What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

東日本大震災から10年がたちました

2021年03月11日 12時07分30秒 | 日常
 私にとっては、ながいながい10年でした。

被災して大きく変わったのは、本が読めなくなった事です。字が読めるようになった小学校低学年以来、読んで読んで読みまくっていたのが嘘みたい。10年たてば変わるかな?と思ったんですが、だめでした。よくて年に一冊?あれだけ好きだったマンガも二・三作を年に数冊。TVや映画館で観まくっていた映画も、10年で数作しか観ていません。

どうしてなんだろう?と何度も考えてみたんですが、以前は大丈夫だった「ひどい場面」の描写に耐えられなくなったのが大きいと思います。暴力や虐待やいじめ、災害や人の生き死に等、そういった場面を創作だからと受け入れられなくなりました。

震災当時は(当然ですが)毎日いろんなモノがぐちゃぐちゃに混じったドロを素手でかきわけて片づけをしていました。真っ暗な中、ドロのついたトイレで用を足していました。お風呂に何日も入っていませんでしたし、服も何日も着たままでした。家族5人で六畳一間にぎっちり詰まって寝起きしていましたし、ネズミが居る台所で食事を作りました。

一日中ひっきりなしに余震がきて、また大きな地震かも?次は?と怖くてたまりませんでした。車は津波の水に沈み使えなくなりました。自転車はすぐに錆びました。ライフラインがいつ頃復旧したのか、いまでも正確に思い出せません。電気が戻っても、ぎりぎり津波に底の部分が浸かったガスコンロは錆びて使えなかったし、部屋の明りは地震で落ちて壊れて使えなかったので、息子の机の卓上ライトを点けました。

そういう「非日常」を受け入れるのに、心の感性?やわらかい部分?が、ささくれてすり減ってしまいました。

それでも、この10年のあいだでだいぶ回復したなとは思います。でも加齢もあるし、家族や親せきやご近所さんの死もあるし、もとどおりにはならないものですね。このブログのタイトルもあてはまらなくなって、いつか戻るかなぁと思ってそのままにしていたのですが、今日をもって変えることにしました。

10年は区切りではないです。ずっと続けていく暮らしのなかの一日です。だから、どうか穏やかな暮らしが、少しでも長く続きますようにと祈ります。どうぞ、こんな目に遭う人たちが少しでも減りますようにと願います。





↓ ペットを飼っておられる方もそうでない方も、ぜひお読みください。震災に限らず、自分が飼っている生き物の、命の選択をしなければならない時に、あなたはどうしますか?

☆「セントラルド熊 / 動物を飼っている方へ 1~5」( https://twitter.com/4RewJJOmWiLzR7L/status/1368762059698053122 )
コメント (2)
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