら流線型をしているし、抗力が小さくかつ揚力を生むような翼の形になっている。
メカモノを得意とするイラストレイターで流体力学の知識がある者はまずいない。
しかし彼らの描く戦闘機はカッコいい。
イラストレイターと呼ばれるほどの腕前なのだから、モノの形を観る眼力は常人よりケタ違いに優れている人も多いに違いない。
現物の戦闘機を良く観察し、構造の必然性はわからなくてもあるべき姿のデザイン感覚は把握できたから描けるのだろう。
わたしの感覚では、流体力学的に間違っている形をしていればしているほど、より子供だましなデザインに近づいているような気がする。
まあ、物理的に正しい形をしていなければならないと目くじらを立てる気はない。
ようはイラストはカッコ良ければそれで良いのだ。
しかし、そのカッコ良さは物理に依存するのもまた事実である。
さて。
ここでは宇宙船や戦闘機の例をあげてきたわけだが。
最もカッコ良く描かれるケースの少ないメカモノは何だろうか?
恐らくそれは歯車ではなかろうか。
ほとんどのイラストでは、歯車の歯は単なる台形でできている。
しかし現物の歯車はそうはなってはいない。
現実のちゃんとした歯車のほとんどはインボリュート歯形という曲線になっている。
それは単なる台形ではない。
単なる台形で描かれた歯車のイラストを見ると、どうしたってリアルさを幾分失ってしまっていて手抜きか子供だましに見えてしまう。
そこまでちゃんと理解して描かれる歯車のイラストは実に少ないのだ。
ひどいのになると、歯の形がどうのというより、そもそも回りもしないようなものまで少なくない。
ひどいのはパッと見たらすぐにわかる。
いくらなんでもそれはどうなのよと思ってしまうのはわたしだけなのだろうか・・・。
時計オタだったら
「インボリュート歯形は美しくないから究極的にはサイクロイド歯形であるべきだ!」
とでも言い出すかもしれないが、そこまでは要求しない。
イラストなんだからカッコ良ければそれで良い。
カッコ良ければね。
追伸:
以前、サイクロイド歯形っぽい形の歯車をInkscapeで描いてみようかとしたことがある。
・・・しかし途中で挫折した。
実のところ描いてて楽しくない。
仕事で機械CADで設計しているような感覚だった。
研究開発というのは、どうやったらうまくいくかを考えたり試したりする過程がイチバンおもしろい。
だから、何をすればうまくいくかが解っていてあとは図面を描くだけになってしまったルーチンでは実は楽しくない。
歯車だけイラストで描いてみるというのもそういうモノだったというわけさ。