専門的なことはよく判らないが。
どことなく、怪しい感じが……。
asahicom(朝日新聞社):日銀、準備金積み増しへ 自己資本比率は低下 - ビジネス・経済
(以下に引用)
日本銀行は11日、09年3月期決算で自己資本を増強するため、資本に繰り入れる法定準備金を積み増すことを財務省に申請した。毎年、最終利益の5%を資本に繰り入れる決まりだが、今回は3倍の15%を積み立てる方針で、財務省も応じる見通し。金融危機後、コマーシャルペーパーや社債など、リスクのある資産を購入しているのを踏まえた措置で、準備金の積み増しは4年ぶり。
日銀法では、決算で企業の最終利益に当たる剰余金の5%を法定準備金として資本に組み入れ、出資者への配当を除いた残りを国庫に納付する。08年3月期は6407億円の剰余金に対し、5%に当たる320億円を準備金として自己資本に組み入れた。
ただ、急激な円高で日銀が保有する外貨建て資産が大きく目減りしたことなどから、09年3月期の剰余金は前期の半分程度に落ち込むとみられ、準備金も400億円超にとどまる見通し。資本増強後の自己資本比率は分母となる銀行券(紙幣)発行残高の増加もあって、7.47%と昨年9月末時点の7.54%を下回る。日銀が健全性の目安とする8~12%にも届かない状態が続く。(堀口元)
=====
何といいますか、こういうのって素人を騙す手口とかに似ていて、説明とかが正しいのかどうかなんて、きっと多くの人々には判らないのでは。
とりあえず記事を信じるとして、剰余金が仮にざっと3000億円(半減したというので)、すると準備金繰入額が5%なので150億円ということになる。これが15%水準にしてもらったとしても、3倍の450億円程度にしかならんよね、という話かと。
記事では「資本に繰り入れる決まり」とか書いているけど、「法定準備金」はそのまんまでいいんでないの?
これをいちいち「資本」とか「自己資本」「自己資本比率」とか、違う言葉で幾度も言い換えるからこそ、「何を書いている記事なのか判らんよね」ということになってしまうのでは。
理解が足らないんではないのかな、と思わないでもない。
この記事の説明は本当に正しいんでしょうか?
いや、自分も専門家じゃないから確かなことは言えないんだけどさ。でも、私の理解としては、何か違うような気がするけど。
実際の数字を見てみるよ。
営業毎旬報告平成21年5月10日現在:日本銀行
これによると、準備金は約2兆6150億円で、この数字は数年前から変わってないよね、ということですかね。それは別にどうってことでもないような気がしますが。で、記事で言ってる「資本」って資本金のことと違うのな。「資本金」は昔ながらの伝統的に1億円ちゅうことになっていて、ユダヤの陰謀論なんかだとこの出資者がユダヤ長者だか「ロス、茶入るど」だったか「岩、ふぇらぁー」だったか(笑)知らんが、そういう陰の支配者のところに配当金が支払われるんだ、という説になっているらしい。実際、株主の構成とか、謎に包まれているみたいで、本当に市場取引が成立しているのかどうかさえ、よく判らないんじゃないだろうか。いや、買ったことないから判らんだけなのだが。国庫納付額と準備金積立額の合計を剰余金から引けば、配当に回された金額がいくらになるかわかるんだろうけど、調べてないから知らん。数億~数十億円くらい?
ま、これはどうでもいい。
記事を素直に読んだ人ならば、日銀の自己資本比率が低下していて困っているから、自己資本を積み増すんだな、という感じに受取るだろう。そのワケは、「リスク資産を購入したから」、ということかと思うでしょう?だって、CPや社債購入云々って説明しているもんね。
けど、終わりの方では、「今年は準備金がたったの400億円くらいだし、札束ジャンジャン刷ってるから、分母が増えちゃって、自己資本比率が半年で0.07ポイントも低下しちゃってるし~」ということを言っているように読めるわけですね。別に、リスク資産購入の話とは関係がないんじゃありませんか?ってことなんですわ。だって、後半の部分ってのは準備金積立額が昨年度の320億円から400億円に増えたのに、自己資本比率が低下してるんだから、準備金の繰入額云々の問題ということではない、ということなんじゃないですかね?
もっと単純に、例えば「分母となる発券額が○○兆円も増加したから」(準備金繰入額が80億円以上も増加したにも関わらず、自己資本比率は低下してしまった)、というような説明だったら判るよ。けど、そうじゃないんだな、これが。どうも(CPや社債等の)リスク資産を購入したから、というのが、準備金繰入額を増やす目的なんだよ、みたいに記事では書いていたんですよね。そんな数百億円程度の違いの問題なんですかね?自己資本比率の低下なんて、もっと金額の幅がデカいんじゃございませんかね?法定準備金の積立額の影響が最も大きいわけですか?(笑)
もうちょっと見ていくことにするお。
日銀の営業毎旬報告の資産サイドを見れば、CP約8350億円、社債約1000億円なので、合わせても9350億円くらいにしかならない。ざっと1兆円としたって資産113兆円の1%以下の水準でしかない。要するに、大したことないよね、ってこった。この大きさと、自己資本の大きさを見比べれば、断然自己資本の方が大きい。
ところで、ここで大事なのは、「自己資本ってナニさ?」ということだね。
日銀の資料からすると、バランスシートの右側の下3つだな。
判りやすいのは「資本金」で、読んでそのまんま。1億円。ほぼ影響力皆無。大きい項目は、「準備金」の約2兆6150億円で、これが朝日記事にあった「法定準備金を今度3倍多く積み増すことにしたから!」というやつですな。けど、たった300億円くらい変わったところで、そんなに影響があるのかとは思いませんか?リスク資産1兆円に対してなら、小さすぎるわな。
最後に「引当金勘定」。こんなもんが自己資本かいな、とか言わないで、一応そういう決まりになっているらしいから。
最も問題なのは、この「引当金勘定」なんじゃないの?
だって、日銀の自己資本残高って、最悪期の03年度末には5兆1750億円くらいだったでしょ?今だと、ざっと5兆8400億円くらいあるから、約6650億円も増加しているわけだ。これって、剰余金の5%を積立たって、ここまで増えたりはしないんじゃないですかね?割と調子の良さそうだった08年3月期末でも300億円ちょいくらいだったわけだから、これを5年続けても1500~1600億円にしかならんわな。するってえと、先の6650億円との差額で見れば他の増加要因が約5000億円とかのレベルであるから、剰余金が減って積立額が減少したから云々っていうのは、影響が小さすぎやしないか?高々百億とかの水準じゃん。
でも、自己資本残高の増加水準はもっと大きい。
つまり、資本金が1億円のまま不変で、法定準備金の増加額がそんなに大幅に増えていないなら、残るは「引当金勘定」しかないんじゃございませんかね?
02年度末の法定準備金残高は約2兆4939億円だった。
今の水準と比較すると、1210億円しか増えてない。つまりは、自己資本残高の増加は引当金勘定でしょうね、ということです。
普通の銀行で言う「自己資本比率」だと、たぶん「自己資本/総資産」の百分比ということでしょうけど、日銀の言ってる「7.54→7.47%に低下したぢゃないか !!」というのは、計算式がそうなっているわけではないでしょう。総資産に対する自己資本だと、5.16%くらい(5兆8416億円/113兆2499億円)しかありませんので。
日銀の言う「自己資本比率」とは、自己資本/発行銀行券ということでしょう。それで計算してみると数字が合いますので。これは日銀特有の基準であり、通常の銀行なんかとは全く違いますね。
※※超重要!! 試験に出る(笑、ウソだよ~ん)
→ 自己資本比率=自己資本/発行銀行券×100 (%) …①
→ 自己資本=資本金1億円+法定準備金+引当金勘定 …②
では、何故自己資本比率が低下したか、ということですが、①式から判るように、
・自己資本の減少
・発行銀行券の増加
ということですね。
朝日記事では、準備金繰入額が減ったから苦しくなったんだ、みたいなイメージでしたよね?
でも、違うでしょ。そういうことだけではないんですよ。準備金の繰入額がやや減ったからということではないんです。銀行券残高の増加率の方が高ければ、自己資本が増加していても自己資本比率は減少します。また、引当金勘定を増やせないような場合にも、自己資本増加率が銀行券の増加を下回ってしまうと、自己資本比率が低下してしまうことになります。
でもね、銀行券はただ無闇やたらと増えてるわけではないんですよ。
お宅の奥さんがタンスにヘソくったりするからこそ、銀行券が増えてしまうわけで(笑)。
また、信用システムが不活性化していても、やはり発行が増加するでしょうね。それは現金主義だからですよ。紙の上で数字が行ったり来たりしているとキャッシュが要らないので、経済規模に見合った取引が紙幣ナシで行われると紙幣の必要量は減りますよ。判りやすい例は、カードで冷蔵庫20万円を買うみたいなものです。これを現金で払えばその分だけ社会には多くの紙幣を必要としますが、カードで決済されると必要なくなりますので。どこかの竹やぶとか縁の下とかに死蔵されているかもしれない、多額の現金とかが増えれば、やはり紙幣は増加しますわな。
ま、銀行券ルールのことについても、今度書くから。
要するに、資産が増えるから負債サイドでも増加するわけで、自己資本比率が下がるのは引当金勘定の数字が小さめだから、ということに行き着くんじゃないですかね。それはどうしてなんだろうか?
例えば損失を穴埋めして引当金取り崩しで目減りさせ、新たに積み直しとかだから?
他の費目が増えちゃって、仕方なしに引当額を相対的に下げたとか?
うーん、それとも、やはり、銀行券発行額の伸びが大きいから?
いずれにせよ、準備金の新たに積める額が小さいので問題だ、みたいな話とは違うんじゃないですかね。あっても、微々たる影響ではないかな、と。
外国為替とか金銭信託とか、そういう資産が大幅に目減りして、資産サイドでダメージを受けたので、負債サイドの比率が影響を受けてしまったというようなことはないんですかね?
他にも目を引く項目としては、リスク資産購入云々の高々1兆円よりも、貸付金25兆6352億円の方がはるかにデカいと思うけど。
共通担保オペ+企業金融支援特別オペで25兆円以上の費目が新たに登場しているという方が、驚きだ。どんだけ貸付してんの、って感じだ(カンジダじゃないよ)。因みに、前回のどん底期だった03年頃では、日銀の国債保有残高は90兆円を超えていた。長期国債だって上限(所謂「銀行券ルール」)ギリギリの60兆円以上の保有だったこともあった。が、貸付金はなかった。参考までに金銭信託は1.8兆円以上買ったようだったが、その後売り抜けてガッポリ儲けやがった(福井総裁自ら投資活動をやっていたような日銀だからw)のかもしれないが、今では1.1兆円ちょいくらいまで萎んでいるようだな。日銀もぼくらと一緒に塩漬け中ですか?(笑)
ま、いいけど、リスク資産云々を言うなら、CP+社債の比ではないのが、外国為替(外貨建て資産だね)の9兆円超とか、金銭信託1兆円超とかの資産ではないのか?w
10兆円分の外貨建て資産+国内株式と、CP9千億円弱+社債1千億円弱の比較だと、どこからどう見ても前者の方がリスキーな資産のようにしか思えないけど。素直に言いなよ、内緒にしとくからさぁ~。ホントは、日銀さんもゴボッとやられちゃったんじゃないの?引当勘定って、一般的な「貸倒引当金」みたいに損失分を穴埋めする用に積んでおくんじゃないの?負債サイドの銀行券は腐らないけど、資産サイドはやられちゃったから、相対的に銀行券残高以外の費目割合が変動して、結果的に引当金勘定に回せる余裕がなくなってしまったんじゃありませんかね?
ド素人の邪推ですから、別に信じてもらわなくてもいいんですがね。
要するに、朝日記事みたいなのを読んでも何の役にも立ちませんわな、ということは言えるかと思います。
どことなく、怪しい感じが……。
asahicom(朝日新聞社):日銀、準備金積み増しへ 自己資本比率は低下 - ビジネス・経済
(以下に引用)
日本銀行は11日、09年3月期決算で自己資本を増強するため、資本に繰り入れる法定準備金を積み増すことを財務省に申請した。毎年、最終利益の5%を資本に繰り入れる決まりだが、今回は3倍の15%を積み立てる方針で、財務省も応じる見通し。金融危機後、コマーシャルペーパーや社債など、リスクのある資産を購入しているのを踏まえた措置で、準備金の積み増しは4年ぶり。
日銀法では、決算で企業の最終利益に当たる剰余金の5%を法定準備金として資本に組み入れ、出資者への配当を除いた残りを国庫に納付する。08年3月期は6407億円の剰余金に対し、5%に当たる320億円を準備金として自己資本に組み入れた。
ただ、急激な円高で日銀が保有する外貨建て資産が大きく目減りしたことなどから、09年3月期の剰余金は前期の半分程度に落ち込むとみられ、準備金も400億円超にとどまる見通し。資本増強後の自己資本比率は分母となる銀行券(紙幣)発行残高の増加もあって、7.47%と昨年9月末時点の7.54%を下回る。日銀が健全性の目安とする8~12%にも届かない状態が続く。(堀口元)
=====
何といいますか、こういうのって素人を騙す手口とかに似ていて、説明とかが正しいのかどうかなんて、きっと多くの人々には判らないのでは。
とりあえず記事を信じるとして、剰余金が仮にざっと3000億円(半減したというので)、すると準備金繰入額が5%なので150億円ということになる。これが15%水準にしてもらったとしても、3倍の450億円程度にしかならんよね、という話かと。
記事では「資本に繰り入れる決まり」とか書いているけど、「法定準備金」はそのまんまでいいんでないの?
これをいちいち「資本」とか「自己資本」「自己資本比率」とか、違う言葉で幾度も言い換えるからこそ、「何を書いている記事なのか判らんよね」ということになってしまうのでは。
理解が足らないんではないのかな、と思わないでもない。
この記事の説明は本当に正しいんでしょうか?
いや、自分も専門家じゃないから確かなことは言えないんだけどさ。でも、私の理解としては、何か違うような気がするけど。
実際の数字を見てみるよ。
営業毎旬報告平成21年5月10日現在:日本銀行
これによると、準備金は約2兆6150億円で、この数字は数年前から変わってないよね、ということですかね。それは別にどうってことでもないような気がしますが。で、記事で言ってる「資本」って資本金のことと違うのな。「資本金」は昔ながらの伝統的に1億円ちゅうことになっていて、ユダヤの陰謀論なんかだとこの出資者がユダヤ長者だか「ロス、茶入るど」だったか「岩、ふぇらぁー」だったか(笑)知らんが、そういう陰の支配者のところに配当金が支払われるんだ、という説になっているらしい。実際、株主の構成とか、謎に包まれているみたいで、本当に市場取引が成立しているのかどうかさえ、よく判らないんじゃないだろうか。いや、買ったことないから判らんだけなのだが。国庫納付額と準備金積立額の合計を剰余金から引けば、配当に回された金額がいくらになるかわかるんだろうけど、調べてないから知らん。数億~数十億円くらい?
ま、これはどうでもいい。
記事を素直に読んだ人ならば、日銀の自己資本比率が低下していて困っているから、自己資本を積み増すんだな、という感じに受取るだろう。そのワケは、「リスク資産を購入したから」、ということかと思うでしょう?だって、CPや社債購入云々って説明しているもんね。
けど、終わりの方では、「今年は準備金がたったの400億円くらいだし、札束ジャンジャン刷ってるから、分母が増えちゃって、自己資本比率が半年で0.07ポイントも低下しちゃってるし~」ということを言っているように読めるわけですね。別に、リスク資産購入の話とは関係がないんじゃありませんか?ってことなんですわ。だって、後半の部分ってのは準備金積立額が昨年度の320億円から400億円に増えたのに、自己資本比率が低下してるんだから、準備金の繰入額云々の問題ということではない、ということなんじゃないですかね?
もっと単純に、例えば「分母となる発券額が○○兆円も増加したから」(準備金繰入額が80億円以上も増加したにも関わらず、自己資本比率は低下してしまった)、というような説明だったら判るよ。けど、そうじゃないんだな、これが。どうも(CPや社債等の)リスク資産を購入したから、というのが、準備金繰入額を増やす目的なんだよ、みたいに記事では書いていたんですよね。そんな数百億円程度の違いの問題なんですかね?自己資本比率の低下なんて、もっと金額の幅がデカいんじゃございませんかね?法定準備金の積立額の影響が最も大きいわけですか?(笑)
もうちょっと見ていくことにするお。
日銀の営業毎旬報告の資産サイドを見れば、CP約8350億円、社債約1000億円なので、合わせても9350億円くらいにしかならない。ざっと1兆円としたって資産113兆円の1%以下の水準でしかない。要するに、大したことないよね、ってこった。この大きさと、自己資本の大きさを見比べれば、断然自己資本の方が大きい。
ところで、ここで大事なのは、「自己資本ってナニさ?」ということだね。
日銀の資料からすると、バランスシートの右側の下3つだな。
判りやすいのは「資本金」で、読んでそのまんま。1億円。ほぼ影響力皆無。大きい項目は、「準備金」の約2兆6150億円で、これが朝日記事にあった「法定準備金を今度3倍多く積み増すことにしたから!」というやつですな。けど、たった300億円くらい変わったところで、そんなに影響があるのかとは思いませんか?リスク資産1兆円に対してなら、小さすぎるわな。
最後に「引当金勘定」。こんなもんが自己資本かいな、とか言わないで、一応そういう決まりになっているらしいから。
最も問題なのは、この「引当金勘定」なんじゃないの?
だって、日銀の自己資本残高って、最悪期の03年度末には5兆1750億円くらいだったでしょ?今だと、ざっと5兆8400億円くらいあるから、約6650億円も増加しているわけだ。これって、剰余金の5%を積立たって、ここまで増えたりはしないんじゃないですかね?割と調子の良さそうだった08年3月期末でも300億円ちょいくらいだったわけだから、これを5年続けても1500~1600億円にしかならんわな。するってえと、先の6650億円との差額で見れば他の増加要因が約5000億円とかのレベルであるから、剰余金が減って積立額が減少したから云々っていうのは、影響が小さすぎやしないか?高々百億とかの水準じゃん。
でも、自己資本残高の増加水準はもっと大きい。
つまり、資本金が1億円のまま不変で、法定準備金の増加額がそんなに大幅に増えていないなら、残るは「引当金勘定」しかないんじゃございませんかね?
02年度末の法定準備金残高は約2兆4939億円だった。
今の水準と比較すると、1210億円しか増えてない。つまりは、自己資本残高の増加は引当金勘定でしょうね、ということです。
普通の銀行で言う「自己資本比率」だと、たぶん「自己資本/総資産」の百分比ということでしょうけど、日銀の言ってる「7.54→7.47%に低下したぢゃないか !!」というのは、計算式がそうなっているわけではないでしょう。総資産に対する自己資本だと、5.16%くらい(5兆8416億円/113兆2499億円)しかありませんので。
日銀の言う「自己資本比率」とは、自己資本/発行銀行券ということでしょう。それで計算してみると数字が合いますので。これは日銀特有の基準であり、通常の銀行なんかとは全く違いますね。
※※超重要!! 試験に出る(笑、ウソだよ~ん)
→ 自己資本比率=自己資本/発行銀行券×100 (%) …①
→ 自己資本=資本金1億円+法定準備金+引当金勘定 …②
では、何故自己資本比率が低下したか、ということですが、①式から判るように、
・自己資本の減少
・発行銀行券の増加
ということですね。
朝日記事では、準備金繰入額が減ったから苦しくなったんだ、みたいなイメージでしたよね?
でも、違うでしょ。そういうことだけではないんですよ。準備金の繰入額がやや減ったからということではないんです。銀行券残高の増加率の方が高ければ、自己資本が増加していても自己資本比率は減少します。また、引当金勘定を増やせないような場合にも、自己資本増加率が銀行券の増加を下回ってしまうと、自己資本比率が低下してしまうことになります。
でもね、銀行券はただ無闇やたらと増えてるわけではないんですよ。
お宅の奥さんがタンスにヘソくったりするからこそ、銀行券が増えてしまうわけで(笑)。
また、信用システムが不活性化していても、やはり発行が増加するでしょうね。それは現金主義だからですよ。紙の上で数字が行ったり来たりしているとキャッシュが要らないので、経済規模に見合った取引が紙幣ナシで行われると紙幣の必要量は減りますよ。判りやすい例は、カードで冷蔵庫20万円を買うみたいなものです。これを現金で払えばその分だけ社会には多くの紙幣を必要としますが、カードで決済されると必要なくなりますので。どこかの竹やぶとか縁の下とかに死蔵されているかもしれない、多額の現金とかが増えれば、やはり紙幣は増加しますわな。
ま、銀行券ルールのことについても、今度書くから。
要するに、資産が増えるから負債サイドでも増加するわけで、自己資本比率が下がるのは引当金勘定の数字が小さめだから、ということに行き着くんじゃないですかね。それはどうしてなんだろうか?
例えば損失を穴埋めして引当金取り崩しで目減りさせ、新たに積み直しとかだから?
他の費目が増えちゃって、仕方なしに引当額を相対的に下げたとか?
うーん、それとも、やはり、銀行券発行額の伸びが大きいから?
いずれにせよ、準備金の新たに積める額が小さいので問題だ、みたいな話とは違うんじゃないですかね。あっても、微々たる影響ではないかな、と。
外国為替とか金銭信託とか、そういう資産が大幅に目減りして、資産サイドでダメージを受けたので、負債サイドの比率が影響を受けてしまったというようなことはないんですかね?
他にも目を引く項目としては、リスク資産購入云々の高々1兆円よりも、貸付金25兆6352億円の方がはるかにデカいと思うけど。
共通担保オペ+企業金融支援特別オペで25兆円以上の費目が新たに登場しているという方が、驚きだ。どんだけ貸付してんの、って感じだ(カンジダじゃないよ)。因みに、前回のどん底期だった03年頃では、日銀の国債保有残高は90兆円を超えていた。長期国債だって上限(所謂「銀行券ルール」)ギリギリの60兆円以上の保有だったこともあった。が、貸付金はなかった。参考までに金銭信託は1.8兆円以上買ったようだったが、その後売り抜けてガッポリ儲けやがった(福井総裁自ら投資活動をやっていたような日銀だからw)のかもしれないが、今では1.1兆円ちょいくらいまで萎んでいるようだな。日銀もぼくらと一緒に塩漬け中ですか?(笑)
ま、いいけど、リスク資産云々を言うなら、CP+社債の比ではないのが、外国為替(外貨建て資産だね)の9兆円超とか、金銭信託1兆円超とかの資産ではないのか?w
10兆円分の外貨建て資産+国内株式と、CP9千億円弱+社債1千億円弱の比較だと、どこからどう見ても前者の方がリスキーな資産のようにしか思えないけど。素直に言いなよ、内緒にしとくからさぁ~。ホントは、日銀さんもゴボッとやられちゃったんじゃないの?引当勘定って、一般的な「貸倒引当金」みたいに損失分を穴埋めする用に積んでおくんじゃないの?負債サイドの銀行券は腐らないけど、資産サイドはやられちゃったから、相対的に銀行券残高以外の費目割合が変動して、結果的に引当金勘定に回せる余裕がなくなってしまったんじゃありませんかね?
ド素人の邪推ですから、別に信じてもらわなくてもいいんですがね。
要するに、朝日記事みたいなのを読んでも何の役にも立ちませんわな、ということは言えるかと思います。