DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

湖の鎮魂歌(91)

2013-10-31 19:57:52 | ButsuButsu


さて、びわ湖の話である。

阪神大震災以降、国土地理院は日本中にGPSによる測位システムを構築した。

おかげでいろいろ面白いことが分かってきた。

びわ湖の周辺にもいくつかの観測点がある。

2001年から2012年の11年間分のデータを解析してみた。

朽木の測点は、11年間で23.23cm東南へ移動していた。

彦根の測点は、20.64cm東南へ移動していた。

朽木が彦根を追いかけている。

まるでアキレスと亀の話のようだ。

****

あるところにアキレスと亀がいて、2人は徒競走をすることとなった。

しかしアキレスの方が足が速いのは明らかなので亀がハンディキャップをもらって、いくらか進んだ地点(地点Aとする)からスタートすることとなった。

スタート後、アキレスが地点Aに達した時には、亀はアキレスがそこに達するまでの時間分だけ先に進んでいる(地点B)。

アキレスが今度は地点Bに達したときには、亀はまたその時間分だけ先へ進む(地点C)。

同様にアキレスが地点Cの時には、亀はさらにその先にいることになる。

この考えはいくらでも続けることができ、結果、いつまでたってもアキレスは亀に追いつけない。

これはゼノンのパラドックスの中でも最もよく知られたものの一つである。

****

さて、朽木と彦根の距離は、毎年約3mmの速さで小さくなってきている。

マキノと虎姫の距離は年間0.85mm縮んだ。

大津と野洲の距離は年間1.83mm縮んだ。

こうして琵琶湖は少しずつ縮んでいる。

しかし、縮み方は均一ではない。

今のびわ湖の形もこのような近くの移動の結果なのだ。

確かに朽木は彦根に追いつくことはない。

もし追いつくときがあるとすれば、びわ湖はなくなっているだろう。
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10月30日(水)のつぶやき

2013-10-31 04:52:16 | 物語
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湖の鎮魂歌(90)

2013-10-30 21:22:47 | ButsuButsu


台風が過ぎると、青空が広がった。

もっともな話だが、不思議だなとも思う。

雨が降り、風が吹くと、空気はきれいになる。

そう、地球はもともときれいだったのだ。

今朝も、大学まで歩いていく。

職人さんが街路樹を剪定している。

彼らもこの青空を待っていたのだろう。

冬に備えて、街路の木々は丸裸になっていく。

春まで少しの時間お別れだ。

剪定された木だけを見ていると、何の木だかわからない。



葉っぱや花があるから、植物の見分けはつきやすい。

よく見ると、結構面白い形の葉をしている。



左右に3個ずつ、合計6個の分かれ目がある。

ユリの木かな。

車に乗っているときには気がつかなかったことが見えてくる。

世界のあちこちへ行ったが、山の木々が美しいのは日本が一番だ。

*****

大和には 群山あれど とりよろふ
   
   天の香具山 登り立ち 国見をすれば

   国原は煙(けぶり)立ち立つ 海原は

   かまめ立ち立つ うまし国そ あきづ島  

   大和の国は

*****

美しい島だ。。。トンボが飛ぶ。。。大和の国は

私たちは、もっと自信を持ってよいのではないだろうか。

その国の海が、放射性物質で汚染されることに、私は大きな違和感を持つ。
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10月29日(火)のつぶやき

2013-10-30 04:54:01 | 物語
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湖の鎮魂歌(89)

2013-10-29 22:22:48 | ButsuButsu


どうもまだよく理解されていない気がする。

なぜ自律型水中ロボット淡探を作ったのか。

1993年に湖中探査先端技術化計画を立ち上げたとき、ケーブルつきの水中ロボットを購入した。

これはRTVまたはROVと呼ばれるロボットに属する。

ケーブルがついているので、リアルタイムで水中の様子をモニターできる。

電気も船上から供給するので、ロボット自体の重量を軽くすることが出来る。

ただ、ケーブルつきのロボットには決定的な欠点がある。

ケーブルの長さ分しか移動できないことと、人間が操作するので客観性にかけることだ。

下手なオペレーターが操作すると、湖底の泥を巻き上げてしまう。

可能な限り湖底をかく乱しないで画像を得たい、という目的で淡探を作った。

自律型水中ロボット(AUV)は、ケーブルつき水中ロボットの進化形なのだ。

2000年に進水した淡探は、ハードもソフトもすべて一から開発を行った。

そのためどうしても高額となった。

今、市販の自律型水中ロボットは10分の1くらいの価格となっている。

それでも、淡探にしか出来ない能力がある。

湖底から一定の高さを保持して潜行しながら映像が撮れることだ。

アメリカ製の水中ロボットは、超音波探査を主体としているので映像は撮れない。

淡探のカメラはハイビジョン対応なので、解像度も高い。

中途半端な理解で間違った説明をする人がいるが、後で恥をかくから止めたほうがよいと思う。

あとで困ることになる。

ロボットというのは、対象とするミッションにあったことしか出来ないのだ。

RTVはあくまでRTVであり、AUVの代わりはできないのだ。
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10月28日(月)のつぶやき

2013-10-29 04:52:13 | 物語
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湖の鎮魂歌(88)

2013-10-28 14:43:16 | ButsuButsu


アントニ・ガウディという建築家をご存じだろう。

バルセロナに住み、ユニークな建築物やモニュメントを残した。

もっとも有名なのは、サクラダファミリア(聖家族)という教会だろう。

いまだに完成しないこの建物は、2026年に完成予定だという。

私はこの建物が好きで、バルセロナに行くたびに訪れている。

完成まで生きていて旅をすることが可能ならば、ぜひ再訪したいと思っている。



ガウディが残した言葉で興味深いのは

「オリジナリティというのは、その物の起源に戻ること」

「そして、美とは真理の輝きだ」

というフレーズだ。

この発言は、とても興味深い。

私たち研究者は、いつもオリジナリティを求められる。

日本語で書くと独創性となり、これではその人が独自に考え出したアイデアということになる。

ガウディは違うという。

自然には本来固有の美しさと調和があり、それを引き出すところにオリジナリティがあると言っているのだ。

このことを真剣に考えた人が何人いるのだろうか。

これは、主観と客観くらいの大きな違いがある。

主観は、時として独善を引き起こす。

対象物を客観的に捉えてそこから物事の本質を引き出す。

含蓄のある言葉だと思う。

久しぶりに忘れていた事を思い出した。
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10月27日(日)のつぶやき

2013-10-28 04:57:42 | 物語
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大丈夫か(31)

2013-10-27 23:11:26 | ButsuButsu


海外から福島に関するメールが飛び込んできた。

林さんという現地労働者の内部告発だ。

ロイターが配信しているらしい。

Radiation, desperation and gangsters: Inside the hidden tragedy of Fukushima

放射能、絶望、やくざ:福島の隠された悲劇の内幕

という、なんとも驚くようなタイトルだ。

長文なのでそのうちに翻訳しようと思っているが、英文でもよければ以下のサイトを見て欲しい。

http://www.theglobeandmail.com/news/world/radiation-desperation-and-gangsters-inside-the-hidden-tragedy-of-fukushima/article15083978/

問題は、日本でわれわれが知る以上の情報が、海外でかなり早い段階で飛び交っていることだ。

• Japan’s Fukushima coast rocked by 7.3-magniture earthquake
• Six workers splashed with contaminated water in Japanese nuclear cleanup
• Japanese leader’s promise to IOC that Fukushima leaks ‘under control’ sparks criticism at home

このような内容の記事も紹介されている。

福島は、次第に、どうしようもなくなってきているのかもしれない。

世界中に漏れている情報を、覆い隠すことはもはや出来ないだろう。

海外の友人からは、「大丈夫か」という問い合わせが相次ぐ。

この国を、この水を、この海を、誰が責任を持って管理していくのだろうか。

アメリカの友人は、放射性物質の処理を専門に取り扱う米国企業に頼もうか、と言ってきている。

日本企業はすでに信頼されなくなってきている。

政府もいよいよ腹を決めるときが来ているのかもしれない。
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10月26日(土)のつぶやき

2013-10-27 04:59:36 | 物語
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湖の鎮魂歌(87)

2013-10-26 16:50:18 | ButsuButsu


毎年10月になると研究者は忙しくなる。

来年度助成金の締め切りがあるからだ。

私は9月末にモンゴルへの報告書を英文で書き終えた。

10月になると科研費とSATREPSの申請書作成に明け暮れた。

特にSATREPSの締め切りが去年より1ヶ月も早くなったので大変だった。

JSTの公募は70%が出来レースに近いので、地方から応募する分は採択の確率が低い。

その点、科研費は比較的公平な感じがする。

私も審査員をしたことがあるのでよくわかる。

ただ助成金額が高い申請は、学術会議などの大物がとり易い傾向がどうしてもある。

申請書の中身は完成させるのに数週間かかるといえば分かってもらえるだろう。

書かなければならない書類は膨大で複雑だ。

研究者に対する嫌がらせではないかと、時には疑いたくなる事項もある。

ただ一番辛いのは、申請書が完成した後のアップロードの段階だ。

まず応募の画面にたどり着くのがひと苦労だ。

毎年、画面を変更しているようで、ちょっと見ても良く分からない。

30分くらいいろいろ試みて、やっとわかった。

その後、入力する事項が結構多い。

入力ミスがあると前に進めないので、時間がないときにはイライラしてくる。

電子システムは便利だが、毎回変更されることが多いので、毎回イライラが募る。

もう少し何とかならないのだろうか。

今年の申請分はやっと完了した。

これでやっと先延ばした論文と原稿の執筆にとりかかれる。

研究者の楽しくない風物詩である。
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10月25日(金)のつぶやき

2013-10-26 04:52:36 | 物語
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大丈夫か(30)

2013-10-25 19:32:48 | ButsuButsu


13年間乗ったプリウスを修理に出した。

ディーラーには買い替えを勧められるのだが、愛着があって直すことにした。

初期モデルの改良版だが、今でもよく走る。

一度も電池を交換していないのが自慢だ。

きちんとメンテをしてもらうので少し時間がかかるようだ。

その間、歩いて大学へ通っている。

片道5kmほどで、往復10kmになる。

車で5分くらいだが、これを40分くらいで歩いている。

運動にはよい距離だ。

歩くことによって、普段わからない自然の変化を知ることが出来る。

健康にもいい。

どんなに頑健なものでも、時間がたつと劣化する。

車も人間もいつかは壊れる。

メンテしながらゆっくり使うことが大切だ。

焦ってもしかたない。

そう思いはじめたこの頃だ。

部品交換を済ませたプリウスが帰ってくるのが楽しみだ。

それまでに私の体もシェイプアップしておこう。
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10月24日(木)のつぶやき

2013-10-25 04:54:45 | 物語
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湖の鎮魂歌(86)

2013-10-24 21:33:22 | ButsuButsu


大学のイチョウの葉も

黄色く色づき

夏から秋へ

秋から冬へ

季節はしっかりと変わろうとしている

紅葉が

赤く染まるのは

もう少し先だろうか

丘の上にたつ

大学のキャンパスは

自然とのふれあいの中に

少しずつ

少しずつ

装いを新たにしていく

秋は嫌いだな

すべてが死に絶えていくようで

そんな思いを

何回繰り返してきたことだろう

私たちが

秋の深さを知るのは

その先に冬があり

やがて春の息吹が聞こえてくることを

約束されていると思っているからで

そうでなければ

すべてがグレーで

つらすぎるだろう
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