DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(3)

2015-03-31 21:55:22 | ButsuButsu


ある日、象が一本の木の下で休んでいると猿がやってきました。

象が「自分がまだ小象だった頃は同じくらいの背丈のこの木で身体をこすったものだ」と言いました。

すると猿が「自分が小猿だっ頃はまだこの木には遊べるほどの枝もなかったよ」と言い、「自分の方がこの木を長い間知っている」と言いました。

そこにうさぎがやってきて、「自分が子供の頃はこの木はほんの小さな木で、上を飛び越えて遊んだ」と言いました。

最後に鳥がやってきて、「この木の種をここに運んできたのは自分だよ。上を飛んでいたら落としてしまったんだ」言いました。

こうして、一番年下は象となり、象はすぐ年上の猿を尊敬して背中に乗せました。

猿はうさぎを尊敬し頭の上に乗せ、うさぎは一番年上の鳥を尊敬して頭の上に乗せました。

するとたわわに実った果実に手が届き、鳥は果実をとって年下の動物に順番に渡しました。

4匹の動物はお互いを尊敬して仲良く平和に暮らしました。

***

モンゴルからブータンまで伝わるお話です。

年取ったものを尊敬して、みんな仲良く暮らしましょうね。

それが生きるということの意味だと言っています。
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生きる(2)

2015-03-30 21:48:36 | ButsuButsu


砂漠で 羽が退化したバッタを見つけた

なぜこんな場所にと思う

考えたら 広い砂漠では飛ぶことは無駄なのかもしれない

その代り 異常に大きなお腹を持っている

きっと たくさんの食料を蓄えているのだろう

過酷な環境で どうやって生き抜くか

その秘訣を 教えてくれているようだ

無駄に飛ばない

身近な食べ物を貪る

そうして生きてきた結果 羽が小さくなったのだろう

広い世界では 無駄な動きはしない方がよい

学ぶことがたくさんある

何でも満たされていることが 良いとは限らない

生きるというkとは 何かを捨てて 何かを得ることなのだろう

砂漠には 不思議な生き物が たくましく生きている


*****

1 月の砂漠を はるばると
  旅のらくだが 行きました
  金と銀との くら置いて
  二つならんで 行きました


2 金のくらには 銀のかめ
  銀のくらには 金のかめ
  二つのかめは それぞれに
  ひもで結んで ありました


3 先のくらには 王子さま
  あとのくらには お姫さま
  乗った二人は おそろいの 
  白い上着を 着てました


4 ひろい砂漠を ひとすじに
  二人はどこへ いくのでしょう
  おぼろにけぶる 月の夜を
  対のらくだは とぼとぼと
  砂丘を越えて 行きました
  だまって越えて 行きました

*****

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生きる(1)

2015-03-29 20:33:24 | ButsuButsu


砂漠に生きるトカゲは 王者の貫録さえある

砂だらけの乾燥地帯で 彼は何を考えて暮らしているのだろうか

足るを知っているのだろうか

おそらくギリギリの世界で生きているのだろう

妥協も寛容もない世界

だからこそ 威厳に満ちた様子であたりを睥睨する

辛いけれども それを語らない

足しもしないし 引きもしない世界

熾烈かもしれないけれども そうやって長い時間をたどってきたのだ

生き抜いた世界

そこには満足と安らぎさえあるのだろう

自然の恵みに感謝して ありがとうと素直に言える

頂点に君臨する人間は その責任がある

それは多くの生き物が暮らす この地球という惑星にたいする礼儀だ
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どうする(100)

2015-03-28 22:46:33 | ButsuButsu


「どうする」100回目、おめでとう。

昨夜のNPO法人びわ湖トラストの理事会での話。

「木之本のトチノキが伐採されそうなんですよ」

樹齢数百年のトチノキの巨木が25本、切られてしまうかもしれない。

山林所有者から200万円で購入した伐採業者は、ヘリコプターを使ってトチノキを岐阜に運び、家具の材料として売る。

1立方メートルあたり20万の高値で取引されるらしい。

それらの多くが中国へ売却される。

そのために、大きなトチノキが必要なのだ。

爾来、滋賀県の山村では、トチノキの実が非常食として食されていた。

いわゆるトチモチだ。

だから、人々はトチノキを大切に保存してきた。

300年余りもの時代を経て、食料があふれ、トチノキは安く買いたたかれ、伐採されようとしている。

滋賀県庁の担当職員がなんとか阻止しようとしているのだが、難しいようだ。

伐採業者は、伐採しないために5000万円を要求しているという。

市場価格の3倍を要求しているのである。

そんなお金はどこにもない。

さて、どうしたらよいのだろうか。

指をくわえて傍観するのか。

それとも知恵でもって解決するのか。

新しい悩みの種だ。

*****

とりあえず、最終回の「どうする」でした。
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どうする(99)

2015-03-27 02:12:25 | ButsuButsu


NHK朝ドラも終わりに近くなってきた。

エリー役であるシャーロット・ケイト・フォックスの圧倒的な演技力が光った一年だった。

残念ながらマッサン役の玉山鉄二は完全に霞んでいた。

演技力の基本が違うのではないだろうか。

もしくは、覚悟の違いか。

Charlotte Kate Foxは、1985年8月14日に、アメリカ国ニューメキシコ州のサンタフェで生まれた。

9歳の時に両親が離婚し、母親が再婚した家庭で育った。

16歳の時に俳優を志しニューヨークにあるMarymount Manhattan University で6か月勉強したが、都会より砂漠を好みサンタフェに帰った。

趣味は、ロッククライミング?

サンタフェ大学に入学し、2008年にBachelor of Fine Arts in Theaterの学士となる。

サンタフェというところは、まさに砂漠の中にあり、家も土を固めて作られている。

周辺にはアメリカインディアンの居留区が多くある。

2010年にNorthern Illinois Universityに入学し、2013年にMaster of Fine Arts の修士を取得した。

その間、テレビや映画、演劇のチョイ役をやっていたようだ。

そして、2014年にNHK朝ドラのオーディションに受かって、マッサンのヒロインとなる。

祖母はスコットランドの出身というから、まさにぴったりの役柄だ。

特に、年老いたエリーの演技がいい。

彼女が死んだら、視聴率はガタ落ちする気がする。

いずれにしても、彼女はよい女優になるだろう。

NHKも捨てたものではない。
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どうする(98)

2015-03-26 10:43:16 | ButsuButsu


3月24日にドイツの飛行機が墜落した。

最近どうも旅客機の事故が多いようだ。

調べてみると、2005年頃から増えている。

特に2014年は悲惨だった。

災難は、マレーシア航空の上に降りかかった。

2014年 3月8日 便名 : マレーシア航空370便
機種 : ボーイング777-200ER
死者 : 乗員乗客239人消息不明(全員死亡)。
状況 : クアラルンプール国際空港発北京首都国際空港行きの便が、消息不明となった(海上に墜落したとされている)。

2014年 7月17日 便名 : マレーシア航空17便
機種 : ボーイング777-200ER
死者 : 乗客乗員298人全員死亡。
状況 : スキポール空港発クアラルンプール国際空港行きの便が、ウクライナ・ドネツィク州グラボボ村に墜落。墜落地点の状況などから撃墜の可能性がある。

これらはいずれも人為的に発生したものなので、余計に心が痛む。

旅客機の事故発生率は0.001%以下らしいのだが、その場に居合わせた人々にとっては気休めにもならない。

特に頻繁に利用する人が事故に遭遇する期待値は高くなる。

LCCと呼ばれる格安航空会社では、古い機体を用いていることから、事故率が高くなっていることも要因の一つだ。

これにテロが加わる。

また、不況によるコスト削減も大きな要因なのだろう。

私も、そろそろ事故に遭遇する危険性があるように思うのだが、とりあえずこれまでは大丈夫だったので感謝すべきなのかもしれない。

いずれにしても立ち止まってシステム全体を考える時期に来ていると思わる。
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どうする(97)

2015-03-25 10:00:11 | ButsuButsu


こうして近江の国の地図を見ていると、なるほどな、と思う。

天武天皇、西暦672年の頃、三関(さんかん)というのがあったらしい。

関ヶ原にあった不破関

鈴鹿にあった鈴鹿関

高島と福井の間にあった愛発(アラチ)関

その後、愛発関に代わって設けられた京都と大津の間の逢坂関

これらの関をすべて閉ざせば、近江の国は独立することができる。

水があり、山野があり、食料がある。

足りないのはエネルギーだけだ。

それもやる気になればびわ湖から取り出せる。

最近特に思うことだが、地方の脆弱化が甚しい。

これは中央集権がより強固になってきているからだ。

国家予算のおそらく70%は東京中心で決められているのだろう。

残りが地方にまわる。

実態がどうかは知らないが、どうもそのような感じがする。

問題は税制と法制のあり方だ。

仮に、滋賀県が独立を宣言したらどうなのだろうか。

自前で法律を作り、自前で税制を敷く。

そうすればこの滋賀国はもっと豊かになるはずだ。

グローバル化が進むということは、地方の特色を失うことだ。

大きな資本が勝ち、小さな資本が崩壊する。

やがて、全ての地域が画一化し、同じ文化を共有するようになってしまう。

多様性は失われ、効率のみが重視される。

そんな社会が本当によいのだろうか。

びわ湖における生物多様性を観察していると、人間社会の矛盾に気がつく。

私たちは、どういう社会を作ろうとしているのだろうか。

グローバルとローカル

昔、そんな本を出版したことがある。



論点は、淡水は商品かどうか、ということだった。

かつて、空気と同じく、水は無料の天然資源だった。

今や、水が商品として取り扱われ、大きな産業となっている。

それだけ私たちの生きる環境が劣化してきている証拠だ。

グローバル化すればやがて環境は劣化し社会は崩壊する、という命題は真なのかもしれない。

巨大なエネルギーが地球の各所に貯まり、やがて放出されるときを待っている。

適宜、ガス抜きをしてやるローカルなシステムをどうやって構築するかが鍵となる気がする。

グローバル対ローカル、大きな命題だ。
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どうする(96)

2015-03-24 10:56:21 | ButsuButsu


「吾唯足るを知る」

石庭で有名な龍安寺の手水に刻まれた文言である

Content is the philosopher's stone, that turns all it touches into gold

今、世界の為政者はこの言葉を忘れているような気がする
国威を発揚し 国益を求めるから 主張するし 
主張するから 他を排除しようとする
そのために 多くの人口を必要とし
資源やエネルギー 食料や水が必要となる
足るを知るとは何か

「老子」第33条に以下の記述がある

知人者智 自知者明
勝人者力 自勝者強
知足者富 強行者志有
不失其所者久 死而不亡者寿

人を知る者を智といい 自らを知る者を明という
人に勝つ者を力といい 自らに勝つ者を強という
足るを知る者を富といい 強を行う者を志という
この所を見失わない者を久といい
死んでも亡びない者を寿という

と言うような意味だろうか

翻って我が国を見るに
原子力発電所にしても
集団的自衛権にしても
足るを知らないものの所作としか思えない
貪欲に求めるために解釈を曲げ
幼児がごとく我を通すことは
足るを知るものの大義とは言えない

独善の下に多くの民が困窮していることを忘れてはならない
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どうする(95)

2015-03-23 17:13:21 | ButsuButsu


新幹線の中で、たった一つしかない席をご存知だろうか。

11号車11番C 席である。

最後尾の席でもないのに、後ろに座席のないユニークな席である。

私はこの席が気に入っており、空いていれば予約するようにしている。

特に夜遅く帰るときは、後ろの座席を気にすることなくリクライニングを倒せるので、爆睡するのに向いている。

新幹線「のぞみ」の数ある席の中で一番早く予約で埋まるのは、最後尾列の窓際AとEだ。

確認してみたらよいが、ほとんどの車両でこれらの席が予約済であることが多い。

また、昼間の席で早く埋まるのは、各車両のE席である。

理由はそう、富士山が見えるからである。

もちろん天候にもよるが、富士山が垣間見えるとなんだかその日はやる気が出てくる。

それ以外に、窓際の席では100Vの電源が取れることも要因のひとつだろう。

最近、京都-東京間を頻繁に往復するようになってから、何気なくこんなことを観察している。

新幹線は、台湾にも輸出されている。

台北と高雄を結ぶ、台湾高速鉄道だ。

数年前にIWAのワークショップに招聘されたときに一度だけ乗車した。

日本の新幹線と同じだが、なんだか御伽噺の国の電車のような気がするのはなぜだろうか。

なんだかシンプルな感じだ。

2014年には、湖北省武漢市と広東省広州市を結ぶ武広旅客専用線(中国版新幹線)に乗った。

これは2009年に開通し、最高速度 350 km/hで走行するCRH2型車両を利用している。

私の乗車区間は、武漢から荊州の間だ。

2011年の事故のことも少し気になったが、全体的には快適だった。

中国は自国製と言っているが、実際には日本の新幹線がベースとなっている。

わが国の新幹線は、10倍以上の安全率を基に運行されている。

1964年の開業以来、50年以上も無事故で走り続けていることに深い感銘を受ける。

すごい。
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どうする(94)

2015-03-20 15:21:44 | ButsuButsu


春になると思い出す人がいる。

「皆さんにぜひユキツバキの花を見ていただきたい」

熱心に語っていたのは森林生態学者の浜端悦治さんだ。

2014年5月3日に

淀川源流域の春を楽しむ

---ブナの若葉、満開のユキツバキを訪ねて---

と銘打って見学会を催した。

病身にムチ打って案内役をかって出てくれた浜端さんは、今は帰らぬ人となった。

認定NPO法人びわ湖トラストでは、浜端さんの遺志を継いで、今年もユキツバキの見学会を行う。

案内してくれるのは浜端さんの同僚だった滋賀県立大学の野間さんだ。

「多くの人に見てもらって、何とかこの自然を守りたい」

それが浜端さんの最期の希望だった。

今年は4月29日に開催する。

参加を希望する人は、びわ湖トラストのホームページから申し込んで欲しい。

http://www.biwako-trust.com/

募集人数はとても少ないので、メンバーに入れなかった場合はごめんなさい。

日々暖かくなり、野山は確実に春を迎えつつある。
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どうする(93)

2015-03-19 09:56:20 | ButsuButsu


筒井康隆は、1934年生まれだ。

ということは、80歳に近い。

小松左京、星新一らと並んでSF御三家と言われていたそうだが、今ではただひとり存命中だ。

「旅のラゴス」は1994年の作品だから、彼が60歳の時のものだ。

やっとパソコンが私たちとフレンドリーになり始めた頃だ。

それにしては、アイデアと精神の若さが溢れているよい作品だ。

一人で旅をする男、ラゴス。

奴隷になったり、王様になったり、教授になったりと、波乱万丈の人生を送るのだが、そこに祖先の宇宙船や空間転移とかが登場し、SFの妙味がうまく散りばめられている。

しかも、この本には、終わりがない。

オチがないのだ。

そこには、還暦を迎えた筒井康隆の、貪欲なまでの情念が見え隠れする。

彼がラゴスの口を借りて語る言葉は、案外、筒井自身の心を代弁しているのかもしれない。

***

わたしは、そもそもがひとっ処にとどまっていられる人間ではなかった。

だから旅を続けた。

それ故にこそいろんな経験を重ねた。

旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない。

たとえ死であってもだ。

人生と同じようにね。

***

生きるということは、それ自体にはそんなに意味は持たない。

人は、生を得、恋をし、競争をし、そして死を迎える。

集団の中には、私の代わりをする人は多くいるのだろう。

ただ、個々の人生はその人のドラマであり、代替え性のあるものではない。

そのことを一冊の本にまとめ、語りものとする。

そこでは、空も飛べるし、壁さえくぐり抜けれる。

精神の自由さが、人間の超能力を可能にする。

小松左京ほど現実的ではなく、星新一ほどの軽いノリではなく、筒井康隆らしいファンタジーの世界に触れた気がする。
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どうする(92)

2015-03-18 14:31:14 | ButsuButsu


今朝、新幹線で東京へ赴く。

途中、伊吹山を仰ぐ。

襟に巻いたような雲から顔を出す雪化粧は、珍しい。

藤原実方の短歌に

  かくとだに えやは伊吹の さしも草 
    
  さしも知らじな 燃ゆる思ひを

  『後拾遺集』

と歌われ、古事記や日本書紀にもその名が出てくる名山だが、

不思議と万葉集には歌われていない。

理由は分からないが、この日発見した艶かしい山容だ。

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どうする(91)

2015-03-17 13:59:37 | ButsuButsu


今朝の琵琶湖はさわやかだった。

穏やかな日差しの中で、怠け者のカモたちが惰眠を貪っている。

 春眠暁を覚えず

というのはカモにも言えるのだろうか。

3月から4月、そして5月へと、春の移ろいは、この国のもっとも美しい情景のひとつだ。

 倭(やまと)は国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる(やまごもれる) 倭しうるはし

美しい場所 まほろば と言えるのだろう。

青空の下の琵琶湖には、白い船がよく似合う。

はっけん号も、今日は、輝いていた。



この船を壊させてはならない。

そう思うと、余計に青と白のコントラストが、目に染みた。
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どうする(90)

2015-03-15 15:33:51 | ButsuButsu


これは火星に取り残された男の物語である。

題名を「火星の人(The Martian)」という。

主人公は、マーク・ワトニーという。

この本は最後までなかなかよく書かれている。

***(本から)

ぼくは笑える出来事の連続であやうく死にそうになり、もっと笑える出来事の連続で生き残ることができた。


ぼくは火星に取り残されてしまった。

宇宙船〈ヘルメス〉とも地球とも通信する手段はない。

みんな、ぼくが死んだものだと思っている。

そしてぼくは31日間だけ持つように設計されたハブのなかにいる。


「マーク、きみは、ずるくて、賢くて、とんでもないやつだな!」


***

こうして彼のサバイバル作戦が開始される。

何と、火星滞在6日目から549日目まで、543日ほど火星に一人で生存し、ついに地球に生還する。

襲い掛かる困難に決して負けないだけでなく、あらゆる知識を駆使して過酷な環境に生き残るのがすごい。

だが、もっと感心したのは、翻訳者の腕前だ。

小野田和子さんという。

こんな素敵な翻訳をする人を、最近は見たことがない。

ネットで調べてみたら、1951年生まれだという。

おっと、私と同じ年齢だ。

世の中には、すごい人もいるものだ。

原作者も翻訳者もすごい。

久しぶりに楽しんだSFだ。

お勧めする。
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どうする(89)

2015-03-15 01:42:08 | ButsuButsu


もう20年近くも前のことだ。

初めてモンゴルへ行き、病みつきになった。

それから、ガンバ君を日本に呼んだ。

彼はフブスグル湖のほとりにあるハトガル村にすんでいる。

独学で英語を学び、ツアーガイドをしてお金を稼いでいた。

明るくて、いつもニコニコ笑っている。

機械や電気が大好きで、何でも直してしまう人気者だ。

次に、日本に呼んだのが、ハドバータル君だ。



ツァガンノール村出身の彼は、旧ソ連連邦にある漁業大学に留学していた。

その時にソ連が崩壊し、大学を続けることができなくなり、モンゴルへ帰ってきた。

結局、滋賀県立大学の大学院に入学し、修士の学位を取得して帰国した。

日本語と、ロシア語と、モンゴル語が話せる。

その次に、ジャミー君(ガンバ君の弟)とグンベ君を呼んだ。



こうして合計4名の、モンゴルの若者が日本の地で学んだ。

当時の私の研究所は、まるで相撲部屋のようだった。

今では、それぞれがモンゴルで頑張って活躍している。

火傷をしたオソホー君が来日すれば、5人目となる。

不思議な縁だなと思う。

***

早速のご寄付ありがとうございました。

今、20,000円集まりました。

目標まで、1,980,000円です。
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