魔法の杖
我々SOHO・身の丈社長が掲げる「成功の3ポイント」は、
① 売れる商品・サービスを持つ。
② 広く告知し、喜んで買っていただく。
③ 身の丈社長として、市場競争を勝ち抜く「たくましさ」を身につけていく。
である。
①と②につおてはおいおい述べていくこととするが、ここで社長の経営姿勢③について述べよう。
③だけが進行形で書かれているのにも意味がある。
ここ20年あまりのSOHO CITY みたかを見ていても、SOHO・身の丈社長が徐々に成長していった様が手に取るように分かる。
つまり、私も含め大方が素人社長としてスタートしたにも関わらず、時間をかけながらじっくり成長していった、という簡単な事実である。
しかしそのプロセスは簡単なものでない。
さて、ここで強調したいのは、そこにかける「時間」、つまりプロセスの長さと中身である。
努力して幸運にも恵まれ成功しました、というのは嘘ではないが全部ではない。
社長としての知識やノウハウは比較的短時間で習得できるだろう。
しかし、実際にその力を体得するには「時間」がかかる。
私自らを省みてそうであったと思う。
皆も同じだ。
しかも今も尚、進行形である。
社長業は楽しいがキビシイよ、と顔に書いてある。
そこで、この長期の成長プロセスを嫌う人はショートカットを目指す。
ショートカットとは、一瞬にして実力と成果とを手にする「魔法の杖」を手に入れることに等しい。
そして実績は芳しくない。
なぜか。
その理由は簡単明解だ。
人間の成長とは、一つひとつの課題、難題を乗り越えることで身につくものだからだ。
社長業も同じである。
力がないのにあると見せるのは、営業用には向いてはいるかも知れないが実際の社会では通用しない。
本物の力は徐々に身につくものであって、ある日急に身につくわけではない。
しかも人間の行う事であるから完成もない。
心の成長も同じである。
この原理は古今東西変わることがない。
しかし「魔法の杖」を持てば一瞬に高みに登れる。
「魔法の杖」を持つことで、すべての問題は解決される。
そこで「魔法の杖」が欲しくなることには同情するが、現実は全く違う事を知らねばならない。
今まで我々は、評価対象にさえされない「個人の起業」からスタートして、会社を大きくするのではなく業績を伸ばす、という”新しいスタイル”を提示してきた。
工業化社会には不可能な「型」である。
大変だったが、スタート時点からの厳しい事業環境には心から感謝したい。
何故ならそこで充分鍛えられたからである。
当時我々ができる事と言えば、
1)いい仕事を行う
2)ともかく成果を出す
3)次に活かす
これら3つぐらいしかなかった。
そうでなければ存続さえしえなかった。
だからひたすら努力し続けることが必要だったが、それが幸いした。
本当に努力をし続けた。
同時に30~40歳台と比較的若かったことも助かった。
年末年始を除き、一年中働いても大丈夫だった。
ともかく「魔法の杖」を求めない経営姿勢こそが我々の共通点である。
コロナ騒ぎの前に懐かしい顔が集まれば、当時を振り返り、
「大変だったけど面白かった」
と口々に言うのだが、それにはちゃんとした理由がある。
「魔法の杖」は物語では重要な役目を果たすが、実社会には不要である。
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