四人の中学生が集まった。
A君は中三、B君は中二、CさんとD君は中一だ。
空き時間に、彼らにマッチ棒のクイズを出した。
「ここにマッチ棒で8の数字があるね。2本のマッチ棒を動かして、4にしてくれませんか」
最初に「わかった」と言って解答を示したのは、科学クラブのB君だった。
「こうすれば4になります」
「そーだね。でもちょっと美しくないな」
私の意見に、A君が手をあげた。
「これでどうですか」
「そうだね。カタカナでヨン、実はこれが模範解答に書いてあったのだよ。でも日本人しかわからない解はどうかな」
それまで黙って考えていたCさんがにっこり笑ってマッチ棒を動かした。
「Cさんの答えは、私の解答と同じだ。この方が美しいと思わないかい?」
一方、4人の中で「博士」と呼ばれている物知りのD君は、ずっと黙ったままだった。
4人ともとても賢いと、私は思った。