とらねこ紫苑の物語 第一章 出会い
9月の雨の日、友人と一緒にやっていた敷地調査の仕事で東京の調布市に行きました。
東八道路を東に走り、野崎八幡の交差点から中央高速調布インターの方向に南下、深大寺の交差点を過ぎて中央高速をくぐる手前で東に向って多摩川の支流である野川を渡る手前の現場でした。
一通り敷地のまわりを調査しているとき、ふと道端の小さな林の濡れた地面で何かが動いているのが目に付きました。
それは手のひらに乗ってしまう大きさ、フランクフルトソーセージくらいで、雨に濡れて弱々しく這っているのでした。
良く見ると、それは生まれたばかりの猫の子でした。
その時は何もしないで仕事を続けましたが、2週間ほど前にふとそれまで猫を飼うことなど考えてもいなかったのに、
( 息子も大きくなったのでどこかにとたねこの子がいたら飼ってみるのも良いかも )
と思ったことを思い出し、すっと気になり仕事に身が入りませんでした。
今まで飼ったことも無く、育て方も知らないのにずっと猫の一生に責任を持って飼う自信があるのか、いろんな事が頭の中でぐるぐる回りました。
あの小ささでは生まれたばかりに違いなく、ほっておけばすぐ死んでしまうに違いありません。
しばらくして友人に、
「 やっぱり連れて帰る 」
と言って、そばの商店に行き
「 捨て猫がいるので保護しようと思いますから、段ボール箱があったら一ついただけませんか 」
とお願いして段ボール箱を一つもらい、ついでに牛乳も一個買いました。
・・・・・・・・・・ つづく ・・・・・・・・・・
( 上の写真は紫苑とであった場所です。左の川は野川でナノハナが咲いていますが、出会ったのは9月の初めです )
我が家の門柱の上のプランターに数年前鳥が植えたコムラサキ、今年も元気に育っています。
( 性能を生かした絵ではありませんが、先日買った50ミリ等倍マクロのテストで撮りました )
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今日のなぞかけお題 「 交換レンズ 」