2018年2月24日
昨年の6月末に、「鎌倉七口」と言われる「切通」を巡るトレッキングを行った。
鎌倉七口とは三方を山に囲まれた鎌倉への入口で、狭い切通になっており鎌倉幕府の防衛拠点でもあったと言われている。
通常、「極楽寺坂切通」「大仏切通」「化粧坂切通」「亀ヶ谷坂切通」「巨福呂坂切通」「朝夷奈切通」「名越切通」を鎌倉七口と言う。
その時は、七つの切通のうち往時の面影の残る五か所を、一泊二日で回る予定だった。
一日目に、「亀ヶ谷坂切通」「化粧坂切通」「大仏切通」の三ヵ所をトレッキング、二日目に雨の「朝夷奈切通(朝比奈切通)」からスタートし、最後の「名越切通」に向かう際にドシャブリの雨となってしまったため断念していた。
今日は、そのリベンジで「名越切通(なごえきりどおし)」を見に行く。
※極楽寺坂切通は開発されて一般道になっていて、巨福呂坂切通は廃道となって通行不能のようだ。
今日は、前回トレッキングを中断した鎌倉市の杉本寺をスタートし、衣張山ハイキングコース(平成巡礼道)を歩いて「名越切通」を眺め、逗子市の岩殿寺をゴールとするコース。
偶然だが、坂東三十三観音霊場第一番札所の杉本寺から第二番札所の岩殿寺を目指す、観音巡礼の旅となった。
≪坂東三十三観音霊場第一番札所 杉本寺(鎌倉市)≫
昨夜泊った大船駅前のホテルを出て、横須賀線で6分の鎌倉駅に到着。駅前に停車中の京急バスに飛び乗る。
8:45 杉本寺に到着。
杉本寺には昨年6月に来たばかりだが、一応、旅の無事を祈念して参拝。このお寺さんは、本堂内陣まで入れてもらえるが、ご本尊の十一面観音三体仏は暗くてお顔が良く見えない。
≪茅葺屋根の本堂≫
この周辺には、浄妙寺や報国寺など見どころも多いが、今回はパスして先を急ぐ。
9:03 杉本寺を出発。
寺の前の金沢街道を向かい側に渡り、滑川沿いに4分ほどで道標が沢山ある十字路へ出る。
観音巡礼の古道などもあるようだが、今回はトレッキングを重視して衣張山山頂を通る「平成巡礼道」へまっすぐ進む。
最初は住宅街の細道を歩くが、間もなく林の中の地道になった。
歩き易く整備された山道を、ヒタスラ登る。
9:26 衣張山山頂に到着。
スタートの杉本寺からは、写真を撮りながら23分ほどで到着。平成巡礼道の入口からは、ちょうど15分。
標高120mの頂に立つ。1,200mの間違いではありません。
山頂からの見晴らしは抜群で、鎌倉市街や由比ガ浜、稲村ケ崎などが見晴らせる。今日は天気が絶好調だと思って来たが、霞がかかっていて右手に見えるハズの富士山はザンネン。江の島は微かに。
昨日の東京はかなり寒かったのだが、さすがに鎌倉は温かく、チョット登っただけで汗をかいた。パーカーのインナーを外す。
しばらく山頂を独り占めしていたが、団体さんがやって来てすぐに大賑わい。あわてて出発する。
9:38 衣張山山頂出発。
9:53 鎌倉逗子ハイランドの公園に到着。
住民の高齢化が進んでいるせいか、天気のいい土曜日だと言うのに遊んでいる子供たちの姿が全くない。
たまに出会うのは、犬を連れたお年寄りばかり。私もお年寄りですが・・・。
公園の柵沿いに進む。「関東の富士見百景」からも本日は富士山が見えず。
10:08 パノラマ台に到着。
コースを外れて右手に2,3分登ると、眺めの良いパノラマ台に至る。写真を2,3枚だけ撮ってすぐコースに戻った。
10:20 「お猿畠の大切岸」に到着。
崖下の遊歩道を、頭上を見上げながらノンビリ歩く。
お猿畠の大切岸は、かつて鎌倉に沢山の寺院を立てた際に、石切場として使われたようだ。つまり、人口の断崖と言うことか・・・。
遊歩道の最後まで歩いて石段を登り、先ほどまで歩いていたハイキングコースに戻り、大切岸の崖の上を進む。つまり、大切岸を一周半歩いたことになる。
大切岸を離れて間もなく、石廟二基の前を通過。
法華宗と刻まれた大岩がコースの真ん中に・・・。
10:39 今回の旅の最大の目的地、「名越切通(なごえきりどおし)」に到着。
さっそく切通を歩く。
歩き出してすぐに、左側に「まんだら堂やぐら群」の入口を見つけた。「本日公開中」(2月24日~3月21日の土日月祝日のみ)の張り紙があるので、見学して行く。
10:46 「まんだら堂やぐら群」に到着。梅も見ごろ。
13世紀後半から16世紀まで使われていた墓地のようだが、具体的なことは分からないようだ。
昨年見た大仏坂切通の近くにもやぐら群があったが、そちらは規模が小さい。
11:00 まんだら堂やぐら群を後にして、名越切通に戻る。
上の写真が切通しの一番狭いところ。これでは、敵の軍馬が一気に攻め寄せることは出来なかっただろうと理解できる。
この切通だけには「名越切通 第一切通」の表示があるので、私は、第三切通から入ってきたようだ。
※ちなみに、第二、第三切通しの表示はない。
11:08 名越第一切通の末端に到着。この先は、すぐに亀ヶ岡団地の住宅地になる。
これで、鎌倉七口のうち目標としていた5カ所の「切通」を歩いたことになった。
ここで小休止。この近くからバスで移動することもできるが、まだスタートして2時間しかたっていないので、予定通り岩殿寺まで歩いてゆくことにする。
11:19 出発。今来た名越切通を10分ほど戻る。
11:29 石廟二基があったところのチョット手前を右に折れる。少し下ると法性寺の墓地に入った。墓地の中をヒタスラ下る。(注意:午後六時から翌朝七時までは閉門)
≪猿畠山法性寺(えんばくさんほっしょうじ)祖師堂≫ ≪法窟≫
11:33 法性寺の奥の院に到着。お参りして、さらに境内を下る。
ここの扁額には「猿畠山」とあり、その両脇を「猿畠山法性寺」の由来となった白い猿が支えている。
11:45 法性寺の山門を出発。
JR横須賀線と並走する県道205号線に出て、ヒタスラ南下。ずっと山道を歩いてきたので、車が怖い。
≪坂東三十三観音霊場二番札所 岩殿寺(がんでんじ)≫
12:03 今回の最終目的地「岩殿寺」の山門に到着。
受付けはなく、箱に拝観料100円を投入し合掌一礼して入る。
急な石段が長い。
≪観音堂≫ ≪奥の院岩殿観音≫
観音堂に参拝して、裏に回り奥の院岩殿観音(いわどのかんのん)をお参りしようとしたが、崖崩落の危険があるため立ち入り禁止。
観音堂の前に戻り、ベンチで一人淋しく昼食のオニギリを喰う。境内には全くひと気がないので、やや不気味。
12:26 岩殿寺を出てJR逗子駅に向かう。
12:40 JR逗子駅に到着。切通を巡るトレッキングは無事終了。
絶景や史跡も多く、なかなか変化に富んだコースでした。
今回のコースタイム
鎌倉駅から杉本寺までは京急バスで約11分
杉本寺-(23’)-衣張山山頂-(15’)-ハイランド出口-(15’)-パノラマ台-(10’)-お猿畠の大切岸(一周10’)-(9’)-名越第三切通-(6’)-まんだら堂やぐら群-(7’)-名越第一切通-(25’)-法性寺奥ノ院-(27’)-岩殿寺山門-(15’)-JR逗子駅
歩いた時間:2時間42分
歩いた距離:6km
所要時間:3時間37分
昨年歩いた切通の記録はこちらから
北鎌倉から切り通しを歩く(2017年6月29日)
朝比奈切通から金沢街道を歩く(2017年6月30日)