DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

どうする(69)

2015-01-28 00:09:22 | ButsuButsu


1936年2月26日に、大日本帝国陸軍内の派閥の一つである皇道派の影響を受けた一部青年将校らは、「昭和維新・尊皇討奸」をスローガンにクーデターを起こした。

彼らは元老重臣を殺害すれば、天皇親政が実現し、政治腐敗がなくなり農村の困窮が収束すると考えていた。

いわゆる2.26事件だ。

軍首脳は、当初反乱を是認する態度で、義軍として認めようとした。

しかし、川島陸相からこの報告を受けた天皇が激怒し、「朕自ら鎮定に当たらん」と言い出した。

このことによって、義軍は反乱軍となってしまった。

結果、民間人も含めた首謀者17名が銃殺刑となった。

その一人、磯部浅一は獄中で次のような遺書をしたためたそうだ。

「殺されてたまるか、死ぬるものか。千万発撃つも死せじ、断じて死せじ。悪鬼となって所信を貫徹するのだ。全幕僚を虐殺して復讐したい。。。。。。朕は知らぬと仰せられてはなりません。かりにも15名の将校を銃殺するのでありますぞ。何という御失政でありましょう。かくのごとき不明をおかされあそばすと、神々のお怒りにふれますぞ。いかに陛下でも、神の道をお踏みちがえあそばすと、ご皇運の涯てることもござります」

勝てば官軍、負けら賊軍ということなのだろう。

こうして歴史はいつも繰り返している。

さっきイスラム国から後藤さんに関する最後のメッセージが届いた。

24時間以内に捕虜の交換が実現しなければ、後藤さんとヨルダンのパイロットを殺すというものだ。

しかし、少しおかしいなと思う。

これまでの要求は、後藤さんとヨルダンにつかまっているテロリストとの交換だった。

そこに、パイロットまで含まれることになったのは、ヨルダンとイスラム国との合意が内々にまとまったということを示しているのかもしれない。

穿った見方かもしれないが、おそらくヨルダンは決断をしたのだろう。

だとすると、後藤さんは助かるのも近い。

そうあって欲しいものだ。

テロは良くないが、逆の立場からみれば復讐ともいえる。

そんなことの繰り返しを別の形で解決する知恵がないものだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(68)

2015-01-21 09:39:18 | ButsuButsu


いよいよ相手にしてはならない世界に巻き込まれた気がする。

先日、フランス人と話した。

聖書とコーランの戦いが本格化する中で、「日本は安全でいいね」と言っていた。

それが大きく変わる可能性が出てきた。

良かれと思ってすることが、時には大やけどをすることがある。

仕方ないこととはいえ、人質が殺されるのを傍観するわけにはいかないだろう。

そう言えば、1977年日本赤軍によるダッカでの日航機ハイジャック事件があった。

犯行グループが高額の身代金と日本で服役中の過激派や爆弾魔などを解放するよう要求した。

その時の福田赳夫首相が言った言葉に、『人の命は地球より重い』ということがあった。

結局、政府は犯人の要求を聞くのだが、今回はどうするのだろうか。

どちらに転んでも、良い方向に向かうとは思われなない。

国家と国民が試されているのかもしれない。

「貴様は果断に欠くる」と言われるのか。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(67)

2015-01-20 15:37:16 | ButsuButsu


Multibeam Echo Sounderという器械を用いて、ベントの位置を正確に調べることができた。

図中の、黒い場所がそうだ。

濃い青の場所は琵琶湖の最深部で104mほどの深さである。

赤色の場所は急に浅くなっている場所で、水深は25m弱である。

ベント孔は、水中山のふもとに散らばっている。

特に、東西の斜面に多い。

少しずつ、琵琶湖のベールが取り除かれていく。

面白いなと思って解析を行っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(66)

2015-01-17 23:35:07 | ButsuButsu


日本の周辺には、渦がたくさんある。

渦のエネルギーを使う発電は、魅力的な挑戦だ。

地衡力発電と呼ぼう。

基本的なコンセプトは、地球の自転による地衡力を利用する点である。

これは、圧力勾配と直交した水の流れの利用である。

したがって、流れの運動エネルギーを利用しても圧力勾配は保存されるので、地衡流全体に影響を与える可能性が少ない。

このことは、台風が被害を及ぼしても減衰しにくい構造からも理解できる。

さらに、圧力勾配を与えるのが太陽エネルギーなので、枯渇する可能性が少ない。

また、地球温暖化はより大きな渦エネルギーを作り出すことが予想されるので、温暖化の緩和に貢献する可能性が高い。

琵琶湖クラスの地衡力発電所の建設は大掛かりなものとなるが、いったん作動すれば極めて安全で、二酸化炭素や廃棄物を一切排出しないので、未来における究極のエネルギー源となる可能性が高い。

地衡力を用いた発電は、これまで全く利用されてこなかった貯留型のエネルギー利用である。

琵琶湖を事例にとれば、その運動エネルギーは膨大なものがある(3140万KW)。

しかるべき開発を行えば、これから実用的なエネルギーを取り出すことは、十分に可能である。

そのために、数値実験・室内実験・現地実験の異なった手法を用いて検証を行う。

実用化に向けては今後いくつかのハードルを越える必要があるが、十分な人材と設備を投資すれば可能である。

開発成功時にはクリーンなイメージを前面に展開できるので、国際的かつ政策的インパクトは大きい。

湖沼や海洋・大陸などへの適用が可能になれば、海外への技術輸出にもつながる可能性がある。



コリオリ力は緯度が高いほど大きいが、日射量は赤道近くが大きい。

したがって、地衡力発電には日本付近が向いている。

水力・火力・原子力につづく第4の巨大エネルギー源の誕生だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(65)

2015-01-15 18:27:46 | ButsuButsu


東京に来て驚くのは、蕎麦汁の濃さである。

ほとんど麺が見えないくらい黒い。

見事なものだ。

そして全体に味が濃い。

濃口醤油の特徴がよく現れている。

が、関西人は思わず身を引いてしまう。

どうしようかと思いながら、それでも箸をつけてみる。

なんとなく病みつきになる味だ。

武蔵境にある蕎麦屋は、江戸時代から続く老舗で、結構客が多い。

絶えることなく人がくる。

おそらく100年以上、この味を守っているのだろう。

お見事、と言いたくなる。

塩辛いので二晩続けては行かない。

血圧が上がりそうになるからだ。

そして、時々、思い出したように出かける。

蕎麦は、その土地ごとの特徴があって面白い。

ここの蕎麦は、確かに江戸前の蕎麦だ。

そう感心する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(64)

2015-01-14 18:18:31 | ButsuButsu


La déci-sion rapide manques.

貴様は果断に欠くる

・・・・・・・・・・

このフランス語は、浅田次郎の「赤猫異聞」の中に出てくる。

明治の時代に、フランスの士官学校へ留学した徳川の残党、岩瀬七之丞が教官からこう言って叱られる。

岩瀬は思う。

・・・・・・・・・・

積極にして果断、迅速にして果断。

軍人の心得であります。

時には拙速を尊ぶのであります。

そんなことは百も承知ですから、まさか腕を組み首をかしげて考え込みはしません。

しかし教官に言わせれば、「決心した後も物を考えている」らしいのです。

長いこと外敵と戦争をしたことのない日本人は、それくらい呑気にみえたのでありましょう。

外国との戦争は300年近くも前の朝鮮出兵、その前はまた300年さかのぼって蒙古襲来、ヨーロッパにはそんな平和な時代など、あるはずもなかったのです。

だからフランス人の教官の目には、日本人の将校がみな果断に欠くると映った。

・・・・・・・・・・

こうして、岩瀬は、おのれの本性は、やはり果断に欠くるのではないかと疑うのです。

考えてみるに、私もまた、果断に欠けている気がします。

決断しても、本当にこれでよいのか、自分で迷い、悩みます。

「どうする」

そう問いかけ、やろうと決めても、なお踏み出せない自分を鏡に映したような話です。

ここのところが、西欧の人々と、日本人の気質の違いなのでしょう。

やはり、日本人は心根まで残酷にはなれないのです。

そのことを浅田次郎は、この本の中で描いています。

甘い民族なのかもしれません。

しかし、それはそれでよいのかもしれません。

私は果断に欠くる。

胸を張って答えられる世界が来て欲しいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(63)

2015-01-08 12:29:21 | ButsuButsu


私が初めてスコットランドを訪れたのは、1981年の4月だった。

イースター休暇に合わせて、3人の友人たちと1週間のドライブ旅行を企画したのだ。

当時、私はまだ29歳だった。

イギリスの南端、サウサンプトン大学海洋学部にいた私は、生まれて初めてこの地でレンタカーを借りた。

こうして日本やフランスからやってきた友人たちとともに、勇んで出発した。

北へ、北へ、北へと。

新車だったレンタカーは快調に走り、私たちはとても満足だった。

ウエールズの首都カーディフの城壁を訪ね、オックスフォード、ストラスフォード・アポン・エイボンなどを見学して、やがてスコットランドの首都エジンバラに到着した。

さらに、この地からインバネスを経て、ネス湖へ向かう。

その途上、ふと道の脇にたつ標識に目がいった。

「スコッチウィスキーのテイスティングできます」

何気ない誘い文句に、思わずハンドルを切り、そのまま吸い寄せられるように小道を走る。

突き当たりに、小さな小屋があった。

扉を開けると、売店があった。

そこには見たこともないボトルに入ったスコッチウィスキーが売られていた。

初めて、シングルモルトウィスキーと出会った瞬間だった。

その売店の先に、小さなドアがあり、控えめな看板がかけられていた。

「シングルモルトのテイスティング、1ポンドで4杯飲めます」

当然のようにドアを開け、中に入って驚いた。

棚いっぱいに並んだボトルの数。

おそらく100種類はあっただろう。

「1ポンド払えばどれを飲んでもいいです。どれにしますか」

バーテンダーの問いかけに、答える言葉もなかった。

どれも知らない名前だったから。

「おすすめをください」

まだ飲酒運転がうるさくない時代だった。

4オンスのシングルモルトの味は、私の心の中に灯りをつけるのに十分な量だった。

いま、朝ドラで、「Massan」が放映されている。

「なつかしい人々 なつかしい風景」という中島みゆきの歌にあるような素朴な出会いだった。

http://www.sankei.com/special/massan/index.html

あれから、35年の歳月が経つ。

その間、スコットランドを3回ほど訪問した。

毎回、このスコッチバーを訪ねるのだが、行き着いたことがない。

もうなくなったのかもしれない。

時代は変わって、日本でも多くのシングルモルトが飲めるようになった。

その一方で、スコットランドの片田舎で幻のように登場したこの店の懐かしい思い出。

年をとった私の定かでない記憶の中に、埋もれていくのだろう。

もしも、そしてまだ営業しているのなら、もう一度訪れてみたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(62)

2015-01-05 17:52:32 | ButsuButsu


2015年の新年早々に、国際陸水学会(SIL)事務局長のTamar Zoharyさんからメールが飛び込んできました(http://www.limnology.org/news/index.shtml)。

内容は、中国香港ニカラグア運河開発投資有限公司(HKND)が、ニカラグア政府と共同で、太平洋と大西洋を結ぶ中米2番目の運河の建設に取り掛かったというものです。

面積が琵琶湖の約12倍、平均水深が約13mあると言われるニカラグア湖を横断する大洋間運河の建設は、この湖の生態系を大きく変化させるだけでなく、この国の政治・経済・生活・文化を大きく変えることになると思われます。

個人的な立場から言えば、陸水学者としては反対すべきだと思いますし、実際にそのように対応しようと考えています。

しかし、少し陸水学から離れて考えた時に、なぜ中国資本がこの地に運河を開こうとしているのかが気になるところです。

最も大きな理由は、南シナ海有事の際の燃料輸送航路の確保だと思われます。

夏季には北極航路も使えるようになっていますが、年中利用が可能とは言えません。

中国にとって、燃料の安定確保は目下のところ最優先の課題なのでしょう。

ではアメリカ政府はどのような対応を考えているのでしょうか。

冷戦時代であれば、中国が資本投下した運河を中米に作らせることはなかったでしょう。

キューバとの国交を回復しようとするアメリカの隙を突く巧みな戦略なのかもしれません。

逆に言えば、この運河ができれば、中国は南シナ海への進出をより積極的に展開するのかもしれません。

いずれにしても、陸水学を志す私たちの周りが、次第にきな臭くなってきていることは確かです。

水の問題が経済発展と密接な関係を持つようになれば、それぞれの場面で意見を求められるのは必定であり、専門家としてそのような場面から逃げ出すわけにはいかないからです。

今回の声明文の中で強調されているのは、「工事を開始する前に環境アセスメントをきちんと実施して、内容を吟味し、結果を公表しなさい。ニカラグア政府は、十分な研究が実施され、公的な議論が終了するまで、工事を中止しなさい」というものです。

このような大規模工事は、往々にして大きな利権を生み出します。

地球の反対側で起ころうとしている環境破壊が、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのかは明らかではありませんが、一部の人間たちの利権で、豊かな自然が失われていくのは残念なことです。

そのようなことにならないように、少しおせっかいかもしれませんが、私たちも中米最大の湖に関心を持ってみませんか。

良心的な人々の介入は、時には紛争の緊張を緩和する効果もあるのかもしれません。

小さな元気玉でも、集まれば大きな元気玉になるはずです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうする(61)

2015-01-02 09:41:00 | ButsuButsu


元旦の午後から降り続いた雪が、野山に綿帽子をかぶせた。

岐阜から帰宅した娘の車にも、30cmほど積もっている。

久しぶりのホワイトニューイヤーとなった。

謹賀新年。

いよいよ2015年のスタートだ。

この年は、いくつかの大きな変換点を示唆している。

ひとつは、ホンダがいよいよ燃料電池車を発売する年がきたということだ。

2005年に、私たちがびわ湖で水電解を始めた時、10年早いと言われた。

その理由が、燃料電池の開発とインフラの整備が不十分だったことだ。

トヨタが先行して「未来」を発売したことによって、ホンダはやりやすくなったのではないか。

当時調査した感じでは、技術的にはホンダの方が進んでいた気がする。

おそらく、ホンダが価格競争に勝つだろう。

満を持していた、新しい車社会がやってくる。

いずれにしても、びわ湖の水の価値が高くなる方向で展開すればよいと思う。

そうしなければ、きれいごとだけでは、この湖を守ることはできない。

ふたつ目は、中国の人口年齢構成が逆転することだ。

この年を境に、中国は高齢化社会となる。

このことは、生産力の低下と消費の持続的な低下を引き起こし、やがて経済的な失速につながる。

年末に、中国の経済人からこんなメールが来た。

「今、汚染問題に困ってる中国にとって、環境問題の解決が急がなければなりません状態です。実は、最近、先生たちとの連携をしてほしい話を沢山ありました。」

中国の社会が他国へ助けを求めるのは、よほど困っているのだろう。

成熟した安定社会をどうやって中国に作ることができるのか、注目したい。

最後に、今年は、自分にとって大切な一年だということだ。

日本という枠組みの中では、もうどうしようもない時代になっている。

私は、今年、アメリカおよび中国との共同研究開発を個別に開始する。

嫌でも、この2国と協調していくしか、我が国の未来はないと思っている。

そしてその結果が結実するのに、再び10年の歳月が必要だ。

それまで頑張れるのだろうか。

子供たちの未来のために、もう一仕事をやる、最後の段階に来ている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする