2015年5月17日 ヤエヤマヒメボタル ステージ1
5月17日から5泊6日の予定で、沖縄の八重山に行って来ました。
1月の京都旅行(都七福神巡り)から、ずいぶんと久しぶりの旅行です。
この間、「熊野古道伊勢路」や「北海道離島」など計画を立てたのですが、いろいろあってすべてキャンセルとなり、急遽5月に旅慣れた八重山に行く事にしました。
実は、7月にも沖縄に行くことになっているのですが・・・・
今回の旅の目的は、石垣島で「ヤエヤマヒメボタル」の乱舞を撮影すること。そして、アワヨクバ去年(5月)見ることが出来なかった「南十字星」を撮影すること。
14:15 仙台空港から中部国際で乗り換えて新石垣空港へ到着。
15:00 アパホテル石垣島にチェックイン。
このホテルを選んだ理由は、レンタカーの営業をしていて広い平面駐車場が自由に使えること。
離島桟橋、サザンゲートブリッジ緑化公園まで徒歩10分以内であること。そして最も重要な「飲み屋街」に徒歩10分以内で行けること。
サザンゲートブリッジ緑化公園からは、南十字星が見えるらしい。
15:30 部屋で一休みした後、レンタカーで下見に出発。
今夜は、19日の夜に申し込んである「ヤエヤマヒメボタル撮影ツアー」に向けて、カメラの設定を探るテスト撮影を行う。そのため初めてでも分かりやすいヤエヤマホタルの生息地「バンナ公園のホタル街道」に行く。
その後、空の状態が良ければ、移動して南十字星も撮影したい。
まずは、明るいうちに南十字星の撮影ポイントを確認し、続いてホタル街道の下見と本番。
ホテルの駐車場を出ると直ぐに夕焼けで有名な石垣港の「サザンゲートブリッジ」があり、橋を渡り切るとすぐ左に公園駐車場がある。
≪サザンゲートブリッジ緑化公園の南端≫
南側が全面海なので、どこからでも南十字星が見えるだろうと判断して、次の目的地「バンナ公園」に向かう。
途中、ホームセンターで長靴を購入。バンナ公園の遊歩道は滑りやすいと何かに書いてあったのと、石垣空港から乗ったタクシーの運転手の話では、昨夜、ハブが出たらしいと言うことなので、一応念のため。
17:00 市街地から15分ほどで、バンナ岳に広がるバンナ公園の最上部「エメラルドの海を見る展望台」に到着。
以前来た時には、大型観光バスが何台も並んでいて混雑していたが、今日は夕方のせいかガラガラ。
≪「エメラルドの海を見る展望台」から南側の風景≫
方角からすると、南十字星はちょうど市街地の向こう側になりそうだ。石垣の市街地の夜景は星を撮影するにはちょっと厄介だ。
18:00 周辺を走り回って時間をつぶした後、バンナ公園の「自然観察広場」第2駐車場にレンタカーを止める。
≪県営バンナ公園 Dゾーン自然観察広場第二駐車場≫
上の写真左側の無料休憩所に母子三人家族がひと組いるだけで、ヒッソリしている。
ベストポイントが分からないので、カメラを持った人たちを見つけて後ろをついて行こうと思っていたのだが、それらしい人は誰もいない。
「もしかしたら、既に三脚を並べて場所取りをしているのではないか?」と不安になり、買ったばかりの長靴に履き替えて遊歩道に入る。
こういう橋や階段が滑りやすそうなので注意しながら進む。
何処まで行っても誰もいないので、適当な場所で三脚を立てて撮影準備。
19:00 こんな所で真っ暗になったら、たった一人で恐怖に耐えられるかな?などと心配しながらたたずんでいたら、家族連れや若いグループなどがゾロゾロと現れ、私の周りに人々が集まりだした。
私を名カメラマンと勘違いして、『この人のそばに居たらホタルがワンサカ集まってくるのではないか』と思われているのではないかと、困ってしまった。
が、それは私のウヌボレで、聞いてみると、去年もこのポイントが一番良かったのだそうで、たまたまその場所に、私が三脚を置いただけだった様だ。
そんなところへ、「イカニモ」という感じのご夫婦が撮影機材を持って現れた。
ためらわずに話しかけると、大変気さくな人で、「昨日、もっと良い所がこの先にあったので一緒に行きませんか?」と言ってくれた。
本来は星空を専門に撮影している東京の方なのだそうだが、この時期はヤエヤマボタルも撮るらしい。
教えてもらった茂みにカメラを向けて待機。
この場所にも家族連れなどが大勢集まりだした。
考えて見れば今日は日曜日。地元の人々が大半らしい。
皆さん短パンにサンダル履きで、中には超ミニスカにノースリーブの女の子もいたりして、ホタルよりソッチを撮影したくなる。
たぶん大量に≪虫よけスプレー≫を体中に吹き付けて来たのだろうが、ホタルも虫なので、逃げて行ってしまうのではないかと不安になる。
19:24 今日の日没は19:20、その数分後に茂みの一番暗い所で小さな光が瞬きだし、歓声が上がる。いよいよ撮影開始。
ヤエヤマボタルはヒメボタルの一種で、石垣島と西表島に生息し、体長は5mm程度なので光は小さい。ゲンジボタルやヘイケボタルと違って、短く点滅して光る。
オスがメスを求めて点滅しながら飛び回るのは、日没から30~40分と言われる。石垣島では6月中旬まで見られるらしい。
ヤエヤマボタルを写真に撮る場合、短く点滅して飛ぶので瞬間の光ではなく点滅の軌跡で撮ることになるので、結構難しく、スローシャッターが可能な一眼レフカメラと三脚が必要になる。
撮影方法としては、数分以上のシャッタースピードで一枚撮りするか、30秒程度で同ポジ連写して合成する方法などがあるようだ。
私は最初、合成などというジャドウではなく写真の王道一枚撮りに挑戦したが、あえなく惨敗。
長時間露出だと、ホタルがきれいに撮れても背景が昼間の様に明るくなってしまったりする。
さらに、周りに集まった人々が、スマホなどで撮影を始め、フラッシュを焚く人や懐中電灯を点ける人もいたり、子供がウチワでホタルを追いかけまわして茂みに入り込んだりと、ホタルの生息地は大騒ぎ。
結局、合成を前提とした撮り方にせざるをえない状況。
≪ヤエヤマヒメボタル≫
【ヤエヤマボタル撮影 ステージ1】の最良の一枚は、上の写真。
薄暗い茂みの写真に手書きで点線を書き込んだような、なんだか寂しい写真。
撮影テクニックもお粗末だが、ホタルの数も寂しい状況だった。
まあ、ステージ1はテスト撮影であり、本番は19日以降と言うことで、乞うご期待!!。
20:00 撮影を終えた頃には私とご夫婦の三人だけになり、辺りは漆黒の闇。
車まで10数分かかるので、私一人だったらと思うと背筋がゾッとする。
この後、東京のご夫婦も付き合ってくれて、サザンゲートブリッジ緑化公園に移動。ご夫婦は昨日まで三日間、南十字星を撮影できたということだ。
しかし緑化公園まで来てみると、海が黄色い。街灯が反射しているのだ。
昨日は、南十字星観察会があって、街灯を消していたらしい。
「こりゃ、だめだっ」と言ってご夫婦は帰ってしまった。
私は何とかガンバって見よう、と残ったが、雲も多く肝心の南十字星がどれだか分からない。
磁石などを出してウロウロしていると、「南十字星を撮影しているのかい?」と言いながら、散歩の途中らしいオジサンが近づいて来た。
「これはシメタ」と思い、どれが南十字星かたずねると、「私は60年ここに住んでいるが、南十字星は見たことがない」とキッパリと言われた。
それでも親切な方で、イロイロとアドバイスをしてくれた。
南十字星は、明日行く波照間島に期待。
取りあえず、街に出て生ビール。
後で気がついたのだが、まだ南十字星は出て来ていなかったようで、ノンベェーの大失敗・・・
※バンナ公園のホタル街道へのアクセスは、バンナ公園のホームページに詳しく載っています。