2015年9月30日 隠岐三日目
朝、目が覚めて部屋のカーテンを開けたら、一面朝焼け。
≪都万漁港の朝焼け 宿の窓から≫
羽衣荘は窓から日本海に沈む夕日が美しい宿のハズだが、昨日チェックインする時には既に真っ暗で何も見えなかった。
かわりに空と海を真っ赤に染める不気味な朝焼け。今日の天気が心配だ。
外に出て散歩をしようかとも思ったが、朝風呂を優先することに・・・。
≪海の見える大浴場≫
海を眺めながらノンビリと湯に浸かり、至福の時を過ごす。
今日は、今回の旅のメインイベントとなる「大満寺山登山」の予定。
しかし、隠岐空港でも西郷港でもホテルでも、観光マップすら手に入らなかった。
宿の女将(?)さんも、よくお客さんから「隠岐は情報が少ない」と言われるそうだ。
朝食後、チェックアウトでフロントへ行ったら、女将さんから登山コースに詳しいというスタッフを紹介された。
さっそく、隠岐の島町の大判地図を頂戴した上で、「大満寺山登山コース」についてレクチャーを受けた。
その結果、次のようなことが分かった。
大満寺山に登るトレッキングコースは、主に次の4コース。
島の北側から登るコース
◎南谷林道コース 最もポピュラーなコースだが、現在修復工事中で通行止め。
◎中谷林道コース お勧めコースだが、羽衣荘からは島の正反対側で遠い。
※南谷、中谷コースは、最寄りの布施地区の民宿やホテルからは
ガイドや送迎サービスもあるらしい。
島の南側から登るコース
◎銚子ダムコース 道悪で、レンタカーの観光客には絶対勧められない。
◎有木川コース 登山口まで舗装されているので、レンタカーでも行ける。
※有木コースは、この地図上でも唯一、大満寺と山頂まで細線で登山道が
表記されている。西郷港や羽衣荘のある都万地区からも比較的近い。
以上のことから、有木(あらき)川沿いの林道から登山道に入ることにする。
≪船小屋群≫
取り急ぎ、宿の前にある都万漁港の船小屋群を見学。
厚い雲が出て来たのを心配する女将に見送られて、羽衣荘を出発。
カーナビを頼りに軽自動車のレンタカーを走らせ、「大満寺山登山道3.0km」の道標を見つけ、いよいよ山に入る。
スギの林道を「神様!どうか対向車が来ませんように!!」と祈りながら、慎重に進む。
「一の坂橋」と書かれた橋を過ぎると、右手に三体のお地蔵さんと石段が現れた。
いよいよお寺に近づいている感じ。取りあえず車を進める。
突然、「舗装が無くなった」と思ったら、そうではなく苔むしたウエットなアスファルト道に落ち葉が堆積したようだ。湧水が路面を濡らしている。
ちょっとビビる。
路面が滑りやすい。車の轍が無い。右側はがけ下に有木川の渓流。
さらに、所々に落石や枝があって一々車から降りて川に蹴り落とす。
ここまで来ると、ここシバラクの間、車が一台も通っていないということにバカでも気づくが、Uターンする場所もないので逃げられない。
≪大満寺山登山コース(有木) 登山口駐車場≫
必死の思いでたどり着いた駐車場は、意外にリッパ。かなりの台数が停められる。
コース案内の掲示板もシッカリしていて、内容も今までで一番の情報量。
さすがは環境省と島根県、隠岐諸島と宍道湖の位置関係まで分かる・・・??
4つの登山コース全ての情報があるので、このデータが最初から分かっていたら、今回の旅の計画も立てやすかったのだが・・・・。
全ての情報をカメラに収めて、いつでも見られるようにしていよいよ出発。
駐車場の一番奥が登山口。
ここでも、昨日の焼火神社(西ノ島 焼火山)と同じで、「マムシに御用心」の看板。
「この山には毒ヘビのマムシが多いので、気をつけないといけない」
「万一噛まれたら・・・・血清療法・・・・」
「秋の繁殖期には、特に気をつけなければいけない」
などの恐ろしいげな文章が書かれてある。
それでも折角ここまで来たのだからと出発しようとしたら、なんとイキナリ難所。
苔むした岩がいかにも滑りそう。コブ・ロープが用意されているが、つかむ前に落っこちそうだ。
足をどのように踏み出すか思案していると、今度は大型のハチ(アシナガバチか?)が頭上に襲来。
どうも隠岐の神々が「イイ歳したオヤジが、一人で登山なんてヤメなさい!」と言っているようだ。
こんな何日間も誰も来ない様な山中でケガして動けなくなったら、助けてはもらえないだろう。
そもそも私がここに居ることを誰も知らないのだ・・・・。捜索隊も来るハズがない。
マムシやスズメバチなどが最も危険な時期(9月末)に来た、私がバカだった。
登山中止!!
振り向けば、レンタカーでの帰り道も相当に怖い。
≪大満寺のお地蔵さんと参道≫
林道を慎重に下って来たところで、往路で見たお地蔵さんの前で停車。
お地蔵さんに「旅の安全」を祈願。
ここにお地蔵さんがいることから考えると、脇の石段は廃寺になる前の「大満寺」の参道だったのではないかと思われる。
※後で分かったことだが、このお地蔵さんの石段が有木登山道の
「参道コース」登山口、 駐車場とコース案内板のあったところが、
「沢コース」登山口ということらしい。
「この石段を登って見ようか」とも思ったが、上の方はいかにもマムシが出そう。
と思って振り返ると・・・・
マムシではないようだが、やたらと細長いヤツ。絶妙なタイミングで出やがった。
レンタカーを走らせて中谷林道の方に廻って見たが、既にお昼近く。
下りてくる車と鉢合わせになる可能性が高いので、今回は大満寺山は断念!!
臆病なオジサンは、観光ドライブに切り替えることにする。
≪浄土ヶ浦≫
白島展望台までは0.2km、隠岐の島町の「竹島」までは161km。
≪ローソク島展望台≫
一昨日の夕方、遊覧船で回ったローソク島。テッペンにあるローソクの芯が良く分かる。
≪深浦の滝≫
≪福浦トンネル≫
≪那久岬≫
本日の宿、西郷港の前のホテルにチェックイン。
ホテルに入ろうとしたら、ビルの1階に観光案内所があった。
覗いてみたら、ついに大判の観光マップを見つけた。
写真左上の青い表紙が、隠岐の大判の観光地図。
やっと見つけたと思って手にしたら、100円取られた。
さっそく広げて、観光協会の人に今日行けなかった「大満寺山登山コース」について「どのコースを行ったらいいか」たずねたら、銚子ダムの林道から入るのが一番良いと言われた。
今朝、宿の方からは「レンタカーの観光客には、絶対お勧めできない」と言われたコースだ。
買った地図には、【山道危険×】と表記されているのだが、「それは無視してください」と言われ、あくまでも銚子ダムコースがお勧めのよう・・・。
ちなみに、今日私が行って来た「有木川の林道」について聞いてみると、「あそこは舗装されているから多分大丈夫です。行ったことはないけど・・・」
いずれにしても100円の地図には、ほぼ全ての山道に、【山道危険×】【車は×】【難所あり】【離合注意】などと警告がが書き込まれている。
※ちなみに、【離合注意】は「擦れ違いが困難だ」という意味で、主に
九州など西日本で使われている交通行政用語。
離合の本来の意味は、離れていたものがくっ付くことを言うのだが・・・。
100円もするこの地図でも、登山道の詳しいコースやアプローチのことが分かりにくいので、買ったオマケにさらに4種類のコピー資料などを付けてもらった。
全部そろえると分かると言うことだった。
19:00 ホテルのフロントで、今度は街の居酒屋マップをもらって外出・・・。