先日、お店の近くの串カツ屋さんの大将(串くしやさんといいます)と
一緒に入ってきた男の人が
うちの店の中を眺めてぽつりと呟きました
この店、覚えとるわ。。昔は、奥に座敷があって・・
と、昔のうちの店の間取りを知っている様子で、
その、座敷があった場所を指差して
そこで説教されたんや。。
と、懐かしそうに話し始めたところに
大将がその男性をじぃ~っと見て、
思い出した!K彦の友達の・・!
と、懐かしい昔の記憶を引っ張り出しながらその男性と当時の出来事を
話してくれました
この男性は、うちの大将のいとこのお友達で
中学か高校の時に、そのいとこと家出をして彷徨っていた所を
丁度うちの大将が車で帰宅中にみつけ、2人を追いかけようとしたのだけれど、
スリッパしか履いていなかったために逃げられてしまい
大将は助っ人お兄さんに電話
(当時はまだ携帯電話なんかなかった時代ですから公衆電話を探すのも一苦労だったでしょうね・・
)
お兄さんは運動靴に上下ジャージの軽装
でいとこ達を追いかけ
見事に2人を捕まえて、うちのお店に連れ帰ったという。。
そこで、姑に
はよ食べ。。と、
何も言わずに出されたのが“
ぼっかけうどん”で
2人は3日間、ろくすっぽ食い物にありついてなかったのと
(アイスクリームで凌いでいたとか・・
)寒さ
とで
無我夢中でうどんに食いついたそうで・・・
その時の味は・・?と聞くと、
んもう、腹へりすぎてたので必死で食ったと思う;味ははっきり覚えてない
と言ってましたが・・・
うどんと一緒に出された巻き寿しをたいらげたところで奥の座敷に座らされ
こっぴどく説教されて自宅に連れ戻されたらしいです。。
で、それから30年ぶりに、
ひょんなことから串くしやの大将に連れられて入ってきたこの男性は
青春の思い出話を語りながら
その時に食べた懐かしいぼっかけうどんと巻き寿しを食べ
当時はがむしゃらでよく覚えてなかったぼっかけの味を再確認するように
ゆっくりお出汁をすすりながら、うどんを一本一本噛み締めるように食べ
やっぱり美味いわ。。
と、一言呟いたあと、一滴の出汁も残さずに平らげてくれました。。
若かりし頃は、後先のことを何も考えずに行動して
今考えると笑い話みたいだけれど、
その時は本気で「オレらの世界を作るんや!」と
無謀なことばかりして、思い通りにならない現実に打ちのめされて
一つづつ大人になっていくんですねぇ。。
こんな話を、成人通り越した娘に話したらおもいっきり笑ってましたが
誰もが通る通過点?っていうか
私も幼い頃(小学校の低学年でしたが・・)は冒険とかしてみたかった方なので
なんとなく男性の話を聞きながら、昭和の時代にタイムスリップしたような気分に
浸れました。。。(笑)