やまなし・まちかど図鑑

山梨県内のレトロなまちかど、面白・珍らし物件を凡苦楽庵が探訪します。

時をつなぐ橋

2007年11月30日 | みちくさ
ここのところ“みちくさ”が多いが、建築学会の見学研修会で上京した。
まず、霞ヶ関三丁目南地区の再開発プロジェクトを見学。メインの見学は完成したばかりの「東京倶楽部ビルディング」だったが、エリア内に、旧文部省庁舎(現・文部科学省・文化庁1935)と新築の中央合同庁舎7号館があり、官民共同の再開発事例である。この二つの庁舎を結ぶブリッジが架けられていた。

次に見学したのが、「日本橋三井本館とタワー」。こちらも保存と開発というテーマに取り組んだ新しい事例である。タワー棟のロビーに歴史を継承する仕掛けが施されていた。


和歌山商工会議所

2007年11月24日 | みちくさ
宿泊したホテルは和歌山城の二の丸の目の前。11時から始まる会合の前に和歌山城を見学。
昭和33年に再建された鉄筋コンクリート造。
ホテルのすぐ近くの和歌山商工会議所ビルは昭和40年代のものと直感したが、帰って調べると案の定44年であった。パラペットの処理が前川國男の東京海上ビルと似ていること、また打ち放しの柱といい、もしかしたら前川作品かと思ったが、設計者の名前は分らなかった。

応接室の離れ

2007年11月15日 | 甲斐市(敷島・双葉・竜王)
甲斐市旧双葉町の下今井地区の旧甲州街道沿いには、古い土蔵作りの家並みが今も所々に残る。

そんな中に、応接間として作られた離れがある。壁は軽石のブロック。ちょっと変わった材料の選択だ。道から中を伺っていると、丁度ここの主が外出する所に出くわした。立ち話を伺ったが、50年は悠に超えているとのこと。瓦と窓をアルミサッシに換えた以外は当時のままらしい。中も綺麗に維持されていた。

県庁別館の吹抜

2007年11月07日 | 甲府市

所用があって県庁別館へ行った。いつも外観ばかり眺めているので、中の様子を少し観察。正面の階段は大理石とテラコッタの重厚な作り。3階までの吹抜けの天井はトップライトで上部壁面には、葡萄のレリーフがあしらわれている。

ところで、甲府市役所とともに県庁も建て替え論議が出ているようだ。この構内には県内でも少ない貴重な近代建築が集積している。この別館の他、県会議事堂も同年代の建物。南別館(旧県立図書館)はモダニズムの色濃いデザインで、これも貴重なものである。本館は何年か前、免震改修工事をしたばかり。何も取り壊さなくても良いと思う。現在の資源をなるべく活用する道を選んで欲しい。今何が不足なのか、「はじめに建物ありき」でなく、「はじめに仕組みありき」ということをシンプルに考えてもらいたい。