府中の杜には魔物が棲んでいる―
今から11年前の平成10年11月1日(日)―
この日、東京競馬11Rで第118回天皇賞・秋(G1)が行なわれた。
単勝1.2倍の圧倒的1番人気に押されたのは、平成9年5月1日産れの1枠1番の『ターフの貴公子』の異名をとったサイレンススズカ。奇しくも、その誕生日は『音速の貴公子』アイルトン・セナがイタリアのサンマリノGPで命を落とした日でもあった。
単勝1.3倍に指示された平成9年2月1日の京都芝1600mのデビュー戦では、2着馬に1.1秒差をつけ、通過順位1-1の逃げ切り快勝。
以来、1番人気に押されたのは、秋天を含めて計10回。うち単勝1倍台が実に7回で、秋天を除く6回は全て1着。
そんなスズカの勝ちを誰もが疑わなかった平成10年11月1日―
かくいう私もスズカ=メジロブライトの一点勝負馬券を握り締めゴール前に陣取っていたのだが―
井田摂津上是政の墓所がある府中名物・大欅の向うを通過した時に悲劇は起きた。
(馬連12、210円)
そして、その日から遡ること6年前の平成4年11月1日(日)。
この日、東京競馬10Rで第106回天皇賞・秋(G1)が行なわれた。
1番人気は、春天以来のぶっつけ本番となる無敗の三冠馬・トウカイテイオー。
が、さすがに、いくら無敗の三冠馬とはいて鉄砲でG1は厳しかったのか7着惨敗。
勝ったのは大崎昭一騎乗の11番人気の1枠2番のレッツゴーターキンだった。
(馬連17、220円)
さらに、そこから遡ること5年前の昭和62年11月1日(日)―
この日、東京競馬10Rで第96回天皇賞・秋(G1)が行なわれた。
勝ったのは1番人気の3枠4番ニッポーテイオー、2着には6番人気のレジェンドテイオーが入り、枠連配当は790円と順当に収まったものの、3着には13番人気の1枠1番アサカツービートが入り、その複勝は1、070円であった。
当時、三連系の馬券の発売はなかったので断言はできないが、もし三連単があれば間違いなく万馬券にはなっていたはずである。
そして、平成21年11月1日(日)―
東京競馬11Rの第140回秋天で、何かが起きる。
間違いなく1番人気はウオッカ。
ただ、スズカのような悲しい結末は二度と見たくない―
=つづく=
今から11年前の平成10年11月1日(日)―
この日、東京競馬11Rで第118回天皇賞・秋(G1)が行なわれた。
単勝1.2倍の圧倒的1番人気に押されたのは、平成9年5月1日産れの1枠1番の『ターフの貴公子』の異名をとったサイレンススズカ。奇しくも、その誕生日は『音速の貴公子』アイルトン・セナがイタリアのサンマリノGPで命を落とした日でもあった。
単勝1.3倍に指示された平成9年2月1日の京都芝1600mのデビュー戦では、2着馬に1.1秒差をつけ、通過順位1-1の逃げ切り快勝。
以来、1番人気に押されたのは、秋天を含めて計10回。うち単勝1倍台が実に7回で、秋天を除く6回は全て1着。
そんなスズカの勝ちを誰もが疑わなかった平成10年11月1日―
かくいう私もスズカ=メジロブライトの一点勝負馬券を握り締めゴール前に陣取っていたのだが―
井田摂津上是政の墓所がある府中名物・大欅の向うを通過した時に悲劇は起きた。
(馬連12、210円)
そして、その日から遡ること6年前の平成4年11月1日(日)。
この日、東京競馬10Rで第106回天皇賞・秋(G1)が行なわれた。
1番人気は、春天以来のぶっつけ本番となる無敗の三冠馬・トウカイテイオー。
が、さすがに、いくら無敗の三冠馬とはいて鉄砲でG1は厳しかったのか7着惨敗。
勝ったのは大崎昭一騎乗の11番人気の1枠2番のレッツゴーターキンだった。
(馬連17、220円)
さらに、そこから遡ること5年前の昭和62年11月1日(日)―
この日、東京競馬10Rで第96回天皇賞・秋(G1)が行なわれた。
勝ったのは1番人気の3枠4番ニッポーテイオー、2着には6番人気のレジェンドテイオーが入り、枠連配当は790円と順当に収まったものの、3着には13番人気の1枠1番アサカツービートが入り、その複勝は1、070円であった。
当時、三連系の馬券の発売はなかったので断言はできないが、もし三連単があれば間違いなく万馬券にはなっていたはずである。
そして、平成21年11月1日(日)―
東京競馬11Rの第140回秋天で、何かが起きる。
間違いなく1番人気はウオッカ。
ただ、スズカのような悲しい結末は二度と見たくない―
=つづく=