2015年1月31日 京都三日目 最終日
一応、今回の旅の目的である「都七福神巡り」も無事満願となり、昨日の午後は「琳派」や「長谷川等伯」などの美術品を寺宝とするお寺さんを訪ねた。
京都の旅最終日の今日は、冬の特別公開の世界遺産を巡る。
まずは、式年遷宮の工事を行っている「下鴨神社」「上賀茂神社」を訪ねる。
9:08 京阪本線で「出町柳駅」に到着。
地上に出たら吹雪になっていた。傘を出すかどうか悩んだが、すぐ晴れると判断して歩きだす。
≪下鴨神社 糺の森≫
「糺の森」をトボトボ歩いて下鴨神社本殿に向かう。雪は止んで日が差してきた。
≪下鴨神社 正式名称:賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)≫
9:30 下鴨神社本殿前に到着。
式年遷宮の工事の影響で、仮の拝殿でお参り。
9:50 下鴨神社の脇に出て、ここからはウオーキングで上賀茂神社に向かう。
念のため、近所の若い奥さんに「上賀茂神社」に行く道を聞いたら、「えっ、こっから歩いて行かはるんでっか・・・?」と驚かれたが、教えてもらった賀茂川(鴨川)河川敷の道を北上する。
≪賀茂川≫
時折、川上の方から吹雪が吹き付ける荒天の中を、クジケルことなくヒタスラ北上する。
河川敷の遊歩道は、散歩やジョギングの人たち、さらには本格的なアスリート風の人など行きかっていて、京都のマラソン熱が伝わってくる。
負けずに必死に歩いていたら、どうも上賀茂神社を大幅に行きすぎてしまったらしい。吹雪で頭を下げて歩いているうちに、標識を見逃してしまったのか・・・。
住宅街に出て、道を歩いていた奥さんに上賀茂神社の道を尋ねたら、「えっ、こっから歩いて行かはるんでっか・・・?」とさっきと同じことを聞かれた。かなりオーバーランしたようだ。
≪上賀茂神社 正式名称:賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)≫
11:25 上賀茂神社に到着。下鴨神社から徒歩で35~40分の予定が、何と1時間半ほど歩いたことになる。
昨日は雨のためにウオーキング出来なかったので、その分まで歩いてしまった感じ。
拝殿でお参りした後、「国宝 本殿・権殿 特別参拝」を申し込んだ。
受付の後、拝殿脇の室内で神職の方から「賀茂神話」などを拝聴。参加者8名ほど。
続いて、このケガレきった身体をお祓いしてもらい、通常は入ることのできない神域へ・・・・。
うっかり写真を撮ってしまったりしないように、カメラはリュックの中。
現在、21年ごとの式年遷宮の工事のため、御祭神は「本殿」ではなく、隣に並んで建つ「権殿」に祀られている。
「権殿」の前で再び神職の方の説明を聞き、あらためて二礼、二拍手、一礼。
国宝であり世界遺産でもある「権殿」と工事の足場に囲まれた「本殿」を、ジックリと拝観。
いよいよクライマックスの「本殿の屋根」に上がる。
本殿の裏に廻り、工事の足場を登って屋根の上に。
真新しい本殿の「檜皮(ひわだ)葺き屋根」を間近に見る。実に美しく、実に繊細な芸術品をシバシ眺める。
檜皮の葺き替えは終わっていて、現在は金具などの張り替えなどが行われていた。
賀茂神社の場合、式年遷宮と言っても国宝であるわけだから、本殿を全く新しいものに作り替えることなどは出来ない。
今回の式年遷宮では、老朽化した屋根の葺き替えだけを行っているようだ。
次回の「檜皮屋根葺き替え」は42年後になるようだが、その時も屋根の上に上がらせてもらえるかどうかは、分からないそうだ。
大変貴重な体験をさせていただきました。
12:50 上賀茂神社を出ると、またしても激しい吹雪となった。
お土産に上賀茂名産の「すぐき」を買った。
賀茂川沿いの喫茶店で、サンドイッチとコーヒーで昼食。
夕方五時過ぎの新幹線までだいぶ時間があるので、「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」のパンフレットを検討。
もう一ヶ所、石庭で有名な「龍安寺(りょうあんじ)」に行くことにする。
龍安寺では、この期間、「仏殿」と「西の庭」が特別公開されている。
≪龍安寺 石庭≫
14:00 世界文化遺産「龍安寺」に到着。上賀茂神社からは、タクシーで15分。
ずいぶん昔に一度来たことがある様な気がするが、全然覚えていない。
特別公開の場所に行く前に、極めて有名な石庭を見学。冬だというのに縁側に腰掛けて、大勢の人々が庭を眺めていた。
しばらくたたずんで眺めたが、「俺の感性は、エリザベス女王と同じだな・・・」と思った。
※1975年にエリザベス女王が龍安寺の石庭を訪問した際、「ワタシニハ ワカラナイ」と言ったという説や、
女王が大変感激して同行したBBCテレビが大きく取り上げて、そのために龍安寺が世界的に有名になった
という説もある。
≪龍安寺 西の庭≫
ガイドさんの案内で、仏殿と西の庭を見学。
これにて、冬の京都二泊三日の旅は無事終了。
JR京都駅で「生やつはし」を買うかどうか悩んだが、今回はパス。あの「お琴」の形をした本物の「やつはし」は何処に行ってしまったのでしょう?