山岳ガイド赤沼千史のブログ

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13安曇野スタイル赤沼家キムG一家の一撃舞踏公演

2013年11月07日 | 安曇野スタイル

 山の方々を少し驚かせてしまっただろうか?

 これは安曇野スタイル「赤沼家」最終日に行われた「キムG一家の一撃」舞踏公演の模様である。舞踏は土方巽を中心として発展してきた日本独特の前衛的ダンススタイルだ。いわゆるダンスというものの概念からは、完全にはみ出した形式の踊りだから、これを目の当たりにした人達は、先ず、少なからず恐怖感の様なものを感じ、そしてしばし混乱をする。

 それは突然はじまる。何も知らず、赤沼家を訪れたお客さんの流れの中で唐突にその舞が始まる。なんの心の準備も無いままに、人々はそれを見ることになるのだ。腰を低く落とし、関節を異様な角度に曲げ、顔は無表情であったり苦痛に歪んでいたり、時には狂人の様な笑みを浮かべたり。なんなんだいったいこれは?いったい何を意味するのか?

 しかし、そこで感じる恐怖感は目を完全に背けるにはいたらず、我々は心の扉を少しだけあけて、それをのぞき見るのだ。なにか見てはいけないものを見ているような、見てはいけないものだからこそ覗きみたいような、そんな不思議な感覚が心の中に沸き上がる。醜くも美しく、華麗なステップなど微塵も踏まないその様式は、西洋の技巧的なステップに対しての日本の土着的情念の舞なのだ。ひとたび、心奪われるとそこから目を背けることが出来なくなって、それを無視することは不可能になる。気になって仕方が無くなるのだ。この日は公演直前まで不安定な空模様だった。雨が降ったりやんだり、時には青空が広がってみたり。そうそれはまさしく「狐の嫁入り」その日だったのかも知れない。雨上がりの軟らかく濡れた土が次第に彼らを汚していった。

 この日、僕はこの公演を見るに着け実はかなり感動をしてしまった。最後には涙腺がゆるみっぱなしになって困るほどであった。そしてその涙をカメラで隠しながら撮影をした。実は僕も若かりし頃これを少しやっていたことがあって、今は亡くなってしまったその師匠の事を思い出したのかも知れない。そしてそれは庭の緑に緋色の衣装が美しすぎたのかも知れない。大勢の方が訪れてくれたこの4日間の祭りが終わる、その寂寞感なのかもしれない。とにかく、僕はただこの舞踏というものをずっと見てきた。そして、僕はこのようなものに感動し、涙を流したり、笑ったりする人間なのだと言う事を改めて感じるのだ。

理解など無用だ。そう、ただただそれを少し開けた扉からのぞき見ればいいのだ。

かにえあきのり 

 キムG

 

 

 

 

 

しもG 

 熊坂義人

 

館 友希江 

キムG 

 安藤則男 & マサ

 古屋みすず

 

 

 

 

ほうすけさん 

すぱん子

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