カッパの女房

縁あってASDのカッパさんの嫁になりました。
カッパさんの飼い主・・・いや嫁として日々修行中です。

田辺聖子さんを偲んで

2019-06-15 09:06:25 | 趣味


今の若い人は馴染みがないかも知れないが、

私が20代の頃は、恋愛バイブルとしてみんな読んだものだ。

その時、読んでいたものでも、

かなり以前に出版されたものなのに、

現代に通じる感性でドンピシャで心に響いた。

特に話し言葉が関西弁で書かれているのがいい。

ヒロインに感情移入しやすかった。

好きな本は何度も繰り返して読んだ。

田辺さんは短編小説も質がいいのだ。

短編はハッピーエンドが少なくて、読後感がせつない。

そのせつなさを味わいたくて何度も読んでしまう。

特に「ジョゼと虎と魚たち」が表題作の短編集は、

せつないストーリーばかりで、

読み終わって何となく泣いてしまいたくなる。

その中でも最後に収録されている、

年配の女性の不倫の話はジワジワきた。

客観的に観れば寂しい人生に見えるが、

ライフスタイルをきっちりと確立し、

スパイスとしての恋愛を楽しいでいる。

最高に幸せな人生なのだ。

こんな生き方もアリなのかな・・・と考えこんでしまった。

羨ましくて泣きたくなるのか寂しくて泣きたくなるのか、

不思議な読後感の小説だ。

「愛してよろしいですか」が初めて読んだ田辺さんの小説で、

その後「風をください」も読んだ。

大好きな小説だ。

大昔にドラマ化されていたのは知っていたので、

また新たにドラマ化してくださいとテレビ局にメールしたが、

スルーされてしまった。

内館牧子か北川悦吏子、あるいは今なら野木亜紀子あたりに

ぜひぜひ脚本をお願いしたいものだ。


さてと、

ではちょっくら実家に行って、

田辺聖子の本を引き上げてくるとすっか・・・。

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