期待していったレストランでうまくない食事を出された時ほど、がっかりするものはない。
今日の会議も、そんな気持ちだった。
いたたまれなくなって、会議が終わったら、そうそうに部屋を後にした。
私は一体何を期待していたのだろうか。
夢のようなものがある。
今から40数年前、期待に胸をときめかして、京都大学理学部の門をくぐった。
あの時には、地球物理学、中でも海洋物理学をやりたいと本気で思っていた。
それが結局、海が湖となり、琵琶湖の研究に明け暮れてしまったが、それなりに面白かったと思っている。
少なくとも、最初の20年間はそうだった。
残りの10年間は、モヤモヤした気持ちだった。
それは官僚が研究に口を挟むようになってからだった。
彼らは、面白いことをつまらなくする天才だ。
中期計画を作り、それに従って研究をしなさい。
そういうことを、強要し始める。
紙と弁舌でもって、自然を埋め尽くせると思っている。
そうなのだろう。
ビルの中には自然がないのだから。
この世の中は、いつからこんなに面白くなくなったのだろうか。
中期計画に従って、地震が起き、火山が噴火し、豪雨が襲ってくるわけでもあるまい。
今、人類はサバイバルの時代を迎えている。
そんな中で、この人々の議論には閉口する。
もっと好奇心を持って自然に対峙したいものだ。